タイラー・ザ・クリエイターとポップの関係について考える
写真の人物は、今年1月に行われた第62回グラミー賞授賞式で最優秀ラップ・アルバム賞を受賞したタイラー・ザ・クリエイターである。ヒップホップグループ「OFWGKTA(Odd Future)」のリーダーを務める傍ら、ファッションブランド「GOLF WANG」をプロデュースするなど、ラップシーンとカルチャー...
タイラー・ザ・クリエイター、グラミー最優秀ラップアルバムを受賞!HIPHOPの王者へ
◆タイラー・ザ・クリエイター、グラミー最優秀ラップアルバムを受賞!HIPHOPの王者へ
先日行われた第62回グラミー賞において、タイラー・ザ・クリエイターのアルバム「IGOR」が最優秀ラップ・アルバムを受賞した。
同賞のノミネートにはミーク・ミルの「Championships」、YBN Cordgeの「The Lost Boy」、21 Savageの「i am >i was」、Dreamvilleの「Revenge Of The Dreamers III」などがノミネートされており、その中での堂々の受賞となった。
ヒップホップという長い歴史を持つ音楽ジャンルであるが、発展の経緯などから考えても一般的にはアンダーグラウンドな印象のあるジャンルである。そういったジャンルにもグラミーは焦点を当てて、こういった賞を用意している。改めてグラミー賞が威厳のある賞であることを理解できる。アーティストにとっても大事な存在なのだ。
◆タイラー・ザ・クリエイター本人による、授賞式でのコメントが印象的。
最優秀ラップ・アルバムを受賞したタイラー・ザ・クリエイターは受賞した時のスピーチを行なっている。そのスピーチがまた印象的である。
彼は母親、友人、家族、スタッフ、レーベル、ファンといったあらゆる人物、これまで自分と関わってきた全ての人に感謝を述べている。それぞれに感謝を述べるにあたって「俺のクレイジーなアイデアを信じてくれてありがとう。」といった言葉を添えている。改めて考えさせられる言葉である。
ヒップホップというアングラな世界に飛び込み、自身の音楽性を披露するというのはとても勇気がいることであり、ある意味変わり者であるとも言える。そんな自分を信じて、ついてきてくれた人がいることに彼は心から感謝しているのだ。彼ほどビッグなアーティストになると、その本質のありがたさを忘れてしまう人も多くいるのではないか、そういった忘れた心を想起する、そういったきっかけに彼の言葉はなり得ると思う。
スピーチには「俺らラップの世界で完全に「受け入れられた、認められた」と感じたことがなかったんだ。だからみんなが俺のそばにいてくれて、ここまで連れて来てくれたと思ってる。本当にありがとう。」という言葉も添えられている。
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