TORO「ロックの復権」を掲げる新生バンドが想う「孤独感」とは
「ロックの復権」を掲げる2023年結成のトリオ・ロックバンドTORO(トロ)。
既に2枚の アルバムをリリースしている彼らだが、去年、FUJI ROCK 2024の出演を果たし、SiM主催の 音楽フェスDEAD POP FESTIVAL 2024にはSiMのボーカル MAHの直接オファーでステージに立つなど、結成2年目とは思えぬ快進撃を続けている。
そんな彼らの魅力に迫るべく、バックグラウンドやアルバム制作、ライブなど様々なテーマについてじっくり語っていただいた。
筆者:今日までに他のメディア取材記事も拝見させて頂いたのですが、「ロックの復権」という言葉をよく目にします。とても魅力的なコンセプトだと思うのですが、どのような思いがあるのでしょうか?
梅田:最初キャッチーコピーみたいなのが欲しくてインパクト重視でいってしまったというか(笑)。
筆者:そうなんですね(笑)。でもものすごくロックバンドだなと感じるんですけれども。
梅田:そうですね。インパクト重視でいったは良いものの、元々やってたバンドも本当の意味でのサブカルチャーというかサブジャンルというか。言い方がちょっとくさいけど、アンダーグラウンド的な 音楽をやってたからこそ出来るカウンターカルチャー精神というのをメンバーそれぞれが持ってて、そのカウンターカルチャー感のあるロックミュージックという軸があるのかなと思います。
筆者:そう聞くと、先ほどの話とも似てる部分があると思うのですが、TOROの曲を聴いていると、どの年代の音楽に影響を受けたのかとても気になりまして、特に好きな年代はありますか?
梅田:最近、今作ってる 曲や、今後の制作を考える時に、バンドの軸になるジャンルを考えさせられることが多くて。よく思うのがどの年代という特定のものはないんですけど、それこそオルタナティブというか、本当の意味でのオルタナティブというか。いつの時代に聴いても同じ感動がするような音楽が好きで。そういう意味ではポップスと被ってる部分はあると思うんですけど、ずっと聴いていられるような曲作っていきたいなというのは思います。
筆者:普遍性ということでしょうか?
梅田:そうですね。いつの時代も聞かれる音楽ということを考えた時に「懐かしさ」と「新しさ」が両立できるような曲を作っていきたいなと考えています。
筆者:メンバー間では制作においてどのような役割を割り当てていますか?
梅田:基本的には僕がデモを作って、大西からドラムとかビートのアイデアをもらって。ベース(ハセガワ)はベースでアレンジをしてもらうって感じです。TOROはベースやドラム以外にも音が鳴っているタイプのバンドだから、最近は色々相談する感じで、自分が作るけど話し相手になってもらうことが多いですね。
筆者:ハセガワさんも大西さんもアレンジ面で意識することはありますか?
ハセガワ:アレンジというよりは、例えば「ここのメロディーが変わったから、こうしてみたんだけどどう?」みたいなのが来て、それで繰り返し聴いて「前の方が良いんじゃない?」みたいな、アレンジ作業というよりはフィードバックする感じですね。
筆者:大西さんもそのような感じですか?
大西:そうですね。基本、梅田が作ってきたものがあって、それをより翻訳的な感じにするというか。ドラムだったら僕の方が聴いてるし、リズムを勉強してるので、「こういうことをやりたいんだったら、こうだよね?」っていう感じでアレンジして、フィードバックしてみたいな感じですね。さっき梅田が言ってたように、前はドラムだけとかドラムのフレーズだけやってたんですけど、最近はデモ段階から「どうだろう?」と言ってくれるのでドラム以外の箇所も皆んながいるタイミングで話し合ったりしますね。
筆者:共通認識がより深まった感じですね。
大西:そうですね。
筆者:2024年に2ndアルバム『幸です』をリリースされましたが、1stアルバム『TORO』とはだいぶテイストが違う作品だと思うのですが、制作過程において1stアルバムと何か違いはありましたか?
梅田:アルバムの統一感は作りつつも、一つのジャンルに偏るバンドではないのかなっていう認識はあって、2ndアルバムを作る時に最初はポップスの 曲を作ろうっていう気でいたんですけど、考えていくうちに色々なジャンルが混じって、ちょっとオタクなアルバムになったのかなっていう感じはあります。
筆者:意識したというよりは、自然と付け加えられたという感じなんですね。
梅田:そうですね。付け加えられたという感じではありますね。自分が作りたい曲を作るっていうの想いはあるんですけど、色んな音楽を聴いて生まれた排泄物のような要素も作曲の魅力の一つかなって感じてて。1stアルバムを作ってる時は、バンドの方向性はあったんですけど、1stアルバムに比べて2ndアルバムの方が自分が聞く音楽を、自然とアウトプットしたような感覚はあって。1stアルバムの方が、バンド結成前の曲が多かったし、制作の方向性がある程度明確にありました。2ndアルバムは自然に出てきた音楽を素直にアウトプットした アルバムになったと思ってます。
筆者:そういう意味では2ndアルバムの方が楽曲に多様性が出た感じですか?
梅田:そうですね。自由な感じに。
筆者:1stアルバムでは英語の歌詞のみの楽曲があったと思うのですが、2ndアルバムでは、すべて英語歌詞の楽曲はないなと思ったのですが、歌詞に対する想いやスタンスに変化があったのでしょうか?
梅田:バンドをはじめる前に作った 曲は、ラウドロックミュージックをずっとやってきて、英語が当たり前の文化で育ってきたので自然と英語的なフレーズが出てくるし、「英語だろ!」みたいな感じだったんですけど。それこそ1stアルバムも日本語がちょびちょび入ってるじゃないですか?
筆者:そうですね。
梅田:そう。ボーカルや作詞をやるのがこのバンドが初めてだったので、最初は当たり前に英語でやってたけど日本語で書いたら、自然と言いたいことが出てきて、言葉遊びが面白いなとなって。邦楽を全然聴いてこなかったタイプだったので、日本語の歌詞に対する知識がなくて。日本語に対するトラウマがあって、日本語が良いって気付いた後は、トラウマだったからこそ使ってこうみたいな。そしたらだんだん自分っぽい言葉が生まれてきて、面白いなと思い、日本語で書くようになりました。
筆者:一つの挑戦でもあり、それが今作に表れたんですね。
梅田:そうですね。今後も多分ずっと日本語が多めになると思います。
筆者:そうなるとTOROの楽曲以外で、日本人アーティストの方の歌詞にも意識が向くようにもなったのではないでしょうか?
梅田:そうですね。日本語の歌詞を書くようになって、日本のバンドが好きになったというか、最近は山下達郎さんや宇多田ヒカルさんとか。日本語をフィールドに活動している作詞家に対して、自分の中で解像度が高くなった感じはあります。
筆者:表現方法が増えた感じはありますね。
梅田:そうですね。言葉がないからこそ出てくる語彙というものがあるのかなと思います。
筆者:精力的にイベント出演を行われ、イベントとはもちろん、FUJI ROCKやSiM主催のDEAD POP FESTIVAL にも出演された中で心境の変化はありましたか?
メンバー:(しばらく考え込む)
梅田:でも、また野外フェスはやりたいよね。
ハセガワ:そうだね。
梅田:いちばん音が抜けるからなのか開放感があって。それこそフェスって言葉通り祭りというか、すごく共有されてる感があるなと思って。フェスにいっぱい出れるようなバンドになりたいなって感じましたね。あとはリスナーの方も徐々に増えているとは思うけど、2024年はライブ活動での課題を解決する場面が多かったです。元々ライブに来てくれる人よりは、一人で 音楽をイヤホン越しで聴いてるリスナーに届いて欲しいというか、部屋でも聴けるロックミュージックでありたいという意識はあって。だから今後もライブは一回も行ったことないけど音楽がめっちゃ好きな人に届けられたら良いなっていう意識はありますね。
筆者:2024年は台湾の音楽イベントにも出演されていましたが、お客さんの雰囲気は日本と違いはありましたか?
梅田:20代くらいの若い人が多くて、台湾の人は「どれ?どれ?評価してやるか。」ではなくて純粋に「音が鳴ってるからちょっと行こうよ。」みたいな気軽さが国内全体にあるのかなって実感しましたね。
筆者:すごく本質的な話ですね。
梅田:そうですね。皆んなが同じ感情を共有している感じが台湾のフェスにはあって、主催の方の思いも伝わってきて熱気があるなと思いました。
筆者:同じアジアでもやはり違いはあったんですね。
梅田:違いましたね。
筆者:ライブの手応えも感じやすかったのではないでしょうか?
梅田:そうですね。レスポンスも素直にきてくれましたね。
筆者:先ほど、大西さんが学生時代にSiMにハマっていたとお聞きしましたが、DEAD POP FESTIVAL にSiMのボーカルMAHさんから直接オファーが来て出演されたことは一つの成果だと思うのですが、どのような心境でしたか?
大西:めちゃくちゃ嬉しかったですね。それこそDEAD POP FESTIVAL は自分が初めて行ったフェスだったので。梅田もね?
梅田:うん。俺もそう。
大西:SiMとかcoldrainとかのライブに高校生の頃たくさん行ってたので本当に嬉しかったですね。しかも自分たちが結成1年目だったので、「うわ、まじか?!」みたいな(笑)。有頂天みたいな感じでしたね。
梅田:嬉しかったよね。
大西:うん。めちゃくちゃ嬉しかったね。
梅田:DEAD POP FESTIVAL の出演後、ラウウドミュージックシーンの助け合い文化がかっこ良いなと思うようになって。SiMからしたら得はないけど、多分おもろいから多分俺らをピックアップしてくれたとか、若手をフェスとかイベントに引っ張り出すっていう文化があのシーンにしかなくて、それがどれだけ大事なものだったかというか。バンドがバンドを引っ張るっていうのはロックの本質だなと。レッチリがジミヘンを聴いて好きになって、俺らがレッチリを聴いて好きになるみたいな受け継がれてく感じがロックの本質っぽくてかっこいいなって感じましたね。
筆者:TOROというバンドもその一部になってるような感覚になりますね。
梅田:そうですね。自分だけの得というよりかは、もっと流動性の高い考え方なんだなというか、すげー良い考えを持ってる人たちなんだなって思って。MAHさんかっこ良いよね。
筆者:会場ではお話しされましたか?
