Author: Shunya Kita

ヒップホップユニット どんぐりずがメジャーデビュー。型破りな音楽とは
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ヒップホップユニット どんぐりずがメジャーデビュー。型破りな音楽とは

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ヒップホップユニット・どんぐりずが、ビクターエンタテインメント内のレーベルであるCONECTUNEと契約を結び、4月22日にはデビューシングルとなる「jumbo」の配信リリースとリリースパーティーの開催も決定している。 また、3月22日には自主制作アルバム「baobab」の配信リリースもスタート。メジャーデビュー前から注目されていた彼らだが、デビュー後もさらに勢いを増していきそうだ。 ここからは彼らの曲について考えていきたい。 ◆型にはまらない音楽性 ヒップホップユニットという肩書を持つどんぐりずだが、2015年リリースの「世界平和」、2018年リリースの「愛」という二つのアルバムにおいての音楽性はどちらかというとロックやポップスに近いものであった。しかし、去年配信のシングル「powerful session」で音楽性をガラッと変え、変則的なビートやよりヒップホップなテイストにシフト。その後シングルを3枚配信している。 この4つのシングル配信、すごいポイントはそれぞれの曲に定まったジャンルがないという点である。もちろん、ラップパートがあるなどヒップホップであることには間違いないのだが、様々なビートパターンやリフを複雑に絡めて一曲を作り上げ、違和感なく仕上げるのだから凄い。 去年配信のシングル「danbena」では、アップテンポでトラップライクなビートから曲が始まったと思いきや、高速でたたみかけるラップパートやドラムンベースのドラムパターンを持ってくるなど、かなり実験的で遊び心を感じる曲になっている。しかし、どの曲においても言えるのは、際どいアプローチを作曲に対して行っているにも関わらず完成度が非常に高いということだ。アルバム発売で多くの新曲を耳にすることができるのは、かなり楽しみである。 令和の音楽シーンを盛り上げてくれるであろうどんぐりずの今後に注目である。 -- 運営:Evening Music Records株式会社
Eminem、ミュージックビデオ「Godzilla」を公開。Juice Wrldの姿も…
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Eminem、ミュージックビデオ「Godzilla」を公開。Juice Wrldの姿も…

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全世界で2億2000万以上のアルバム&シングルを販売し、世界的なセールスを記録しているラッパーのEminem(以下、エミネム)が、今年1月にリリースしたアルバム「Music To Be Murdered By」から「Godzilla」のミュージックビデオを公開した。このアルバムでは昨年12月に21歳で急逝したラッパーのJuice Wrldがフィーチャーされており、ビデオ終盤ではJuice Wrld本人の肉声を聴くことができる。人気ラッパー二人の共演ということで、ファンには嬉しい内容となっている。 ビデオ内には、交流の深いドクター・ドレーやマイク・タイソンが出演。この動画はYouTubeにてヒップホップ系動画を投稿する映像メディア「Lyrical Lemonade」からアップされ、監督を務めたのは同チャンネルのコール・ベネット。CGを駆使したユニークな映像がエミネムの表現する世界観とマッチし、非常に見応えのある作品となっている。 ◆高いラップスキルを惜しみなく披露 初期の楽曲では、過激なリリックや独特の力強いフロウが特徴的であったエミネム。最近はフロウ等がかなり変化してしまったが、高度なテクニックを要するパフォーマンスをしっかり見せつけてくれている。「Godzilla」では、エミネムの代名詞ともいえる高速ラップを披露。トラップビートの上で、軽快な素早いラップを繰り広げるなど、MCバトル等で培ったラップスキルは47歳を超えた現在でも健在である。 ニューアルバム「Music To Be Murdered By」を通して聞いても、エミネムらしさを各曲で感じ取れるような出来になっており、一聴の価値は十分にあるのではないかと思う。 --- 運営:Evening Music Records株式会社
レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの復活を考える。来日公演も…
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レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの復活を考える。来日公演も…

