海外で活躍出来るアーティストになれる? 音楽ストリーミングサービスを使ったプロモーション方法とは
昨今、邦楽が世界の人々に聴かれる世の中になってきつつあります。
藤井風の『死ぬのがいいわ』や、YOASOBIの『アイドル』などの先例があるように、一発当てれば爆発的なリスナー数や再生回数を叩き出すことも夢ではありません。
本記事では、音楽ストリーミングサービスを活用し、海外リスナーの獲得を目的とした効果的なプロモーション方法について解説していきたいと思います。
いわゆる「ストリーミング時代」に突入し、しばらくが経ち、現代はCD販売枚数でランキングが作られていた時代とは、取るべき戦略がまるで違う状況になっていると言えます。
このような背景があるので、今一度ストリーミングの重要性を解説しておこうと思います。
特定の音楽ストリーミングサービスでは、配信されている楽曲にスコア付けが施されており、その指標に基づいてアルゴリズムが楽曲をピックアップしプレイリスト掲載を判断している場合があります。
このため、アーティストやレーベル担当者の方は、どのような楽曲が高いスコア評価を得るのか知っておくことが望ましいです。
先述の通り、楽曲のスコアを上げるには現状把握とその分析が必要です。
本パートでは、アーティストや楽曲の現状分析をすることが可能な "Chartmetric" と "Soundcharts" というツールを紹介します。
ストリーミングの重要性

「ストリーミングに力を入れると稼げない」はウソ
音楽ストリーミングサービスが、楽曲を聴く環境の主流になってからアーティストは稼げなくなったという話は、皆さんもお聞きになったことがあるでしょう。 しかし、だからと言って、ストリーミングに注力しなければ、楽曲をヒットまで持っていくことは至難の業と言え、目隠しでバッドを振っているような状況にも近いと言えます。 仮に、CD販売に注力をしたいと考えるのであれば、音楽ストリーミングサービスでの再生データや視聴層などの情報を基に、CD販売のプロモーションプランを考えることが効果的になります。 現代では、音楽ストリーミングサービスでのデータや情報を的確に収集し活用することが、効果的なマーケティングを実現するための近道になってきています。プレイリストに入ることが重要
有名、無名に関わらず、アーティストにとって、自身の楽曲をプレイリストに掲載してもらうことは、プロモーションの第一段階である「曲を聴いてもらうこと」において非常に重要な要素です。 主題歌や広告などの大きなタイアップを得ずに、最も再生回数を伸ばすことが可能な方法は、現状ではプレイリストに掲載されることでしょう。 季節や行事毎に、関連する有名な楽曲が毎回チャートにランクインする現象は、プレイリストによる影響が大きいと言われています。影響力のあるプレイリストに1つ入るだけで、掲載された楽曲の再生回数は万単位で増加する可能性があります。楽曲にはスコアが設定されている

直近で多く再生されている曲は強い
Spotifyのアーティストページで、最も再生回数の多い楽曲が一番上に表示されていない様なケースを見たことがあるかもしれません。 これは、累計再生数が多い楽曲より、最上部に表示されている楽曲の "直近の再生数" が多くアルゴリズム的な評価が高いためである可能性があります。 サービス毎の表示ロジックによりますが、バズっている楽曲は「今」多く再生されている曲であり、ユーザビリティ的にも、直近の再生回数が多い楽曲をサービス内で露出させる方が効果的であるためと言えるでしょう。再生回数の他にも影響するデータがある
単純な再生回数以外にも、マイライブラリ保存率(セーブレート)やシェア数、スキップレート(30秒未満の視聴でスキップされた率)、完全視聴率など、楽曲のスコアは様々な要素の総合値から算出されます。 セーブレートやシェア数、完全視聴率は、繰り返し聴いたり、他の人にシェアしたくなるような「良い曲」であるという指標になります。 再生回数が低くても、他の数値が高ければスコアの上昇が見込めるため、一概に再生数稼ぎを行うのではなく、楽曲としての完成度やリスナー評価を高める意識でのクリエイティビティを発揮する必要があると言えるでしょう。高い楽曲スコアの取り方とは
高い楽曲スコアを取るには、再生回数を伸ばすことが最も効果的な方法と言えます。 再生回数が必ず増加し、高い楽曲スコアが取れる絶対的な筋道はありませんが、的確な現状把握から得た情報から自身の楽曲が最も刺さる層(性別、国籍、年齢など)を見つけ、そのターゲット層にアプローチすることが出来れば、堅実に再生回数が伸びる可能性は高いと考えられます。 この方法で知名度を高めたアーティストは数多くいますが、現在世界的なスターの地位を確立しているビリー・アイリッシュも、上記のような方法で今の人気を獲得しています。 まだ彼女が無名だった当時、SNSの情報から彼女の曲が最も影響力を持つ層をティーンエイジャーの女性と考え、彼女のチームはそこにプロモーションした結果、この施策は成功し、現在の世界的なファンを獲得することに繋がりました。 このエピソードは裏を返せば、世界のトップアーティストでも、現状把握無しにはヒットを創造することは難しいとも言えるので、データ分析から適切なターゲットを見出し、的確にアプローチすることは重要と言えるでしょう。ChartmetricやSoundchartsを活用