梅田:そうですね。打ち上げにも参加させてもらって。優しかったですね。
ハセガワ:確かに。
バックグラウンドについて
筆者:まず最初にTOROの皆さんが、どのような音楽を聴きはじめ、どのように楽器に触れるようになったのかお聞きしてもよろしいでしょうか? 梅田:最初のきっかけは、マイケルジャクソンが死んだというニュースでその存在を知って、彼の楽曲をiPod nanoに入れてもらったことです。中学受験したんですけど、図書館とかでめっちゃ聴いてた思い出が今になって思い出すというか。 筆者:あれですよね。亡くなって知るという...。 梅田:そうですね。多分、小5くらいだったの思うんですけど。楽器をはじめたのは中1とかなのでもうちょっと後なんですけど、その時はB’zにハマってて、なんかドラムやりたくて。「やらして」って親に言ったら「うるさいからギターにしな」って言われてギターをはじめました。 筆者:なかなかおもしろいですよね。B’zでギターではなくドラムというのは。 梅田:ドラムやりたかったですね(笑)。 筆者:ハセガワさんは、どのようなアーティストに影響を受けましたか? ハセガワ:自分が最初にアーティストとして認識したのは、父親が好きだったビートルズですね。父親がビートルズも好きだし、ハードロックも好きで、家にギターが何本かあったりして。日本だとBOØWYとかも好きだったみたいで、車の中で基本そういうのが流れてたり、父親が家で弾き語ったりしてるのを見てたので。且つ母親も 音楽が好きで、幼稚園くらいの時にELLEGARDENとか流したりしてて、その時は刺さらなかったんですけど。姉貴もピアノとかチューバとかやってて、音楽に囲まれてたので、ビビッときて始めたというか自然と楽器に触れるようになりました。最初は父親が持ってたギターを触って始めたんですけど、チューニングすら分からないからやめて、何年か後に姉貴がエレキベース持ってて触らしてもらってたらどんどんハマって、今もずっとベースを続けてます。 筆者:最初にしっかり触れた楽器がベースだったんですね。 ハセガワ:そうですね。 筆者:大西さんはどうでしょうか? 大西:お父さんが70年や80年台のダンスミュージックがすごい好きで、僕が小っちゃい頃車に乗っている時もそういうのばかり流していて昔の音楽ということはなんとなくわかっていたんですけど、80年代のダンスミュージックとかソウル、ファンクだって認識はなくて、その後にマイケルジャクソンを中学2年生ぐらいでアーティストとして初めて認識しましたね。 梅田:マイケルジャクソンはさっき言ったよ(笑)。(大西が途中参加だったため) 大西:そうなの。そこから昔聴いてたような音楽と似てるなとなって聴きはじめたので、そういう意味では最初はちょっと昔のダンスミュージック系ですかね。それで最初、中学校の友達とコピバンを始めたんですけど、それでやりたいってなったのが突然変異してハマったSiMとかラウンドロック系でした。 筆者:お三方とも両親がすごい 音楽が好きな環境だったんですね。楽器を始めた後、いつ頃からバンドを始めようという思いになったのでしょうか? 梅田:ギターをはじめた時からずっとバンドはやりたかったんですけど、楽器をやってる友人がいなかったから、ギターをやってる友達の家でお互い練習したりして、そこから文化祭に出られるようになったので、高1くらいからですね。 筆者:それでは最初から本格的にバンドを始めたというよりは、高校から続けてきた活動の延長のような事ですか? 梅田:そうですね。高校の時はコピーバンドをやってたので。それこそ大学のサークルがメタルサークルで、初めて組んだバンドがメタルコアバンドだったんですけど、その時のバンドのメンバーがハセガワの中高の先輩で。でもベースを辞めちゃって、その時にベースを募集したら彼が来てくれて。 ハセガワ:そこで俺が後から加わりました。 筆者:お二人が出会ったのはそこのタイミングなんですね。ドラムの大西さんはどこで出会ったのでしょうか。 梅田:大西もサークルで別のメタルバンドをやってて。 ハセガワ:彼も俺の一個上の先輩で。 梅田:飲み仲間的な感じで、酔っ払ったら基本いるみたいな奴で。それで後からこのバンド(TORO)を始めるときに声をかけたって感じです。 筆者:そうなんですね。全員について聞いてしまう形になってしまうのですが、サポートメンバーである木村さんも元々関係はあったのでしょうか?(2/24をもってサポート活動を終了) 梅田:彼は大学の先輩だったんですけど、知り合ったのはバンドをやりはじめた時ですね。 ハセガワ:前のバンドの時に対バンとかをしてて知り合って、実は大学の先輩だったみたいな。元々彼はミックスとかマスタリングエンジニアをやってたので、ファースト アルバムの時にお願いしようと思って頼んだんですけど、ギターがもう1人必要なことに気づいてお願いした感じですね。「ロックの復権」を掲げるTOROのバンドとしての在り方
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制作時におけるメンバーの役割
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2枚のアルバム
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ステージに立ち、抱いた思い
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良い意味でも悪い意味でもの「孤独感」
筆者:バンド名が「toro」から「TORO」に変わったと思うのですが、何か心境の変化があったのでしょうか? 梅田:めっちゃ意味があるわけではないんですけど、toroって小文字でバンドを始めちゃったんですけど、始めた時から大文字の方が絶対に良かったと思ってて(笑)。シンプルに思い続けてたから、もう変えてしまおうと。大文字の方が見やすくて良くない?っていう。 ハセガワ:字面が好きだね。大文字の方が(笑)。 梅田:あんま気にしてないです(笑)。大文字の方が見やすいからってだけですね。 筆者:そうだったんですね(笑)。もう一つお聞きしたいことがあるのですが、1st アルバム『TORO』と2ndアルバム『幸です』もジャケットがすごく良いなと思いまして、どちらとも寝転んだ姿が描かれてますが意味はあったりするのでしょうか? 梅田:アートワークを頼んでいる人がどちらも同じでインドネシアのアーティストの方なんですけど、人の 曲線を独特に書く方なので、変な姿勢の方が映えるアーティストだなと思ってお願いしました。デザイン自体は一人の視点というか。ロックミュージックは一対一の関係で、誰かが介入するものじゃないと思っていて、曲もアートワークも良い意味でも悪い意味でも「孤独感」を大事にしているので、あのようなデザインにしてもらいました。 筆者:先ほどの部屋で聴ける音楽ということにも繋がりますね。 梅田:そうですね。そのテーマに近いです。自分一人で聴くロックミュージックを目指してる節はあって、ジャケットも部屋感がある感じになりました。最後に
筆者:2025年の抱負を最後に聞かせていただいてもよろしいでしょうか? 梅田:バンド全体のですか? 筆者:そうですね。 梅田:せっかくなんでバンド以外でも良いですか?(笑) 筆者:大丈夫ですよ(笑)。 梅田:ピアノを弾けるようになりたい(笑)。ピアノを練習してるんですけど、、ピアノかな?あーでも、決まりました。運動しないとと思ってテニスを始めたんですけど、そのテニスを続けたいですね(笑)。 ハセガワ:歌を上手くなりたいというのが最近あったんですけど、それはバンド絡みなんで。 筆者:そうですね(笑)。 梅田: 音楽以外はむずかしいね。 ハセガワ:あ、運転を頑張ります! 大西:あー!それね(笑)。 梅田:それもバンドのためでしょ(笑)。 筆者:免許ということですかね? ハセガワ:免許は持ってるんですけど、全く運転しなくて。 梅田:こいつだけ全く運転しないんですよ。 ハセガワ:頑張ります(笑)。 大西:頼むよ。 筆者:大事ですね(笑)。 大西:俺も歌がマジで下手くそで、カラオケで80〜85点とかなんで。でも音楽絡みだしな。やっぱり運動不足がちなので継続的に運動したいですね。 梅田:被ってない?何かお願いしますよ。 大西:じゃあスパイスからカレー作るとか。 一同:アハハハハハハ。 梅田:勘弁してよ。 大西:スパイスカレー作ってみたいですね(笑)。 梅田:クラフトビールもあって。 筆者:流石にクラフトビールも作るのではないですよね?(笑) 大西:まだ流石にですね。 筆者:それではテニスと運転とスパイスカレーということで(笑)。 メンバー:そうですね(笑)。 筆者:かえって難しい質問になってしまいましたね。 メンバー:いえいえいえ(笑)。 「普遍性」と「孤独感」という、まさにロックの本質を追求し続けているTORO。この先に彼らが生み出す音楽は一体どのような音が鳴り響くのか、ますます興味が湧いてしまうインタビューとなった。 活動3年目に突入するTOROのこれからの飛躍に目が離せない。 -- EVENINGサイト:https://evening-mashup.com/ Web3 音楽ストリーミング:https://w3.evening-mashup.com/さんうさぎ 独占インタビュー!かわいい系BGM制作の裏側と想いとは
今回、EVENINGでは「かわいい系」フリーBGMで、今話題のクリエイター「さんうさぎ」さん(以下、さんうさぎ)にお話を伺いました。
さんうさぎ がリリースする楽曲は、TikTokやYouTubeで多くのコンテンツに使用されており、日本独自の「かわいさ」が表現された心に優しく響くサウンドとして注目が集まっています。
BGMというと、勉強や作業時間、リラックスタイムなどに愛用されることが多いですが、日常の中で気持ちを前向きにするような効果を持っている音楽です。
そんな中、さんうさぎが届けるBGMは、YouTubeやTikTokを中心に人気があり、配信者やVTuberなどにも支持されています。
本記事では、その音楽制作への思いやこだわり、そして、今後の展望についてお話を伺いました。音楽の魅力や制作時の工夫、今後の挑戦など、インタビュー内容をお楽しみください。
Q. 「かわいい系」BGMというテーマにこだわられている理由についてお聞かせください。
さんうさぎ
「Kawaii」という言葉があるように、日本には英語の「cute」とはまた違う独自のかわいい文化があるなと常日頃から感じています。その考えを音楽で表したい気持ちが強くあるため、「かわいい系」というテーマにこだわって制作をしています!
__日本の文化を大切にしつつ、ユニークな個性を感じますね。音楽を通して自分の思いを届けようとする姿勢は、自分の世界を作り上げているようで、とても魅力的です。
Q.「かわいい系」音楽が持つ魅力や特徴についてお考えをお聞きしたいです。
さんうさぎ
メロディーではない効果音的な音が目立って聴こえ、その1つ1つの音色がかわいいのが魅力だと考えています。例えば、雫が滴る「ぽちゃっ」という音や、鏡の割れる音、女性の掛け声やおもちゃの軋む音などです。
音があまり響かず、狭い空間で鳴っているように聴こえるのも、私の考えるかわいい系の音楽の特徴かなと思います。狭い空間で音が鳴っているサウンドだと、必然的に音の粒がはっきりしてきます(音の輪郭がはっきりするため)。それが、ころころとしたサウンドになりかわいいなと、よく思っています。
__音色の選び方や効果音の使い方が「かわいい系」の魅力を引き立てるなど、細部までこだわりを感じますね。
Q. 楽曲に込めたテーマや、BGM制作で意識するポイントを教えてください。
さんうさぎ
「かわいくどこか哀愁漂う曲」というのが、自分の中にテーマとしてあります。さんうさぎの楽曲には、かわいさ全開だけではなく、少し寂しげな雰囲気が漂う箇所があるようにしたいなと毎回思っています。
特に気を付けている点としては「音色選び」です。同じメロディーでも音色が違うだけでかわいいから逸脱してしまったりすることがあるため、そこにはかなり気を遣っています!