去年の冬、バンド界に衝撃を与える大ニュースが舞い込んだことは記憶に新しい。アメリカのロックバンド、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンが復活することを自身のインスタグラムで発表した。 同インスタでの投稿によると、ライブ初日は3月26日、テキサス州での開催予定であるとのこと。開催が間近に迫った今、盛り上がりは世界的に高まっている。 ◆復活の真意はいかに レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)はその名の通り、政治的メッセージの発信を主体としたバンドである。 ヴォーカルであるザックの叫ぶようなラップを、リズム隊が奏でる歪んだサウンドのハードコア・ファンクロックに乗せるスタイルは、「レッド・ツェッペリンとパブリック・エネミー」の融合と言われるほどの独自性を持っている。過去に無料で反戦をテーマに掲げたコンサートを開いたりするなど、実際に政治活動も活発に行っており、歌詞には彼らの思想が全面的に含まれており、強い想いを感じ取ることができる。 今回の復活の真意は未だわかっていないが、今年はアメリカの大統領選があり、当バンドが反資本主義的な思想を掲げていることを顧みても、このことと復活には因果関係がないとは言い切れない。国内外でいくつかのライブ開催が見込まれているようだが、そこで彼らがどのようなメッセージを発信するのかは非常に注目したいポイントである。 ◆来日公演の開催はあるのか? 当初、「フジロックに出演するのでは?」などと謳われていた彼らの来日だが、残念ながら、その予定はないようだ。バンドが公式に発表した今年のライブ出演予定に日本は入っておらず、彼らをライブに参加するには海外に行くほかないのが現状である。 また、他のライブに関してもコロナウイルスの影響で開催が危ぶまれている現在。アメリカの巨大音楽フェスである「コーチェラ・フェスティバル」は中止になるのではないかと懸念され、業界全体に不安感が漂っている。 レイジは世界の現状に対してどのような声を上げるのか。まずは無事にライブが開催されるよう祈りたい。 --- 運営:Evening Music Records株式会社
Thundercatの新アルバム「It Is What It Is」が発売間近!MVにも注目
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Thundercatの新アルバム「It Is What It Is」が発売間近!MVにも注目

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2017年発売の「Drunk」で大きく注目を集め、世界的な評価を得ながら、過去にフジロックフェスティバルに出演するなど日本での人気も高いThundercat(以下、サンダーキャット)が、新アルバム「It Is What It Is」を今年4月3日に発売することが決定し、発売日が近い現在、さらに話題になっている。 サンダーキャットは、ベーシスト・作曲家としてケンドリック・ラマー「To Pimp a Buttefly(2017)」やカマシ・ワシントン「The Epic(2015)」に参加のする他、フライング・ロータス主宰のレーベル「Brainfeeder」からソロアルバムを出しており、フライング・ロータス自身との交流も盛んである、いわば新時代の音楽には彼が付きものと言っても過言ではないほどの活躍ぶりである。故マック・ミラーの「Swimming」にも参加しており、二人はとても親交が深かった。彼らのTiny Desk Concertでの共演映像はYouTubeで視聴できるが、今見ても、なにか熱いものがこみ上げてくるような感覚を覚える。 今回のアルバムでは、カマシ・ワシントン、ルイス・コール、チャイルディッシュ・ガンビーノ、スティーヴ・レイシー等の豪華メンバーが参加。フライング・ロータスとは共同プロデュースという形を取り、作品を手がけている。今作も、ブラックなフィールと独特のハーモニーを組み合わせたサンダーキャットらしいサウンドが楽しめるようだ。 ◆生粋のオタク。新作ミュージックビデオにも注目 ミュージシャンとして高い能力と才能をみせる彼だが、一番の特徴は生粋のオタクであるという点だ。ミュージックビデオではかの人気バトル漫画・ドラゴンボールで悟空らが身につけている戦闘服を着てベースを弾くなど、そのオタクぶりを全面に押し出している。 また、来日頻度も多く、インスタグラムには観光の際に撮ったと思われる動画・写真がよく見受けられる。「Tokyo」のミュージックビデオでは日本観光時の彼の様子が確認できる。彼が非常にユーモラスな人物だということがわかるだろう。 先日公開のミュージックビデオ、「Dragonball Durag」は、ドラゴンボール柄のドゥーラグを巻いた彼が住宅街で踊るという内容のもので、HaimやKali uchisが出演しており話題になっている。おもしろいビデオに注目が向きがちだが、曲も素晴らしく、ソウルフルでメロディアスに仕上がっているため非常に聞きやすい。 サンダーキャットの作る次世代の音楽、一聴の価値はあるのではないか。 --- 運営:Evening Music Records株式会社
ロン・カーター来日。ジャズベーシストの柔軟な音楽観。
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ロン・カーター来日。ジャズベーシストの柔軟な音楽観。

ロン・カーター来日。ジャズベーシストの柔軟な音楽観。かつてはヒップホップともコラボ。

ジャズはアメリカ・ニューオーリンズを中心に1900年頃から広がり始め、かつてはロックなど、長い歴史を経る過程で様々な音楽とジャンルレスに交わりながら変化を続けている。去年話題になったジャズの巨星、ジョン・コルトレーンの未発表音源リリースは、地上波で取り上げられるほどのニュースになり、シーンにとって非常に重要な出来事だったことがわかる。世代関係なく愛されている音楽ジャンルであることは間違いない。 今年4月10日に南青山の日本最大規模を誇るジャズ・クラブ、ブルーノート東京で来日公演を控えるジャズベーシストのロン・カーターは、ジャズの長い歴史を語る上で欠かせない人物である。誰しもが一度はその名を聞いたことがあろうジャズの帝王、マイルス・デイヴィスのバンドでベーシストを務めて以来、多くのミュージシャンのレコーディングに参加。多数の日本人ジャズミュージシャンともコラボしている。
m-floの新シングルが配信開始!Sik-K、eill、向井太一が参加。
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m-floの新シングルが配信開始!Sik-K、eill、向井太一が参加。

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m-floの新シングルが配信開始!Sik-K、eill、向井太一が参加。

VARBAL、☆Taku、LISAで構成される音楽グループ、m-floが新シングル「tell me tell me」を3月6日に各種配信サービスで配信スタートした。 今回楽曲に参加したのは、次世代の音楽シーンを担う若手アーティスト3人。高い歌唱力を誇るJ-POPシンガー、eill。日本のR&Bシーンで活躍する向井太一。そして国籍を超え、韓国のヒップホップシーンで若手実力派、JP THE WAVYとのコラボでも話題を呼んだラッパー、Sik-Kが参加。 楽曲は2004年発表”miss you”のフレーズから始まりリスナーを驚かせ、その後はm-floらしいエレクトリックでダンサブルなサウンドがめまぐるしく変化しながら気鋭のメンバーがマイクリレーしていく構成。Sik-Kは日本語詞のラップを披露。新しさの中にm-floらしい懐かしくメロディアスなサウンドが楽しめる一曲となっている。
タイラー・ザ・クリエイターとポップの関係について考える。
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タイラー・ザ・クリエイターとポップの関係について考える。