__「可愛いだけじゃない」という意外性が、聴く人に意外性を与えているのですね。聴き手にさまざまな表情を見せてくれる奥深さは魅力的です。
フリーBGM制作のきっかけ
Q. フリーBGMを制作し始めたきっかけは何だったのですか? さんうさぎ YouTubeのおすすめからフリーBGMの存在を知りました。物心がついたころから歌詞のない音楽を聴くのがすごく好きだったので、自分に合っているもの且つ、皆様から求められているのがフリーBGMだなと思い制作し始めました。 __素敵なきっかけですね!自分に合ったものを作りながら、他の人々にも役立つ音楽を提供できるのは素晴らしいことですね!かわいい系音楽における特徴と制作へのこだわり
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音楽制作のプロセスや工夫
Q. 楽曲制作で特に工夫されている点や、普段の制作プロセスについて教えていただけますか? さんうさぎ 工夫なのかはわかりませんが、「あまり考えすぎない」ということにはこだわっています。一度考えすぎてしまうと、空回りして納得いかない曲ができてしまったという経験がありました。 制作プロセスですが、まずは曲冒頭のメロディーから作り始めることが多いです。ふとした時に短いメロディーが思いつくので、それをパソコンで再現して、曲の冒頭に持ってきてしまいます。そこにコード進行やリズムの音を打ち込んでいくという感じです!曲の頭が決まっちゃえばあとはすいすいと作曲できちゃうタイプなので、冒頭の雰囲気をもとに曲全体を一気に作ってしまいます。ここの作業もあまり考えすぎずに感じたものをそのまま音にしていくことが大半です。 __「考えすぎない」というアプローチは、音楽制作で自然なインスピレーションを大切にする重要な方法ですね。素直で魅力的な楽曲を生み出していると感じます。 Q. 楽曲制作に使用されている機材やソフトウェアについて、お聞かせください。 さんうさぎ パソコンはノートパソコンで、MacBook Pro のM1 Proチップモデルを使っています。DAW はLogic Pro、オーディオインターフェイスはMOTU M4、ヘッドフォンはFOCALのListen Professional を使っています。 一応 Ik Multimedia の iLoud Micro Monitorというモニタースピーカーは持っているのですが、あまり使っていません。色々なカフェで作業するのが好きなので(特にスタバ大好き!!)、ハードウェアの機材はあまり持たないようにしています。 __機材へのこだわりがしっかりと感じられますね。音質や制作のクオリティにも大きな影響を与えていることがよく分かります。 Q. 視聴者やBGM利用者の方との印象に残ったエピソードがあれば教えてください。 さんうさぎ 「歌詞をつけたい」というコメントはとても印象に残っています。利用規約の中に「歌詞をつけて歌ったものを公開してもいいよ」という文言を入れているからなのかもしれませんが、想像以上に多くの方がこのような感想を言ってくださっているので、かなりびっくりしています!同じフリーBGMでも全然違う歌詞がついたりしているので、私としてはとても面白いです。 __視聴者とのつながりが音楽制作にも新たな可能性を加えている点が素晴らしいですね。自分の作品がどのように使われるかを知ることができるのは、作曲家としても新たな発見があって楽しいですね。 Q. これまでの活動での達成感や苦労したエピソード、顔出しなしで活動される中での工夫についてお聞きしたいです。 さんうさぎ いつもとは違う曲調を作ろうとした時はかなり苦労しました。たまにかわいい系以外の曲を作ることがあるのですが、そういう時はいつもとは違う楽器や音色を使うので、色々と大変です。その分出来上がった時の達成感はものすごくありました。 顔出しなしの工夫という工夫はあまりないのですが、強いて言えば名前を「さんうさぎ」にしたことかな、と思います(文字のビジュアルからかわいいと認識して欲しかったので)。かわいい音楽を作るので、かわいい名前にしたいなってつけたお名前が、結構色々な方に気に入ってくれたらしくとても嬉しいです! __色々なジャンルに挑戦することで新しい可能性が広がりますね。新しい音色や楽器を使っての楽曲制作は、大変さと同時に達成感がありそうですね。 Q. 楽曲制作での大きな挑戦や課題があればお伺いしたいです。 さんうさぎ 1曲目をリリースしたのが今までで最も大きな挑戦でしたね。過度に完璧主義なところがあるので、「プロの方が作っているサウンドと同じにならなきゃ世に出せない」と思いながら1日中パソコンに向かっていた日々がずっと続いていたのを今でも覚えています。 その甲斐あってか今はいろいろな方に曲を聴いていただき本当に嬉しい気持ちです。今の視聴者さんと、過去の自分に大感謝です! __最初の挑戦は誰もが通る道ですが、そこを乗り越えた経験が今の成功に繋がっていることが感じられますね。完璧を追い求める姿勢が良い作品を生み出しているので、その努力が報われているのが伝わってきます。 Q. ご自身の音楽スタイルや方向性を、今後どのように展開していきたいですか? さんうさぎ 今はかわいい系の曲ばかりなのですが、味変としてかっこいい系の曲やお洒落ジャジー系、ダーク系にも挑戦していこうと思っています。曲調の幅をどんどん広げていきたいです。いずれ劇伴みたいなのも作りたいな…なんて思っています。 __音楽の幅を広げることへの意欲が素晴らしいですね。新たなジャンルへの挑戦で、リスナーさんもさらに増えそうですね。今後の目標と展望
Q. 今後の活動や目標について教えてください。 さんうさぎ 引き続きフリーBGMを作りつつ、歌物にも挑戦したいなと思っています。ボーカロイドの楽曲は何曲か作っているので、そちらの制作も行いつつ、人の声の曲も作っていきたいです! 他にもアニメ、ゲームのOP、ED作曲(BGMでも歌物でも…)や、VTuberさんや活動者さんの歌物での楽曲提供、リアル店舗やリアルイベントでのBGM作成などやりたいことが山ほどあるので、徐々に手をつけていければなと思います。 「この曲を作ったのもさんうさぎさんなの!?」ということが増えるよう頑張ります。 __フリーBGMだけでなく、歌物やボーカロイド楽曲にも挑戦するという目標が明確で、今後の活動に対する意欲が感じられますね。今後がますます楽しみです。 Q. 最後に読者やファンの方に伝えたいことがあればお聞かせください。 さんうさぎ いつもさんうさぎの曲を聴いてくださり、そして使ってくださり本当にありがとうございます!作曲家という職業は聴いてくださる皆様、そしてフリーBGM作家は使ってくださる皆様なしでは成り立ちません。 液晶越しとなってしまい、直接お礼をお伝えできなくて大変心苦しいのですが、これからもずっと良い曲を作り続けて、皆様に恩を返し続けていきたいです。 これからも是非応援の程、よろしくお願いいたします!インタビューを通して
今回のインタビューでは、さんうさぎさんの楽曲制作や今後の活動についてお話を伺うことができました。 さんうさぎ が制作する日本独特の「Kawaii」感を代表するとも言える楽曲は、個人的には、日本だけでなく海外の方からも今後注目されるのではないかと感じました。 BGMだからこそ表現できる世界観や、楽曲制作でのこだわりは、いわゆる歌物などの音楽とは異なりますが、そのユニークな魅力が今後どのように受け入れられていくのか、とても気になります。今後の活躍から目が離せません。 皆さんも、日常の一部に「さんうさぎ」さんの曲を取り入れてみてはどうでしょうか。 -- EVENINGサイト:https://evening-mashup.com/ Web3 音楽ストリーミング:https://w3.evening-mashup.com/人気急上昇中の邦ロックバンド『ミーマイナー』に独占インタビュー!
結成からわずか半年で注目を集める邦ロックバンド『ミーマイナー』。
もともと異なる道を歩んできた2人が、どのようにして出会い、共に音楽の世界で新たな一歩を踏み出したのか。その裏には、信頼と仲間との絆がありました。
バンドとしての成り立ちや、SNS時代ならではのファンとの繋がり方について、2人が語った真意とは...?
活動の裏側や、音楽に対する純粋な情熱が光るインタビューで、彼らの音楽の魅力と成長の秘訣を明かしていく。
__「ミーマイナー」というバンド名の由来は何ですか?
美咲
もともとソロでバックバンドをつけてエレキギターを弾きながらライブをしていましたが、その時に「これってバンドじゃないな」と感じました。ソロで活動するのは嫌だったので、それ以来、バックバンドをつけるプロジェクトは絶対にやらないと決めました。
「ミーマイナー」という名前は、コードのEマイナーやAマイナーから来ています。つまり、一人ではなく、メンバー全員で成り立つバンドという意味です。さらに、自分のマイナーな部分を音楽で表現しているという意味もあります。
__なるほど。「ミーマイナー」という名前は音楽をやっている人にとって、すごくキャッチーですね。
美咲
私は仲間と一緒に作り上げることが好きなので、一人だけ目立つためにバックバンドをつけることは楽しくありません。信頼できる仲間と音を作り上げることが、バンドの本当の魅力だと思っています。
__普段からの関係性があるメンバーと音楽を作ることが重要なんですね。
美咲
そうですね。さすけさんとは6年来の付き合いで、グルーヴ感がぴったり合いますし、彼の音楽に影響を受けて自分の曲を書いたりもしています。そうした深い関係性があるからこそ、独特の音が生まれるんです。
__さすけさんについて、ある意味「古参のファン」のような気持ちもあるのでは?
さすけ
美咲さんがマカロニえんぴつをリスペクトしている点が大きいですね。多くのバンドは同級生同士で結成され、その関係性が音楽にも影響を与えます。バンドの魅力は演奏技術だけでなく、「このメンバーだからこそ作れる音楽」にあると思います。だから、ミサキちゃんがソロ活動で感じたことに共感し、バンドとして活動することになりました。
__構図としては、ボーカル主体のユニット、たとえばYOASOBIさんのような形に近いと感じましたが、意識しているアーティスト像はありますか?
さすけ
そうですね、意識しているアーティストは誰だろう…。でも、僕たちが目指しているのは「バンド版YOASOBI(万葉遊び)」のような感じです。他のレコード会社の方からも、「こうなりそうですよね」とか、「こうなってほしい」と言われることがあるので、それが一番近い表現かもしれません。
美咲
でも、僕たち二人としては「絶対にこのアーティストを超えてやる!」とか「これになりたい!」という強い目標を持って活動しているわけではありません。単純に、「仲間と音楽をやるのが最高に楽しい」というスタンスで活動しているので、特定のアーティスト像を強く意識することはあまりないですね。
__なるほど。ユニットとしての形はしっかり確立されているけれど、今は純粋に「自分たちの音楽を作って届けること」を大切にしているということですね。
__結成後半年でファンが急増したきっかけは何だったのでしょうか?
美咲
実は、私たち自身もその理由がよくわかっていないんです(笑)。事務所やレコード会社の方からは、TikTokやインスタグラムの更新頻度や曲のリリースを褒められますが、私たちはただ投稿したいから投稿しているだけで、バズを狙っているわけではありません。純粋に楽しんでやっています。
__SNSでファンが増えるアーティストには、バズを狙って投稿する人もいれば、純粋に楽しんで投稿する人もいますが、どちらかというと後者ですか?
美咲
そうですね。個人的には、流行っているものやカッコいいと思うものを試してみたいという好奇心から始めました。それがきっかけで、今までできなかったことを表現できるようになり、周りの人にも受け入れてもらえました。
さすけ
強いて言うなら、「ワンルームナイト」という曲がバズったことで、たくさんのリスナーに知ってもらえました。それがきっかけで、TikTokやインスタグラムで多くの「いいね」をもらい、下北沢界隈や邦ロックのリスナーにも注目してもらえました。
__SNSでの反響が増えてきた中、ライブでのリスナーの反応に変化はありましたか?
美咲
SNSで知ってくれたファンの中には、「ハッピーバンド」や「ボーカルがニコニコしている」といったイメージを持っている人が多いですが、実際のライブでは叫んだり煽ったりするので、そのギャップに驚かれることがよくあります。「めっちゃロックだね」と言われることも多いです。
__SNSでのイメージとは違って、ライブではもっと激しいスタイルですね。ロックなスタイルをライブで表現したいという思いがあったのでしょうか?
美咲
はい、やりたい曲をやっている感じです。ライブではロックの方が盛り上がりやすく、エネルギーも高くなります。私たちメンバーは演奏に自信があり、少しメタルっぽい要素がある曲もやっています。
__注目を集める瞬間について、気持ちに変化はありましたか?今後さらに大きくしていきたいという思いはありますか?
さすけ
僕たちが一番大事にしているのは「目標を持たないこと」なんです。いろんな人がいろんなやり方で成功しようとしていると思いますが、僕たちはインターネットを通じて成功しようとはしていません。正直なところ、やりたいことをただやるだけでいいと思っています。
やりたいことをやった結果、それを100人が見てくれたらライブできるし、1,000人来てくれたらリキッドルームに行けるし、2,000人が見てくれたらZEPPに立てる、という感じです。誰かに受けようと思って何かをすることは、死ぬまで多分ないと思っています。
__自分たちが届けたい音楽、それが中心になって、それを貫くということですか?
さすけ
そうですね。多分、2人とも前のバンド活動やYouTubeで16万人の登録者がいた経験があるんですけど、それは世間に求められることをやってバズらせて成功したんです。でも、それをもう一回やる気はないんです。今度は自分がやりたいことをやり、自分を好きと言ってくれる人を大事にするところから変えていこうと思っています。
__伸び率は素晴らしいですね。
さすけ
インスタグラムもゼロから4ヶ月で6,000人に達しました。この調子で続けていけたらと思っています。
__自分たちがやりたいことが結果として現れるのは嬉しいことですね。
さすけ
今の時代、みんなが「これが流行るだろう」と思ってハイクオリティなものを作っている中、逆に僕たちは楽屋でダラダラしている動画をアップしたり、曲もバラードからアップテンポに切り替えたり、自由にやっています。何も考えずに発信しているので、その自然体な感じが見る側にも伝わり、応援したくなるんじゃないかなと思います。そういう余白の部分につながっているのかなと感じます。
__音楽を一言で表すとどういう存在ですか?
さすけ
音楽は、僕にとってコミュニケーションの手段です。音楽を通じて社会と繋がり、多くの人々と出会うことができました。音楽がなければ、今の自分はなかったと思います。音楽があるからこそ、こうして皆さんともお話できているんです。
美咲
音楽は、ありのままの自分を表現できる場所です。言葉で表現する時は気を遣いますが、音楽では自分だけの思いをそのまま伝えることができます。周りの目を気にせずに、自分の気持ちを表現できる場所であり、それが自分を救うことにもなりました。
__ユニットを組んで活動する中で、価値観が共通していることでやりやすさを感じていますか?
さすけ
はい、感じています。例えば、対バンのバンドの曲を急にカバーすることがありますが、音楽は一人でやるものではなく、みんなで楽しむものだと思っています。スタジオで一緒に作業して、お互いに共感できる部分があるからこそ、活動がうまくいくと感じています。価値観が合っているからこそ、お互いにやりやすさを感じる部分が大きいです。