写真で彼の母と熱い抱擁を交わし最大限の喜びを表現しているのは、今年1月に行われた第62回グラミー賞授賞式で最優秀ラップ・アルバム賞を受賞したタイラー・ザ・クリエイターである。 ヒップホップグループ「OFWGKTA(Odd Future)」のリーダーを務める傍ら、ファッションブランド「GOLF WANG」をプロデュースするなど、ラップシーンとカルチャーシーンの垣根を越えたアプローチを続けるタイラーのグラミー受賞は、彼が真の天才であるという事実を確かなものとした。しかし、今回の受賞で注目を集めたのは、彼が授賞式後のインタビューで語ったグラミーへの不満である。 「俺たちはジャンルレスな音楽を作っているのにポップにはなれないのか」 ...という彼の発言は、今後のグラミーのノミネート基準を揺るがすこととなるのではないかと考えさせられると同時に、タイラーが目指してきた音楽は、ヒップホップという枠から逸脱したポップスそのものであると世間に知らしめることとなった。 ◆音楽とファッション、両シーンにおいてポップ路線を強めるタイラー 2011年リリースのアルバム「Goblin」から最新アルバム「Igor」まででの音楽性は、グロテスクとポップが共存する独特の世界観はそのままに、最近では歌唱をメインとした曲が目立つようになり、ポップな側面を強まりを感じる。ミュージックビデオを見比べても、2011年時に公開された「Yonkers」と去年公開の「EARFQUAKE」ではトラック等の雰囲気が大きく異なる。 ファッション面でも同様に、GOLF WANGでプロデュースされる服も変化をみせている。奇抜な配色、スケーターファッション的でヒップホップ色の強い初期と比べ、最近のコレクションの中には淡い色のベストやシャツも登場するなど、よりポップな方向にシフトしているように感じる。 こういった変化からも、タイラー・ザ・クリエイターが持つ”ポップ”に対する強い想いを汲み取ることができる。一見、違和感のように感じてしまうスタイルの変化も、一貫したコンセプトとのズレがない上、革新的な音楽家であると世間に意識させる一要因になっている。これも彼が持つ凄みなのであろう。 タイラーはこれからどのような”ポップ”を世界に提示してくれるのか、注目である。 --- 運営:Evening Music Records株式会社
Joji、米人気テレビ番組に出演し話題に。元Youtuberの魅力。
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Joji、米人気テレビ番組に出演し話題に。元Youtuberの魅力。

シンガー・ラッパーのJojiが、アメリカの人気番組「The Tonight Show」に初出演し話題となっている。同番組はエンターテインメント番組の中でも長寿番組として知られ、番組お抱えのバンド、The Tonight Show BandのリーダーをThe RootsのドラマーQuestloveが務めていることでも有名である。Jojiは新曲「Run」を披露。バンドが奏でるブルージーな演奏をバックに、ソウルフルな歌声を響かせた。 Jojiはアメリカを拠点として活動するアーティストだが、出身はなんと日本の大阪府。音楽界で活動する以前にはYoutuber・Filthy Frankとしても既に人気を確率しており、動画投稿を引退した現在でもチャンネルの登録者数は690万人超えという規格外の数字を誇っている。また、Rich BrianやHigher Brothersといったアジア圏の人気ヒップホップアーティストを多く抱える88risingに自身も所属。アジア圏のみならず、世界的にも高い知名度を誇る同レーベルの中でも埋もれることなく才能を光らせている。 テレビというメディアを通したパフォーマンスは今回が初。高まる人気の背景にはどのような要因があるのか。 ◆二面性を持ったアーティストとしてそれぞれの分野でファンを獲得 先程も述べたように、Jojiとして活動を始める前の彼は、Filthy Frankという名でYoutubeに動画投稿を続け、高い知名度を獲得していた。Youtuberとしての彼は、俗に言う「おバカ動画」をメインコンテンツとして取り扱い、過激な動画の投稿により若年層のファンを増やしており、この頃から過激・ユーモラスなラップをシリアス風なミュージックビデオとマッチさせるなど多才な面も垣間見せていた。この時点での彼の世間的な立場は、おそらくコメディアンのようなものだったのだろうと思われる。 一方、「より真面目な音楽をする」との理由でYotuberを引退し、シンガー・ラッパーとなった現在のJojiは、Filthy Frank時代を感じさせないほど真剣に音楽と向き合っているように感じる。Joji名義で公開されたミュージックビデオや今回のテレビ出演時にみせた彼の表情には、かつての面影がほとんど感じられない。こういった彼の姿は、女性ファンやヒップホップリスナーを多く取り込み、更に知名度を上げる結果となった。 こういった要因から、Jojiはある種の「二面性」を確立し、それぞれの側面で違った性質のファンを獲得したことによって、結果的に多くのリスナーの耳を自身の曲に向けることができた。ミュージシャンとして成功を目指す人々にも、このマーケティングの手法は、ひとつの教科書として参考にできるものなのではないだろうか。 また、読者の方の中には日本出身という彼に親近感を得る人もいるはずだ。これから国内のファンも続々と増やしていくであろう彼は、最終的にいくつの顔を音楽界に残してくれるのだろうか。 --- 運営:Evening Music Records株式会社