__最近のライブで特に印象に残った出来事や成功したと感じたポイントは?
美咲
最近のライブでは、ハプニングが多かったです。音が出なかったり、弦が切れたりすることもありましたが、そうした状況にもだんだんうまく対応できるようになり、力まずにライブを楽しむことができました。弦が切れてライブができない状況になった際は、元々弦が切れていたメンバー以外で、他のバンドの曲を即興でカバーしました。その場を楽しむことができ、それが成功体験だと思います。
__ライブパフォーマンスで一番大切にしていることは何ですか?
さすけ
パフォーマンスでは「自分たちが一番楽しむこと」を意識しています。メンバー同士やサポートメンバーを含めて目を合わせたり、あえて引いたりすることもあります。観客が「このバンドはすごく仲がいいんだな」と感じられる方が、見ている人たちも幸せな気持ちになれると思っています。その点を大切にしています。
__音楽を通じて人々や社会にどのような影響を与えたいと考えていますか?
美咲
最初から『誰かを救いたい』と思って音楽を始めたわけではなく、ただ自分が服部(マカロニえんぴつのメンバー)に憧れて、服部に救われ、服部を追いかけているだけなんです。服部というのは、マカロニえんぴつのメンバーのことを指しています。その服部に影響を受けて、私もいつか誰かにとって憧れの存在になりたいと思っています。本当に。
__なるほど、つまり、追いかけられるような存在になりたいということですね。
美咲
そうですね。もし自分が誰かにとってそういう存在になれるのなら、その人を大事にしたいですし、死ぬまでそう言い続けたいと思っています。
さすけ
音楽がいいなと思う理由って、例えば昔の人たち、旧石器時代とかの人々って、文字もなかったし、技術もほとんどなかった時代だったじゃないですか。でも、その時代でも言葉がなかったからこそ、夢の中で変なドラゴンとかが出てきたら、それを石や土に絵として描いて、後の人たちに『こんなものが出てきたんだ』と伝えようとしたんです。これが、芸術や言葉の始まりだと言われているんですよ。それを始めた人たちの積み重ねのおかげで、今の芸術や文明が発展してきたわけです。
昔、色というものは一色しかなかったんですが、今では色が何百色も説明できるようになっていますよね。例えば、アンミカさんが『何百色もある』と言っていますが、それも一つの進化なんです。昔は色といえば、白っぽい色しかなかったものが、今では具体的に200色以上説明できるようになっています。これが、表現者たちの努力と積み重ねの結果だと思います。
そして、表現者というのは、悲しいという感情をただ『悲しい』と言うだけではなく、もっと細かく、こういう悲しみもある、ああいう悲しみもあるというふうに表現するものだと思っています。日本語でも『悲しい』という感情に対して、たくさんの表現があるように。音楽やアートにおいても、同じように、感情をより細かく表現できるように進化してきたと思います。
例えば、ある曲が、彼氏に振られて『こういう振られ方をした時の悲しみ』をピンポイントで表現できているとしたら、それを聴いた人が自分の感情を癒してくれるかもしれません。しかし、そういった曲が存在しない場合もありますよね。そんな時に、存在しなかった感情を救い上げるような新しい表現を作り出すことが、アートの大事な役割だと考えています。
だから、例えば、手垢がついたような夢や、光を目指して、虹を追いかけるような歌詞はもういいんじゃないかと思うんです。そういったものは、今後作ることは少ないと思います。むしろ、私たちが作りたいのは、もっと具体的で、身近な感情に触れるようなものです。
実際に、新曲『ローリンタウン』の歌詞に、『行きつけの街、あの中華料理屋が潰れてしまった』という部分があります。これ、おそらく日本の音楽では初めて歌われた内容だと思います。そんな歌詞に共感する人がいると思うんです。私たちが表現するのは、ただ悲しいだけの感情ではなく、もっと具体的で、誰かが経験したことがあるような感情に訴えかけることです。それに共感したり、ノスタルジーを感じたりする人がきっといると思います。こうした表現をもっと突き詰めていくことで、より多くの人々に救いを与えられると思っています。
まだこの曲やこの言葉では、誰かのすべての悲しみを癒すことはできないかもしれません。でも、もっと自分の感情に合った、ピンポイントで癒せるような作品を作りたいと考えています。
__なるほど、やっぱりまだ音楽が手を差し伸べられていない人たちやリスナーがいるということですね。そういった方々に届くような音楽を作りたいという思いがあるわけですね。
美咲
それは、何かを意図して狙って作れるものではないと思っています。私たちがやりたいこと、届けたいものを心から作ることが大事だと思っていて、それが結果的に人々に届くという形になるんじゃないかなと思っています。
__最後に読者の皆さんに向けてメッセージをお願いします。
美咲
私たちはありのままで挑戦しようというバンドで、音楽を届けたくて活動しています。私たちの音楽が好きな人たちだけに応援されたいと思っています。だから、どこにもこびるつもりはなく、持論を押し付けることもありません。楽しく生きている人たちと一緒に、楽しく生きていきたいですね。だからこそ、ミーマイナーに出会ってくれた人たちの手を離さず、これからも大きいところに引っ張っていけるようなバンドになりたいと思っています。
__等身大のアーティスト像が届いてほしいですね。
ミーマイナー
そうですね。
__最近の活動についてどう感じていますか? 特にライブなどはどうですか?
美咲
最近、ライブに来てくれるファンだけでなく、私たちを知らない人たちも来てくれるようになりました。その場で私たちを知ってくれるという新しい出会いが多く、広がりを感じています。これから名古屋、大阪、福岡にも行けることになったので、すごく楽しみです。
__信頼される姿が届いて、新たに聞いてくれる方が増えるといいですね。
美咲、サスケ
頑張ります!!
今回の取材では、ミーマイナーの活動にかける想いや音楽制作の裏側についてお話しを伺うことができました。
ミーマイナーは、2025年の2〜4月にかけて、大阪、名古屋、福岡でライブを予定されています。新たな出会いが広がる中で、彼らの音楽に触れるチャンスです。ぜひミーマイナーのライブに足を運んで、そのエネルギーを体感してみてはどうでしょうか。
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Web3 音楽ストリーミング:https://w3.evening-mashup.com/
結成のきっかけ
──まず、結成のきっかけを教えてください。 美咲 もともと、さすけさんのボカロPとしての活動が好きで、特に「物憂げ」というYouTubeチャンネルやCDのファンでした。ある日、「歌い手さんを募集します」というツイートを見て、思わず応募したんです。それがきっかけで、一緒に曲を作るようになりました。 ──最初は楽曲制作からのスタートだったんですね。その後、どのようにバンド結成へと発展したのですか? 美咲 以前は別のグループで活動していましたが、解散を機に新しい仲間を探し始めました。路上ライブをするうちに、バンドとして本格的に活動したいと思うようになり、「物憂げ」の曲を歌えることや、自分の楽曲も編曲してもらえることに魅力を感じ、さすけさんにバンド結成を提案しました。 ──最初は美咲さんからのオファーだったのですね。さすけさんはどう感じていましたか? さすけ 以前から、吉川さんや山遊びさんのようなアーティストと共に音楽を作りたいと思っていました。「物憂げ」では15人以上のボーカルとアルバムを作ったことがあり、美咲さんもその一人でした。その後、彼女がTikTokで10,000人以上のフォロワーを持ち、路上ライブでも活発に活動している姿を見て、スター性を感じ、一緒にやりたいと思いました。 ──コロナ禍後、音楽業界は厳しい時期が続きましたが、そんな中での出会いは大きかったのでしょうか? さすけ 実は7年前、彼女が別のグループで活動していた頃から楽曲を提供しており、当時から接点がありました。高校1年生の頃から毎年1曲くらい提供していたので、プロデューサーと演者としての信頼関係が築かれていたんです。さらに、SNSを通じてお互いの活動を見ていたこともあり、自然な形でバンドが始まりました。バンド名「ミーマイナー」の由来
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音楽のスタンスと理想のアーティスト像
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バズを狙わず、自分たちの音楽を貫くSNSとライブ展開
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音楽を通じた自己表現とチームワークの大切さ
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歌詞と音楽制作におけるこだわり
__曲作りについてですが、インスピレーションはどのようなところから得ていますか?制作を進める際に工夫していることがあれば教えていただけますか? さすけ 私は歌詞を最も大切にしています。詩集や小説をよく読んで、新しい言葉の組み合わせや可能性からインスピレーションを得ることが多いです。その後、そのアイデアを元に歌詞を作り、曲に落とし込んでいきます。 美咲 私は映画を見て感動したり、本を読んで感じたことをそのまま曲にするタイプではなく、実際に自分の人生で感じたことを表現する方です。そのため、歌詞は自分が書きたいと思った時にしか書きません。それ以外の時は、お願いして書いてもらうことが多いですね。 __最新リリースの「オンリーロンリータウン」についてお伺いします。この作品で特にこだわった点や調整した部分を教えていただけますか? さすけ この曲は、かなり自然にできたものです。僕の得意なコード進行や曲調、手癖で作りました。ただ、歌詞には特にこだわりがありました。特にサビでは、最初に「一人で見るドラマ」と歌い、次に「二人で見たドラマ」という回想的な要素を入れることで、リスナーに別れの時系列を印象づけるようにしました。通常は逆の順番にすることが多いと思いますが、あえて「一人で見るドラマ」を先に持ってくることで、すでに別れが起きていることを伝えたかったんです。 また、歌詞には日常的な具体的な描写を多く取り入れており、「行きつけの街中華」や「冷めたコーヒー」など、普通の人が思いつかないような表現を使いました。これによって、リスナーにリアルで深い印象を与えることができたと思っています。コーヒーの話では、温かいと苦味を感じにくいけれど、冷めると苦味が増すという性質を恋愛に重ね合わせて表現しました。 __歌詞の構造や表現方法について、何か特にこだわっている点はありますか? さすけ 歌詞には本当に多くの工夫が詰まっています。一行の歌詞に1年かけたこともあるくらい、歌詞作りには時間をかけています。歌詞は常に新しい価値を生み出すための研究のようなもので、今後はそのロジックやノウハウをもっと広めていきたいと思っています。 __音楽制作全般において、これまでに直面した挑戦や、それに対するこだわりなどがございましたらお聞かせください。 さすけ、美咲 作業量が多いんですけど、ミーマイナーはメンバーだけで運営していて、CDも全て自分たちで作っています。そのため、梱包作業も含め、すべてを手作業で行わなければならないんです。例えば、新しいジャケットを取りに行ってスマホで撮影し、パソコンに取り込んでデザインして発注し、届いたものを梱包して販売するまでの一連の作業を全て自分たちでやっています。遠方に出かけることもありますし、作業量が多いことは確かですね。 __思いがこもっていそうですね。全部やっているということは。 美咲 本当に、思いがすごくこもっていますよね。指紋もたくさんついているでしょうし。(笑) __これから挑戦してみたい音楽スタイルや新しいリリースの予定について教えてください。 美咲、さすけ かなりいろんなジャンルを試してきたので、ライブではバラードもロックも演奏してきましたし、どれも楽しいと思っています。そのため、特定のジャンルにこだわって「この曲を出します!」という感じではないのですが、新曲はたくさん作っていて、今リリースされているのは9曲ですが、すでに16曲ほど完成しています。早くリリースしたいという気持ちが強いですね。 なので、ジャンルを大きく広げるよりは、今の方向性を大切にしつつ、ミーマイナーの軸を保ちながら、アップテンポ、ミディアム、バラードの3つの軸をさらに強化していけたらと思っています。音楽を通じて届けたいメッセージ
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名古屋拠点の4人組バンド The Moon – 日常が紡ぐ音楽の物語
筆者がストリーミングで耳にした瞬間、心を掴まれたバンド、The Moon。
愛知県の名古屋を拠点に活動する4人組バンドで、ジャズやR&Bの要素を感じさせる 1st シングル「徒花」をリリースすると同時にバンドを結成し、本格的な活動を開始したようだ。
儚さを感じさせる歌声と、温かみのある音色やメロディが織りなす音楽、そして日常の一部を切り取ったかのような歌詞が印象的で、聴く人の心にそっと寄り添う楽曲となっている。
そんな彼らが、12月15日には初のEP「atodashi」をリリースし、新たな音楽表現の一歩を踏み出した。
今回のインタビューでは、メンバーの琴梨(Vo)さん、宮田(Ba)さん、真央(Key)さん、めい(Dr)さんのうち、宮田(Ba)さん、真央(Key)さん、めい(Dr)さんの3名に、バンド結成の背景や、これまでリリースした楽曲に込めた想い、そして今後の展望についてお話を伺うことができた。
まずは、バンド結成の経緯やメンバーとの出会いについて伺った。
__バンドを結成しようと思ったきっかけは何でしたか。
宮田(Ba):僕と真央(Key)が高校時代からの同級生で、卒業する前から「何かやりたいね」と話していた中で、結局サラリーマンに1回なったんですけど。ある時友達がカラオケで、King GnuさんのVinylを歌っていた時にMVが同時に流れていて、それを見た時に僕に電気が走りまして(笑)。こういうのをしたいと思って。それでKing Gnuさんを追いかけつつ、他のアーティストさん含め、アーティストの人たちがフェスなどのステージに立って見ている景色を見てみたいなと思って。それで真央と2人で、バンドを組むことになりました。
__楽器の経験はそれまであったのですか。
宮田(Ba):全くやったことがなくて。20歳の頃に楽器を始めると同時にバンドを組みました。
__めいさんの、メンバーとの出会いのきっかけは何でしたか。
めい(Dr):ボーカルの琴梨さんとたまたま同じ美容院に通っていて、席が隣になって。その時に、たまたま会話の中で私がドラムをしていることを聞いていてくれたみたいで。琴梨さんから、「今、バンドにドラムがいないから入ってくれませんか」と誘われたのがきっかけでした。私が元々 The Moon のファンで楽曲を聴いていたので、ぜひ参加したいと思って。
__バンド名の「The Moon」、由来を教えてください。
宮田(Ba):由来は、バンド名をどうするかっていう話になっていた時に全然決まらなくて。コンビニで話していて、空を見たら月が綺麗だったっていう(笑)。
バンド名の由来は、日常から切り取ったようなもので、「月」という要素が彼らの楽曲の雰囲気にもぴったりと合っているように感じた。
では、彼らは普段どのような活動をしているのだろうか。SNSでは、レコーディングやスタジオ練習の様子が見受けられたが、実際のところはどうなのか。さらに掘り下げて聞いてみた。
__活動状況としては、楽曲制作やライブは頻繁に行っているのですか。
宮田(Ba):ライブは正直まだ1回しかしたことがなくて、今年の5月に1度だけ行いました。というのも、自分たちの持ち曲がなくて。5月に1回行ったライブは少しなのですが、コピーを交えてのライブをしました。それで今3曲リリースしているのですが、それからは自分たちの曲を増やすために、12月15日リリースのEPに向けてレコーディングと制作を繰り返していました。
レコーディングは、12月15日にリリースの4曲入りEPの制作に向けたものだったようだ。
The Moonの楽曲はどのように作られているのだろうか。
__楽曲制作はどのように行っているのですか。
真央(Key):僕の家にパソコンやインターフェイスとか機材が色々置いてあって、そこでDAW上でできるようになっていて。楽曲は僕と宮田が作ることが多いので、2人で僕の家に集まって、話し合って作っていくことが多いですかね。
__作詞作曲を二人で行っているのですか。
真央(Key):作曲は僕が少しできて、作詞は全て宮田が担当しています。 1人で完全に作るというより、2人で話し合って作っていくので、作り始めに大体最初どういう曲を作るかっていうイメージを2人で固めてから作ることが多いですかね。
EP作品について伺う前に、まずは現在リリースされている3曲の楽曲について知っていただきたい。
楽曲についてお話を伺う中で、それぞれの楽曲にテーマが意識されていることが印象的だった。
まず、2023年9月にリリースされた1st シングルの「徒花」。
この楽曲は『失恋』をテーマにしているそうだ。 ジャズっぽさを感じさせる独特のリズム感がイントロから引き込んでくれ、琴梨さんのボーカルと切ない曲調が見事に合わさった楽曲だ。 曲名の「徒花」は、『咲いても実を結ばない花』を意味し、外見は華やかでも実質を伴わないもののたとえにも使われる言葉だ。 歌詞は宮田さんの実体験をもとに書かれているようで、実を結ぶことができないもどかしい恋愛心情が表現されている。
__「徒花」という楽曲について、『失恋』をテーマにしたきっかけは何でしたか。
宮田(Ba):僕の失恋です。振られたじゃないですけど、色々あってダメだった女の子に届けばいいなっていう想いで作りました。
__制作にあたって、工夫した部分はありますか。
真央(Key):最初(宮田さんが)コード進行を出してくれて、僕がとりあえずコードだけでピアノのバッキング入れて「いいじゃん」ってなって進んだんですけど、あとはもうなんかセンスでやったよね。
宮田(Ba):センスでやりました(笑)。
真央(Key):センスで結構進めちゃって。
宮田(Ba):真央と僕の好きな音楽が結構似ていて。2人の好きな感じをふんだんに詰め込んだ曲になりました。
__どういったアーティストさんのイメージを持っていたのですか。
真央(Key):僕、The Cardingsさんの『Carnival』っていう曲が好きで、その曲のイントロがオルガンから始まっていて。すごくいいなと思って、オルガンで始まるイントロのアイデアはそこから持ってきましたね。ドラムは最初結構センスで作りましたけど、よく聴いたら僕らJamiroquaiさんが好きなんですが、『Virtual Insanity』っていう曲と似ているね、という話にはなりましたね。
次に、2024年4月にリリースされた 2nd シングル「MUT」。
ラップが印象的で、1stシングルの「徒花」とは異なり、ヒップホップ要素が取り入れられ、楽曲の雰囲気がガラッと変わっている。
曲名の「MUT」は、ドイツ語で『勇気』という意味があるそうだ。
そのテーマでもある通り、踏み出せずにいる人たちに向けて語りかけ、自分の目指す未来へ進んでいけるよう『勇気』を届けるメッセージが込められた楽曲となっている。
__「MUT」という楽曲について、『勇気』という意味を込めた楽曲にした理由は何でしたか。
真央(Key):2ndのシングル「MUT」は、リリースした時期が4月の後半で。 4月は新しい環境で頑張る人が多い時期でもあるので、そういった人たちに向けての『勇気』をイメージしました。
__ラップも印象的で「徒花」に比べて雰囲気も一気に変わったと思いますが、何か意図があったのですか。
宮田(Ba):1番初めに出したのが結構暗い曲なので、次は明るい楽曲をやってみようかっていう。僕が趣味でラップをやってるので、自分のラップを入れようという風に考えました。
宮田さんが趣味でやっているというラップが取り入れられたこの楽曲では、リリックにも寄り添ったメッセージが込められている。ぜひ注目してほしい。
続いて、2024年7月にリリースされた「Soleil」。 この楽曲は『結婚』をテーマに作られた楽曲のようだ。 結婚を誓い合う心情や、人生の新たなスタートを描いた歌詞にも印象を受ける。
__「Soleil」という楽曲について、『結婚』 という意味を込めた楽曲にした理由は何でしたか。
宮田(Ba):3曲目の「Soleil」は、ちょうど友達が結婚式だった時で。その友達は高校からの友達でよく知っていたので、高校から今までの経路をたどっての歌詞になっています。
__イントロの部分でもイメージを感じましたが、『結婚』のテーマを表現するために意識したことはありますか。
真央(Key):「Soleil」は『太陽』っていう意味なんですけど、「ひまわり」っていう捉え方もできるらしくて。結婚した友人の奥さんが向日葵が好きらしく、そこからこの曲名をつけました。
楽曲で表現した部分は、本当は『太陽』という意味なので、最初は、少し焚き火の音みたいな要素を入れて、火を表しました。ここでストリングスも使ったことで、華やかに、少しクラシックっぽさも表していこうかなと考えた感じですかね。盛大に祝いたいなと思って工夫したところです。
このように友人の結婚を祝う気持ちや、その特別な瞬間への思いが楽曲の細部にも表現されている。
聴く人に幸せが伝わるような、温かさの込められた楽曲となっている。
既にリリースされている3つの楽曲についてお伺いしたが、12月15日にリリースのEPについてもお話を伺った。 4曲を含めたEP「atodashi」をリリースするようだが、これまでの楽曲とは少し異なるアプローチを取り入れているようだ。
真央(Key):これまでの楽曲では、音色をたくさん重ねるという方向性で編曲とかをしていたんですけど。
宮田が、少ない楽器や音数での「満足感のある曲」を追求しているようで。それを聞いて、最近は少ない音数の中でその1曲で満足感が出るというのを目指して制作していますね。音数が少ない分どう展開していくかを考えることが最近多いかなって思います。
__EPについて、何かテーマはあるのですか。
宮田(Ba):EPの名前が「atodashi」っていう名前になっているんですけど。日常にある恋愛だったり、会話の中での「話し手の後者に回る」といったようなものが、一応テーマになっています。
真央(Key):「笑談」っていう曲があって、その曲は特定の友人とか、周りであったことを歌詞に込めて作っていますね。でもそんなにがっつりとしたテーマはないかな。
__制作において今までの3つの楽曲とは違う、新たな試みはありましたか。
真央(Key):今のところ、3曲ともジャンルが別々っていうか。1曲目はジャズやR&B、2曲目はラップでヒップホップ要素を取り入れて、3曲目がクラシックっぽさをイメージしたんですけど。
でもこれから、自分たちのバンドの色を定めていきたいっていうところもあって、EPで少し固めるようにはした感じですかね。 僕らはいつも通り作ったつもりなんですけど、聴き手からしたらまた新しいものになったのかなと思います。音数が少なくなって、また少し違う感じに聴こえるんじゃないかなと思います。
EPのリリースを機に、今後のライブ活動にも期待を抱いているが、過去に一度行ったライブについても、今後の展望を交え、お話を伺った。
__初めて行ったライブはカバーも交えたんですよね。どんな曲をカバーしたのですか。
宮田(Ba):2曲カバーはしたんですけど、うちのボーカルの声に合いそうだと考えてshowmoreさんの「circus」、あとは僕と真央がやりたかったSuchmosさんの「GIRL」という曲をカバーしました。
__どういうお気持ちでしたか。
宮田(Ba):あんまり成功した感はなかったですね(笑)。
真央(Key):「徒花」がオルガンとかを使用して、音色も少し多く取り入れていて。それもあって初のライブで、同期を使って演奏したんですけど。同期をセッティングするっていう部分で、最初手こずったかなって感じですかね。最初やばって思ったけどね(笑)。これからライブをしていって、そういうとこも慣れていって、いろんなところでライブをしていきたいって思いますね。
__その時はどういう規模感の場所で行ったのですか。
宮田(Ba):喫茶店だったんですよね。マニュアル喫茶店で。ほぼ自主企画みたいな感じで、先輩のバンドとか呼んで、ラッパーとかも呼んでみたいな。DJもして。
__楽しそうですね。
宮田(Ba):楽しかったですけどね、あんまり満足できなくて(笑)。
__EPを出すというきっかけで、今後のライブの展望はありますか。
宮田(Ba):無難にライブハウスでやったことがないので、今までで。誰もが一度は通るライブハウスでもやってみたいですし、野外でもやってみたくて。 今のところの僕らの目標が、愛知県の蒲郡市である「森、道、市場」っていう大型のフェスがあるんですけど、出てみたいなと思っているので。野外でもライブをやってみて、経験を積んでいきたいですね。
まずは、来年からライブ活動にも積極的に取り組んでいきたいという熱意も伺うことができた。今後の展開にも注目していきたい。
現在はバンド活動を中心に音楽活動を行っていますが、それぞれの活動の取り組みについても伺った。
__現在、活動はバンド活動中心で行っているのですか。
真央(Key):僕はバンドで楽曲を作る活動をしていることが多いですね。あとは楽器を始めたのが遅くて、実力がまだないなと思っていて。クラシックとジャズを習いながら作曲をしていますね。
宮田(Ba):僕は、バンド組んだと同時期くらいに仕事を辞めて、そこから作曲活動中心でという感じです。
めい(Dr):私は、普段は音楽の先生とピアノの講師をしています。他の時間はもう趣味も音楽なので、全部ドラム、バンドです。
__ボーカルの琴梨さんも、弾き語りでステージに出ていますね。
宮田(Ba):琴梨さんは高校からギターを始めて、卒業したタイミングぐらいから弾き語りを始めたようで。そこからも趣味という感じでステージに出ているのだと思います。
__今後バンドとして挑戦していきたいと思っていることはありますか。
真央(Key):12月はEPで4曲をリリースする予定ですが、今後はアルバム、もう少し大きな作品を僕は作っていきたいなと考えていますね。ライブは先ほども言った「森、道、市場」を目標に頑張りたいです。
めい(Dr):県内でも県外でもいっぱいライブやりたいです。あと私も作曲したいです、一緒に(笑)。
めいさんはEPがほぼ完成していた段階でバンドに参加したとのことで、今後は制作活動にも積極的に取り組んでいきたいとのこと。 今後、新たな楽曲の世界が広がる可能性を感じさせるコメントだった。 The Moon が作り出す新たな音楽の世界が、今後の楽曲やライブ活動を通じて多くの人に広がっていくことを期待したい。
__EPリリースを踏まえて、どういう風に聴いてほしいといった想いはありますか。
宮田(Ba):今回のEPの楽曲は意外と寄り添った曲というか、さまざまな人に当てはまることが多いと思う曲ばかりなので。自分を当てはめてじゃないですけど、感化されてほしいなって思います。
めい(Dr):感化されてほしいですね(笑)。
まお(Key):やっぱ僕と宮田が、楽器を始めるのが遅かったけど、こんなことができるよっていうのを思ってもらえたら、多くの人が色々な道に挑戦したり、 今からでもできるって思えたらいいなって僕は思っています。
12月にリリースされるEPでも、私たちの日常に寄り添う、素敵な楽曲が詰まっているだろう。
ぜひこの機会に、The Moon の音楽に触れてみてはいかがでしょうか。
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Web3 音楽ストリーミング:https://w3.evening-mashup.com/
結成のきっかけは、King Gnu のMV
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3つの楽曲に込められた想い
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EP「atodashi」を通してバンドの色を
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目標は「森、道、市場」
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日常で紡ぐ音楽
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ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024オープニングアクトに登場した“HINONABE”の音楽とその世界観に迫る
2024年8月27日に開催された、学生バンドが中心に出演する「SOUND SHOCK」や、9月14日から16日にかけて新宿・下北沢・渋谷の3地域で行われた大規模サーキットフェス「TOKYO CALLING」など、多くのアーティストが集まるイベントが続々と開催された。
その出演者の中で、筆者が特に注目している次世代学生バンドが「HINONABE」である。
彼らは、2024年8月10日のROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 にオープニングアクトとして出演し、さらに独特の世界観と迫力ある映像で注目を集めた「裸体」のミュージックビデオは、YouTube再生回数が3万回を超えるなど大きな反響を呼んでいる。
そんな彼らの楽曲に込められた想いや楽曲制作、ライブの背景に迫るべく、メンバー4人のうち、磯 敢太さん(Vo/Gt)、菊地 楓さん(Gt/Cho)、佐藤 ケンゾウさん(Dr/Cho)にお話を伺うことができた。
__TOKYO CALLINGやSOUND SHOCKを振り返り、現在の心境を教えてください。
磯(Vo/Gt):サーキットイベントということで新しいお客さんもたくさん来るので、今までやってないようなライブをしたり、少ない曲の中でも少し変化をつけたりして、楽しく激しいライブができたので、すごくいい夏の思い出になりました。
菊地(Gt/Cho):今まで出たことのない規模の大きなフェスやサーキットに色々と出ることができて、嬉しかったです。
佐藤(Dr/Cho):第一に、出たことがなかったサーキットに出られたことが嬉しかったのと、自分たちのやっている音楽をいろんな人に見てもらえる場っていう意味でも、そういう機会が嬉しかったし、もっと知ってもらいたいなという思いが、嬉しい気持ちの中にも強くありました。
__今年8月のROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 に出演した時の心境はどうでしたか。
佐藤(Dr/Cho):ロッキンは誰もが知ってるぐらい大きいフェス、夏の1番のフェスっていう認識なんですけど、そのようなフェスにオープニングアクトとして出演できたことがまず光栄でした。嬉しい気持ちはもちろんのこと、自分たちの年齢で簡単に立てるようなステージではないと思うので、貴重な経験ができて、これからも頑張っていこうっていうモチベーションにも繋がった気がします。
菊地(Gt/Cho):今回はロッキンのオーディションで勝ち上がって出演できた形になるんですけど、今後の目標にも繋がる良い経験になったと思っています。 あと、ちょうど自分の20歳の誕生日とロッキンの日が重なってて。お客さんにも「おめでとう」と言ってもらえたことはすごく嬉しかったですね。
磯(Vo/Gt):ロッキン、初めての規模感のキャパ、初めての野外ライブで。そんな大きいフェスに初めて出られるということで、不安もめちゃくちゃあって、もう本番直前まですごい緊張もあったんですけど、いざステージに立つと、すごく気持ちよかったですね。あとはオープニングアクトとして気合いももちろん入ってましたが、これがまたオープニングアクトじゃない形として出られた時、もう楽しみだなっていうのが思い浮かぶステージでしたね。
__バンドを結成されたきっかけやメンバーとの出会いを教えてください。
磯(Vo/Gt):僕とギターの楓(菊地)は元々音楽に一切触れてなかった人間で、全然違う部活をやってたんですけど。僕がオリジナル曲を作りたいと思って楓を誘って、その後ベースの優之介が入ってきて。活動していく過程で、高校卒業した時に前のドラムが脱退して、そこで募集をした時にケンゾウが来てくれて、今のメンバーで活動をしている状態です。
__皆さん元々お知り合いだったのですか。
磯(Vo/Gt):ギターともベースとも高校で初めて会いました。僕が高校に入る前からカバー曲よりオリジナル曲を作りたいなと考えていたので、それがきっかけになって、オリジナル曲を多く作る高校生バンドとして活動するようになったんだと思います。
__結成されたのはいつ頃ですか。
磯(Vo/Gt):今のHINONABEという名前になる前のバンドでは2020年〜2021年頃から活動していて、今のメンバーで本格的に始めたのは2024年、今年からです。
__佐藤さんはどのようなきっかけで参加することになったのですか。
佐藤(Dr/Cho):元々高校時代の彼らを見たことがあったんですけど、ちょっと興味があって。それでずっと見ていたら、ドラムが脱退しちゃうって話で、メンバーを探してるって聞いて。自分の感性的に、高校生でこういう音楽をしてるのは本当にすごいなと思っていたので、そこから、入らせてもらおうかなっていう経緯で自ら連絡しました。
__「裸体」という楽曲が注目されたと思いますが、こだわったポイントはありますか。
磯(Vo/Gt):この楽曲は高校生の時に作ったものなんですけど、自分たちの曲の中でも、特にメロディーやギターの音が聴きやすく、かっこよくできたとは思っていますね。この「裸体」は元々「人間失格」っていう違う楽曲名だったんですけど、それだと聴く人がそのタイトルに引っ張られてしまうのもどこか違うなということで「裸体」という名前にして。この楽曲もテーマは「愛」なんですが、愛にも気持ち悪い部分と、綺麗だと思う部分があると思っていて。そこで裸も、愛し合う時は裸になるし、かといって普通に裸で街を歩いてたら気持ち悪がられるし、みたいな。そういう二面性がある部分を表現したいなと思ったときに、1番自分がその時に身近にあったのが、「裸」っていう題材だったのかなということで、「裸体」という楽曲名にしました。
__ミュージックビデオの制作においてこだわった点はありますか。
磯(Vo/Gt):ミュージックビデオの制作では、監督さんと色々お話をしたり、撮影中もモニターで確認させてもらいながら進めました。汚い、気持ち悪いような、「いびつさ」っていうのを、綺麗に撮りたいというところに関して苦戦しつつ、結果かっこよく仕上げてもらったので、それはすごい感謝ですね。途中で映像が激しく変わる部分では、自分のボーカルとしての動きもそうですけど、あんまり日常では見ない、いびつな動きを取り入れました。日常ではしない動きを、楽器を持っていたり、ライブ中だとできちゃうので、そういう動き方は意識しましたね。
楽曲「裸体」で表現された「愛」の二面性を示す世界観は、楽曲の隅々にまで緻密に作り上げられており、彼が語る「いびつさ」を美しく映し出したミュージックビデオも非常に印象的だ。ぜひ、楽曲に込められた深い思いを感じながら、一度聴いてみてほしい。
YouTube - 裸体 / HINONABE (Music Video) :
https://youtu.be/nM17h2AQdps
__ライブパフォーマンスにおいて大事にしていることはありますか。
磯(Vo/Gt):少し前まではどちらかというと独りよがりというか、自分たちが気持ちよければいいや、そこに楽曲が持ってるパワーをお客さんにぶつけようっていうライブの仕方をしてたんですけど、最近になってお客さんもお金を払って見に来てくれてるし、いつでもできるライブをしちゃダメだなっていう気持ちがメンバー内でも強くなって。コンディションとかそういうの関係なしに、その時、その空間だから出せるライブ。仮に喉が枯れてたら枯れてるから出せるっていうような、ライブを全部プラスに持っていって、お客さん自体も生活の中でプラス要素になってくれるように、っていうことを心がけてやってますね。
菊地(Gt/Cho):ライブだとお客さんの表情を見て確認するっていうのを最近は意識してるようにしていますね。こだわっている部分だと、ギターの音作りではお客さんが聴きやすい音量感を気を付けたりしてます。
佐藤(Dr/Cho):磯の話に通ずるんですけど、ライブ感を大事にしてるつもりでいて。やっぱりドラムは、自分が出すテンポで曲の速さが決まったりとか、自分のテンション感でお客さんのノリが変わったりするので、自分が最初にテンション感を出さないとっていう気持ちもあって。動きだったりとか、それこそボーカルを見たりとか、お客さんの反応を一緒に楽しんだりとか。楽曲を聴くだけじゃなくて、ライブを楽しませるような考え方はいつも持っています。
ライブではお客さんの反応や一体感を何より大切にしているという。その瞬間、その場所でしか味わえない熱気や空気感、テンションがダイレクトに伝わってくるはずだ。ぜひ、実際に足を運び、その瞬間を体感してほしい。
新たな目標が見えたフェス出演
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メンバーとの出会いや影響を受けた音楽
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インスピレーションを受けているアーティスト
__影響を受けてるアーティストや尊敬しているアーティストはいますか。 菊地(Gt/Cho):高校に入るまでは全く音楽に触れてなかったのですが、音楽を始めてからヨルシカさんにハマって、高校の時ずっと好きでした。今はリーガルリリーさんや羊文学さんが好きです。 __高校入学してからギターも始めたのですか。 菊地(Gt/Cho):そうですね。 磯(Vo/Gt):僕はボカロを中学の時から聴いていて。高校に入ってからは、カラオケトップランキングとかに入ってるような曲ばかりを聞いたんですけど、NEEさんっていうバンドがきっかけで、アンダーグラウンドな曲を聴くようになりました。そこからより一層音楽の面白さを知った気がしています。僕にとってはNEEさんがでかいですね。 1人で楽曲を作ってる時には、できる限りその期間は1つのアーティストだけを聴かないようにしてるんですけど、サカナクションさんとかカネコアヤノさんとかは、影響というか、何回も戻ってきます。苦戦した時に、どうしたらこういう雰囲気を出せるんだろうかっていう時には、助けてもらったり、ある意味ちょっと気持ちを戻してもらったりしてますね。 __磯さんも高校に入ったタイミングで楽器を始めたのですか。 磯(Vo/Gt):そうです。高校に入る前は全然楽器とかは一切やってなくて。鼻歌はやってました(笑)。 佐藤(Dr/Cho):逆に僕は3歳ぐらいからピアノを習わせてもらってたので、割と物心ついた頃には音楽に触れてたので、明確に影響を受けたアーティストが誰かと聞かれると、覚えていないっていうのが答えです。ずっと音楽には触れていたけど、バンド系の音楽には触れてなくて。でも、いま僕のドラムに影響を与えているアーティストでいうと、絶対にルサンチマンっていうバンドを答えますね。 __ドラムはいつ頃始めたのですか。 佐藤(Dr/Cho):中学校から高校まで吹奏楽をやってたんですけど、ドラムはそこでちょっと触るぐらいで、ちゃんとやり始めたのは18歳の時で、2、3年前ぐらいですね。独自の世界観を生み出す楽曲制作
HINONABEの楽曲には一貫したテーマがあるのか、作詞作曲を担当する磯さんに尋ねると、彼は「愛」を大きな題材にすることが多いと語ってくれた。彼らは「愛」のさまざまな側面を追求し、その要素を楽曲の独特な世界観に取り込んでいる。そんな彼らの楽曲制作の過程に迫ってみた。 __楽曲制作はどのように行われていますか。 磯(Vo/Gt):楽曲制作は、僕がパソコンで全楽器を軽く入れたデモをメンバーに提出して、そこからはメンバーとアレンジを長時間かけてやってきたのが今までの作り方ですね。 __楽曲の世界観に衝撃を受けたのですが、どこからインスピレーションを得ていますか。 磯(Vo/Gt):抽象的になるんですけど、景色や匂い、温度とか、空間的な要素で曲作りが変わると思っています。また、ギターの種類とか出すアンプの音とかで、曲作りの雰囲気、モチベーションも変わりますね。逆に「生で音を出すからこういう曲ができる」という時もあったり、その時々で変わるのを高校生の頃くらいに気づいてから、1つの楽器でずっと作ったり、初めからパソコンでやったりというようなずっと同じ方法では作ってない気がします。 __歌詞も印象的ですが、どのように考えているのですか。 磯(Vo/Gt):文学に精通してるわけではないんですけど、小さい頃から本を読むのが好きだったり、漫画とかアニメとか映画が好きで。歌詞を書く時でも、気持ちを主体に出したい曲の時は気持ち主体で出して、言葉にできない雰囲気や世界観がある時は、変にその世界観を括らないように、その世界観が浮かんだ時にそばにあるものを風景として歌詞に織り込んだり。それプラス自分の感情とか、曲を作ってる時の温度感とかを一緒に歌詞に込めてますね。 __アレンジ面で意識していることはありますか。 菊地(Gt/Cho):アレンジでは、ボーカルメロディー、他のバンドメンバーのリズム感、自分の音の並び方を意識してて、自分のリードフレーズに関しては音の繋がりをよく意識してアレンジしてます。いつも楽譜ソフトでアレンジするんですけど、全体をまとめて聴いた時に聴きやすく感じるかどうかを大切にしています。 佐藤(Dr/Cho):僕が1番考えてるのは、ボーカルを立たせるのはもちろんのこと、リズムを刻みつつも、リードギターが出してるフレーズに寄り添うようなドラムをしたり、ベースが動いた時にはそれについてくじゃないですけど、それに沿ったり、バンドとしての一体感を大事にしてます。 磯(Vo/Gt):アレンジは技量を詰め込みすぎても、それが楽曲と合ってない時に、その世界観を崩してしまうこともあると思っているので、そこは変に喧嘩しないようにしたいなと思っています。また、曲作りでも一緒になるんですけど、すごく綺麗な音ばかりを使いたいとは思ってなくて、汚くてもいい音があると思ってるので、使用する音も意識しています。その中でも、全部の音やアレンジ、構成、全てに、後から聞かれた時に意味を伝えられたり、そういうのを具現化できるような範囲内でアレンジをしようとは思っています。ここでため(間)を作ったり、息を止めたりという部分には、こういう意味があるんだという風に、誰にでもわかりやすく伝えられるぐらい、堂々としたアレンジや音作りにしようって思っています。愛の二面性を表現した「裸体」
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ライブで作り上げる一体感のある空間
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聴いてくれる方々が誇れるバンドに
__今後の展望、ファンの方やこれから聴いてくれる方に向けてのメッセージをお願いします。 磯(Vo/Gt):もちろん変わらず曲はいっぱい作っていきたいし、今しか作れないものを作っていきたいし、そこに意味があると思っています。常に楽曲を作って、今応援してくれてるファンの方たちが自分たちのバンドの名前を言うのが恥ずかしくないような、誇れるバンドになりたいですね。ファンの方たちに向けては、曲をリリースするにしろ、ライブをするにしろ、そうやって聴いてくれてる方のためにやってるというか。そのファンの方たちの時間を絶対に無駄にしないように、悪影響を及ぼさない、良い影響を及すバンドになるので、楽曲からも色々なことを汲み取って、日々のプラスになってくれていれば嬉しいです。 菊地(Gt/Cho):もっとみんなに知ってもらいたいし、応援してもらえるバンドになりたいですね。ファンの方には今、古参でいられることが嬉しいと思ってもらえる、最近知ってくれた方には自慢にできるようなバンドになります。 佐藤(Dr/Cho):具体的にどこのステージに立ちたいとかっていう明確な目標はないんですけど、 磯も楓も言ってるように、名前を出したら知ってるって言ってもらえるような、そんな規模感のバンドになりたいなって思ってますね。ファンの方々に対しては聴いてくださったり、見てくださったりしてる方々がいるから、僕らもライブができてたり、楽曲を作れていたり、それをモチベーションにしていたりするので、今使ってくれてる時間だったり、聴いてくれてる方の心を無駄にしないように、これからその恩じゃないけど、楽曲やライブで返していけるようなバンドになりたいので、応援していてほしいです。”Vatelier.”自由な音楽のアトリエで創り上げる未来
2024年8月27日に開催された、学生バンドが中心に出演する「SOUND SHOCK」や、9月14日から16日にかけて新宿・下北沢・渋谷の3地域で行われた大規模サーキットフェス「TOKYO CALLING」など、多くのアーティストが集まるイベントが続々と開催された。
その出演者の中で、筆者が特に注目している次世代学生バンドが「Vatelier.」である。
「Fly Day」という楽曲がテレビ朝日系列YTS山形テレビ深夜版「Do~んな天気」の9月度テーマとして起用され、注目を集めているほか、YouTubeに公開されたMVは1万回再生を超えるなど、今後の活躍が期待される。
特に、バンド名の由来でもある「5人のアトリエ」が表現された自由な音楽スタイルが魅力的だ。
そんな彼らの楽曲制作に対する姿勢や活動の実態に迫るべく、アリマさん(Gt/Vo)、コトミさん(Key/Vo)、ヨタカさん(Gt)、シオウさん(Ba)、サラさん(Dr)の5人のメンバーにお話を伺うことができた。
SOUND SHOCKの出演を振り返って
__SOUND SHOCKを振り返り、現在の心境を教えてください。 アリマ(Gt/Vo): 今まで自分たちが出た中では1番大きい規模感で、入っているお客さんも人数が多かったので、緊張して気合いが入りましたね。 __他のライブやイベントと何か違った点はありましたか。 ヨタカ(Gt):僕は、大きなライブではあるけれども、いつもと違うってことはあまりなかったんですけど、他のメンバーはどうですか。 コトミ(Key/Vo):私もヨタカが言ってるように、 特にその他のイベントと全然違う感覚でいたわけではなく、普段からお金を払って見に来てくださってる方がいて、その分は意識を持ってやらければならないと思っているので、どのイベントにかける思いも一応同じではやっています。でも普段出ているようなイベントよりは大きいイベントに出ることができたので、ワクワク感であったり、どんな他のアーティストさんと出会えるのかなというのは結構楽しみでした。その分のモチベーションは結構高かったかなと思います。コピーバンドからオリジナルバンドへ
__結成の経緯が、軽音サークルだったようですが、どのような流れで結成に至ったのですか。 サラ(Dr):サークルでコピーバンドをするんですけど、King Gnuさんのコピーバンドをしたくて。私が、コトミとヨタカと、あと私のお兄ちゃんを誘って、そのメンバーだけ集まってて、じゃあキーボードボーカルもう1人どうしようってなって。そしたら先輩が「アリマさんやりたがってたよ」って言ってたので、その場でアリマさんに電話して。まずその5人で結成されました。 ヨタカ(Gt):付け足すなら、俺はやるとは言ってなかったよね。その時 (笑)。 サラ(Dr):名前書いて(笑)。 ヨタカ(Gt):いつの間にか名前書かれてたよね(笑)。 サラ(Dr):コピーバンドから徐々にオリジナルに移行していったという感じです。でも、途中でお兄ちゃんが個人の事情で脱退してしまって、そこにシオウくんが入ったという感じですね。 __結成されたのはいつ頃になるんですか。 コトミ(Key/Vo):オリジナルとして、完全にVatelier.としてやろうってなったのは多分1年半ぐらい前。 3月1日にVatelier.になった気がする。 __元々音楽性とかは皆さん一緒だったんですか。 ヨタカ(Gt):そうですね。 アリマ(Gt/Vo):みんなおしゃれ寄りの曲好きだよね。 コトミ(Key/Vo):あとシティポップとか好きな人も多い。 アリマ(Gt/Vo):バンドコンセプト的に「5人のアトリエ」ということで、それぞれの音楽感を1つのバンドに思い描いてこうかなっていう感じでつけた名前なので。みんなよくやってくれていると思います(笑)。 __元々コピーバンドをされていて、オリジナル曲を制作する方向性に変化したきっかけはありましたか。 アリマ(Gt/Vo):明確に路線が変わったのは、いつもサークルで出させてもらってるライブハウスが対外向けに行った、学生が出るコピーバンドイベントに出た時でしたね。そのライブハウスの店長の方が、「君たちはもっとオリジナルやってもいいと思うよ」みたいな感じで猛プッシュしてくれて。それで、始めてみたという感じでしたね。 コトミ(Key/Vo):で、その曲が意外と周りにも褒めてもらったりとかして、楽しいなみたいな感じで、ぬるっと始まって、どんどん曲も増えてきて今になりました。 __YouTubeやサブスクを見ると現在リリースされてるのは2曲でしたが、まだ他にも楽曲はあるのですか。 ヨタカ(Gt):いっぱいあります。 あるけど、なんもしてないねまだ。早くやろうね(笑)。 全員:(笑) コトミ(Key/Vo):オリジナル曲だけでライブはいっぱいしてて、もう完全オリジナルバンドとしてやってはいるんですけど。 曲枠をどんどん増やしていこうとはしてるんですけど、ちょっとボツになったり色々よくあるので(笑)。試行錯誤しながら進めてます。 YouTubeやサブスクで正式に公開されている楽曲は2曲だが、実際にお話を伺うと、お蔵入りしている楽曲を含めると10曲近くあることが分かった。今後どのようにリリースや公開が行われるのか、そしてどのような楽曲が秘められているのかは、注目すべきだ。楽曲づくりのインスピレーション
Vatelier.では、アリマさん(Gt/Vo)とコトミさん(Key/Vo)が中心となってデモを作成し、ヨタカさん(Gt)がそのデモをアレンジしてメンバーに提案するというプロセスで楽曲制作を行っているようだ。それぞれがどのように楽曲制作に取り組んでいるのか、詳しく伺ってみた。 ヨタカ(Gt):楽曲は基本的にコトミとかアリマが持ってきたものを、僕が全部アレンジして1度みんなにまた返して、またそこからどうですかっていう風に制作を進めています。 アリマの曲は基本的に音とかも作り込んで持ってきてくれるんで、あとはそれをバンドサウンドに。僕が全部ギターを入れたりとかしながら、細かいところを修正して直していきますね。コトミの方が弾き語りで送ってくれるので、その音源にキーボードを入れたりとか、ドラム入れたり、ベース弾いたり、ギター弾いたりみたいな感じで、自分が手広くやったのを最後にみんなに返す形で進めています。影響を受けたアーティスト
まずは楽曲制作の中心となっているメンバー3人に、楽曲制作においてインスピレーションを受けているアーティストについて掘り下げてみた。 コトミ(Key/Vo):1番好きなアーティストが、東京事変さんですかね。ジャズ要素が入ってる音楽が結構好きで、ピアノの方がジャズ専攻だったというところからマカロニえんぴつさんも好きです。あとはSIRUPさんが好きで、ラップとちょっとジャズっぽさ、R&Bっぽさもあるんですけど、その方の影響は結構受けてると思います。 アリマ(Gt/Vo):僕はKing Gnuさんもそうなんですけど、元々B'zさんがめちゃめちゃ好きで。なので多分、ロックのゴリゴリな要素も抜けずに作っちゃってるみたいな感じですね。 その中でVatelier.は、今でいうとお洒落な路線に行き始めたから、できるだけ自分の感性もそっちに寄せないとなと思ってて。 ヨタカ(Gt):僕はメンバーの中だと割と幅広く聴いていて、日本のアーティストだとヨルシカさん、米津さん、BUMP OF THE CHICKENさんだったりとか。あと、自分が素養を深めなきゃなと思うところがあって、ジャンルで色々聴いたりとかしてます。例えば、ネオソウルだとソエジマトシキさんとか、有賀教平さんのようなギターリストの演奏を参考にしてたりとか。メタルだとSlipknotさんがすごく好きなので、たくさん聴いたりとか。あと最近は海外だとPOLIPHIAさんとかすごい好きなんで、その辺りも参考にしながら曲に入れたいなと思って、いろんなアーティストからつまみ食いみたいな感じで聴いてますね。 アレンジってリファレンス曲があるかないかで結構違うなって思ってて。偉大なアーティストがいろんな良いものを残してくれているのを活用しない手はないよなっていう感じで、毎度毎度送られてくるデモをアレンジしながら頭を抱えてますね。バンドのリズム隊の視点
リズム隊のメンバーであるサラさん(Dr)とシオウさん(Ba)にも、それぞれの楽曲制作に対するアプローチや影響を伺った。 サラ(Dr):結構作り込まれた音源を送ってくれると、大体それに寄った感じのドラムを作る感じになるんですけど、私自身はそれこそコピーしてたKing Gnuさんとか、あと普通に好きなバンドなんですけど、Co shu Nieさんが好きです。あとはめちゃめちゃUNISON SQUARE GARDENさんをコピーしました。 自分の技術を上達させることはできたのかなと思っています。とにかく手数が多すぎて、次から次へと変則的っていうか、特殊なリズムがたくさん出てくるので、手数を吸収することができたのかなと思っています。 シオウ(Ba):僕は、アレンジして送ってくれた音源を比較的そのまま弾くことが多いんですけど、 その送ってくれたものに、この部分はこうした方が楽しいなとか、弾いてて気持ちいいなっていうフレーズに変えることが多いです。元々コピーしてたKing Gnuさんのフレーズを、ちょっと入れたこともありますし。あとシティポップが昔からずっと好きで、リズムの乗り方とか、スライドの音とかがすごい好きなんですけど、それを無意識で入れたりしています。五弦ベースを買ったんで、もっと低い音を入れてみたりとか、スライドのドゥーンって音を結構長めに尺取ったりっていうのは、影響受けてるかなっていうのは思いますね。最初の曲作りとアレンジ
バンドが最初に楽曲を作り始めたときの話や、アレンジの流れについても伺った。 アリマ(Gt/Vo):Vatelier.の1番最初の曲は、僕が元々作ってあった曲を何曲かピックアップして、この中からどれを1番最初にやりたいかをみんなに聞いて決まったのをやりました。最初の曲に関してはそんなにアレンジをしてないね。 アレンジが目立つのはコトミが持ってくる曲ですね、弾き語りベースでデモを送ってくれるので。それをどういう風に味付けしようかなっていう感じだよね。それでうまくいったのが「Fly Day」とかになるんじゃない。 ヨタカ(Gt):そうだね。「Fly Day」とか「Star」、あとは音源上での「黒猫」とかね。5人で彩る「Fly Day」
__楽曲「Fly Day」、注目されたと思いますが、どのように制作を行ったのですか。 コトミ(Key/Vo):私が弾き語りを少しやってた時期があって、個人的に曲を作るのが中学生の時から好きだったんです。それで、高校生の時に「Fly Day」の大枠になるような、歌詞や大体のメロディーをかいていて。Vatelier.を結成して、どういう音楽をやっていくのかはまだ定まってない段階だったので、「こういうコンセプトにしよう」とかではなく思いつきで作ったところはあったんですけど、メロディーと歌詞を結構変えて、リニューアルみたいな感じでできたのが「Fly Day」でした。 __作詞作曲の際、こだわりはありましたか。 コトミ(Key/Vo):私は思いつきというか、降ってきたもので作っちゃいますね。あとは韻を踏んだり、リズム感、テンポがよくきこえるように作りました。作詞に関しては、どこにどの言葉を入れようかを考えるのが結構好きで、「こういう意味の単語を入れたい」というところから、わからない言葉も調べたりして、パチっとパズルみたいにあてはめて作るのが楽しいと感じますね。 __アレンジの面でも、こだわった部分はありますか。 ヨタカ(Gt):「Fly Day」の時はベースが違ったのかな、今と。 シオウ(Ba):そうですね。当時アレンジに参加はしてないですけど、ライブ中で演奏する時は若干変えています。ベースラインはいじってないんですけど、少しゴーストノートを増やしてテンポ良くしてみたりとか。あとこれは他の曲でもそうなんですけど、ドラムに合わせるのは結構意識してやってるかな。サビのリズムの取り方もラスサビと1番のサビで変えてみたりとかは少ししてますね。 ヨタカ(Gt):他のメンバーは、最初の出来た当時の話になるのかな。Fly Dayのアレンジは今と形態がちょっと違ってて。その当時はまだ僕もアレンジとか作曲とか全然知識もなかったんで、持ってきた弾き語りの音源を聞きながら、みんなで1つずつ考えながら作ってったよね、その場で。 アリマ(Gt/Vo):3、4時間くらい一気に練習とって、ずっと缶詰めでしたね。 ヨタカ(Gt):やったやってた。 6時間取って、一生懸命詰めた時期もあった。結構コスパの悪いことやってたけど、それも大切な時期だったと思うな、振り返ると。そのコスパの悪さというか、がむしゃらさがなんか良さに出てるなと思うな。 アリマ(Gt/Vo):多分誰かが作ってきたやつじゃ、あのグルーヴ感にはなんなかったよね。みんなで生で、実際に一緒に入って作り上げたから、ゆったりとした感じに仕上がったんじゃないかなと思ってます。 __タイアップもされたということで反響もあったと思いますが、どういう心境でしたか。 アリマ(Gt/Vo):地上波映るんだって思ったね。 ヨタカ(Gt):メンバーの誰にも、知り合いにも言ってなかったんだけど、通ってる大学で実習に行かなきゃいけないんですよ。その実習は、1人じゃなく複数人で行く形になってて。一緒に行った同期の1人に山形出身の人がいて、タイアップしてるテレビを知ってたんですよね。それで番組のことを聞いたら、山形ならみんな知ってるお天気番組って聞いて。自分が山形に行ったことがないからどういう番組なんだろうと思っていたら、どうやら向こうも知っているみたいで、すごい盛り上がったっていう話があったんだよ。 サラ(Dr):バイト先の山形県出身の人とか、知り合いの山形県出身の人、みんな知ってて。 アリマ(Gt/Vo):YouTubeのコメント欄にも、テレビから来ましたっていうコメントがあったね、1個。 ヨタカ(Gt):ただ1つ東京から見れないってことが残念だったよね。どんな風に流れてるのか(笑)。 全員:(笑) 「Fly Day」の制作にあたり、メンバー全員が時間をかけて作り込んだエピソードや、ライブでの演奏を通じてさらに磨きをかけている様子から、まさに「5人のアトリエ」というコンセプトが色濃く表れている楽曲であることが伝わってきた。 YouTube - Vatelier. - Fly Day: https://youtu.be/HzfKXcu25tY?si=x57tx8U7bB1bq9NP活動を通して生まれた想い
__楽曲制作やライブの裏側で起きた印象に残った出来事はありますか。 コトミ(Key/Vo):私はVatelier.として曲を作っていく上で思ったことがあるんですけど、 最初はオリジナル曲をどういう方向性・ジャンルで作ろうか全然定まっていなくて難しかったんですけど、やっていくうちにVatelier.の色が出始めて来たような感じがしていて。今はお洒落なポップスっていうイメージで作るのと、個人的に「1つの物語を読んでるような感覚」になれるような曲を作っていきたいなと思っています。1つの曲に世界観がしっかりあって、ライブで聴いていても飽きないというか。どの曲も世界観があって良いと思える曲が作れたらいいなと今思っているので、このような方向性が見えてきたのは、私の中で印象的な出来事だと思います。 ヨタカ(Gt):喫煙所界隈。 『シュガースプレー』と『アローン』がいたりとか。ライブの裏側というか、共演者で仲良くなる機会は僕としては印象に残ることが多くて。自主企画をした時に来てくれた『Redrums』と『ココ』は、昔から国分寺の箱で一緒にやってる中で知り合ったりとか。バンドの横の繋がりというか、今でも関わり深い対バンの人との出会いっていうのはやっぱり印象に残るね。 アリマ(Gt/Vo):僕が1番印象に残ってるのはライブなんですけど、少し前に初の自主企画のライブをやらせてもらって。その時に30人くらい、それ以上は呼べたのかな、お客さん。結構狭いパンパンな中で、舞台の上から1人1人の顔を見ている時に感慨深さはありましたね。 なんかすごい気持ちよかった、あの景色は。 ヨタカ(Gt):それと同時に、いろんな人に支えられてたんだなっていうのも俺はあの時感じたよ。 アリマ(Gt/Vo):そう、みんな応援してくれてんだねみたいな。ありがとうっていう思いを込めて、めちゃめちゃ弾き倒した記憶があります。 サラ(Dr):私はライブ1回1回の、バンドの横の繋がりもそうだし、お客さん、あとライブハウスの方との繋がりってすごい大事だと思ってて。そこから自主企画のライブに呼ぶことができたり、違うバンドを見に来てたお客さんが私たちのバンドにも来てくれたり。あとはライブハウスの方にライブ誘っていただいたりっていうことが多くて。1つ1つの繋がりは大切なんだなって思ってます。 シオウ(Ba):バンド同士の繋がりで仲良くなって、他のイベントで一緒になった時に喋ったりというのは嬉しいなっていう風に思うんですけど。それ以上に感じるのは、僕は途中から入ったメンバーで、かつ周りのメンバーも全員サークルの先輩なので、最初はちょっと不安はあったんですけど、何度も一緒にライブを重ねるごとに距離が縮まったなと感じるのがすごい嬉しいです。もう今ほぼ友達みたいな感じで、先輩なんですけど接してる時もあるんで、毎回嬉しいなと感じている部分ではありますね。 アリマ(Gt/Vo):最初から友達だよ(笑)。可愛いやつで。 全員:(笑) それぞれのお話を伺う中で、Vatelier.としての音楽活動の方向性が、活動を通して徐々に形作られていく様子が見えてきた。また、共演者やライブハウス、そしてお客さんとのつながりを大切にする姿勢も強く感じられた。さらに、メンバー間の温かい関係性や仲の良さがインタビュー中のやり取りから自然と伝わり、Vatelier.の音楽には、こうした人とのつながりや信頼感が深く反映されているのかもしれない。ファンの方へのメッセージ
__最後に、ファンの方々やこれから聴いてくださる方々へメッセージはありますか。 シオウ(Ba):バンドとしても個人としても、これからパワーアップして、いい曲、いいベースラインを作れるようになろうと思うので、少しでもいいなと思ったらいっぱい聴いて、いっぱい応援してほしいなっていう風に思います。 サラ(Dr):日常に寄り添える曲を作りたいので、日常でいっぱい聞いてほしいです。 ヨタカ(Gt):星の数ほどあるアーティストの中から、もし自分たちの動画や楽曲を見つけてくれたなら、まずはそれにありがとうということと、あとはよかったらライブを見に来てねというところですかね。本当にありがとうございます。 アリマ(Gt/Vo):僕から逆に聞いてみたいですね、ちゃんと僕らの音楽ができてるか。5人のアトリエってちゃんと伝わってるかな、みたいな。ありとあらゆる曲をやりたいんだけど飽きずについてこれてるかな、みたいな部分は気になるところですね。飽きさせないバンドだと思うんで。多種多様な曲を作っていきたいと思ってます。 コトミ(Key/Vo):私自身、いかにCD音源を超えるかみたいなところで生演奏に最近こだわりを持ってやっていて。自分の実力を上げていけるように試行錯誤してライブに挑んでいるので、その成長も応援してくれる方々は楽しめると思っています。これからに期待というか、ライブを見に来てたり、楽曲をたくさん聴いてくれたら嬉しいなと思います。私自身も頑張ります。 -- EVENINGサイト:https://evening-mashup.com/ Web3 音楽ストリーミング:https://w3.evening-mashup.com/特集:AATA、フルアルバム「be in bloom」に込めた10年間の想いとは
今年4月にフルアルバム「be in bloom」をリリースし、今注目を集めている女性シンガーソングライター「AATA(あーた)」に、インタビューの機会を頂くことができた。
本特集記事では、甘く軽やかな歌声で多くのポップソングを生み出している彼女だが、そのアーティスト活動に対する想いや、一人の人間としての素顔について、インタビュー内容をお届けしたい。