© Mrs. GREEN APPLE

　

2025年もMrs. GREEN APPLEの人気が冷めなかった理由とは

　

Mrs. GREEN APPLE（以下、ミセス）は2025年、音楽的にも戦略的にも日本の音楽シーンを牽引し続けた。Spotify Japanの年間ランキングではトップ10のうち7曲を独占し、3年連続で年間1位を獲得した。

　

彼らの楽曲は、感情を揺さぶる構造や意外性のある展開、リズムの妙によって、聴き手の心と身体を自然と引き込む...

　

　

　

　

2025年、国内外のフェス出演や新曲リリースを重ねながら、独自の音楽性を磨き続けたLET ME KNOW。最新曲「Law of Luv」は、秋と冬のあいだに漂うノスタルジーと、柔らかなサウンドで“別れの痛み”を描いた、LET ME KNOWらしい叙情的な一曲として話題を集めている。 ノスタルジックモダンというコンセプトを軸に、80sの香りと現代的な感性を融合させたサウンドは、SNSや海外のフェスでも確かな手応えを得ている。 だが、今回のインタビュー取材で、彼ら自身は「悔しさの残る一年だった」と語ってくれた。理想とのギャップに葛藤しながらも、次なるステージを見据えるその眼差しは、どこまでも真っ直ぐだ。2026年を目前に控えた今、彼らが見つめる未来とは——。

表現の深化とライブの進化を実感した一年

── 直近のファンクラブライブ¹はいかがでしたか？ Lyo：普段のライブはMCも少なくて、お客さんとの距離感がちょっと遠いというか、一定の距離を保ったスタイルなんです。でもファンクラブライブは打って変わって、すごくアットホームで、お客さんとの距離が近いんです。僕らも肩の力を抜いて楽しめる、そんなライブになったと思います。 ── 今年はワンマンライブに加えてフェス出演も多かったですが、特に印象に残っている瞬間はありますか？ Lyo： やっぱり自分たちのツアーですね。初めてLEDを使ったり、演出にもこだわったライブができて、僕ら自身も進化を感じられたし、初ツアーから来てくださっているお客さんにもそれを見せられたと思います。録画を見返しても、今までで一番進化したライブだったと感じています。こういうチャレンジはこれからも続けていきたいですね。 ── お客さんとの距離感にも変化はありましたか？ Lyo： 距離が近くなったというより、自分たちの世界観をしっかり見せられるようになった感覚があります。 ── SCENE＿2526²では、これまでと違った演出を予定されていますか？ Lyo： はい。今はリハーサル中ですが、今までと違う演出やライブの構成を考えています。より世界観が濃く、一つのショーとして楽しめるライブになると思います。1月の東京公演とも統一感を持たせて臨む予定です。

新曲「LAW of LUV」の制作背景

── 今回の新曲は季節にぴったりな印象ですが、どのようなテーマで作られたのでしょうか？ Matty： テーマは「失恋」です。過去のリアルな失恋の思い出に、自分の想像を混ぜながら作りました。 ── 歌詞には「Kakao Talk」が登場しますが、韓国での活動を意識されたのでしょうか？ Matty： ありがたいことに韓国のリスナーも多いので、それもありますね。あとは僕自身も実際にカカオトークでやり取りしていたこともあったので、素直に思い出したという感じです。 ── 今回は後半の突然の転調が際立っている印象を受けました。音作りの面で特に意識したことはありますか？ Ken_M： 綺麗に始まるんですが、間奏や最後の畳みかけるパートでは、少し歪んだような“ダーティ”な音を入れて、綺麗さと共存させることを意識しました。 ── 今回もアートワークに一貫してこだわりを感じますが、どのように意見を出し合っているのでしょうか？ Lyo： ニューオーダーなどのニューウェーブ系アーティストに影響を受けていて、幾何学模様や抽象的なジャケットを意識しています。今年は特にそうした要素を表現しようとしました。

2025年の葛藤と手応え──理想とのギャップを越えて

── 韓国での活動について、不安や期待はありますか？ Matty： 不安はあまりなくて、あくまで日本のバンドとしてやっていて、韓国での活動も狙って始めたわけではないんです。ありがたく聴いてもらっているだけで、どこであっても聴いてくれる人を楽しませたいという気持ちは変わりません。「韓国だから」というより、今後楽曲やライブで聴いてくれる人が増えたら嬉しいなと、常に思っていますね。

理想に届かない悔しさが、さらに火をつける

── 本始動から2周年になりますが バンドとしての進め方やメンバー間での変化はありましたか？ Matty： 変化はしていますし、成長も実感しています。音楽をやるって本当に難しいなと感じました。でも、我慢強くやっていこうというのは全員で共有していて、ネガティブというよりは、それを乗り越えて大きなバンドになりたいという気持ちが芽生えました。 Lyo：Kenも同じ気持ちだと思いますが、「どれだけ耐え抜けるか」っていうのは、バンドだけじゃなく人生においても大事なことだと思っています。3人と、支えてくれる周りの人たちと一緒に、しっかり乗り越えていきたいです。 ── 音楽をやるのは難しいと感じたとのことですが、特にどのような点でそう感じましたか？ Matty：先を見越してプランを立てても、それがうまくいかなかった時にどうするかとか、予想外の出来事が多いんですよね。バンドっていうよりも、チームで何かを組み立てて目標を達成するということの難しさをすごく感じました。その中に楽しさもあるんですけど、アプローチの過程が本当に難しい。音楽って言語化できない部分が多いので、データを見ながらやることもありますが、言語化できない部分でつまずいたり引っかかったりすることが多くて…。2年間やってみて、そこが一番難しいと感じています。 ── 2025年は様々な活動が広がった年だったと思いますが、年初に掲げた目標は達成できたと感じていますか？ Matty： 正直、達成できていないです。自分たちの期待を裏切ったような気持ちもあります。2025年は悔しい思いが多かったので、2026年はそうならないように活動していきたいです。 ── SNSやストリーミングの反応も良く、イベントも拡大しているように見えますが、それでも悔しさを感じた瞬間があったのでしょうか？ Matty：去年はすごく飛躍した年だったと思うんですが、今年はそこからステップアップできたというより、横ばいの状態が続いていたことが悔しかったですね。現状維持、むしろ少し衰えたかもしれないと感じることもありました。 外から見ると順調そうに見えるかもしれませんが、僕ら自身の理想が高いので、そのギャップに悔しさを感じているんだと思います。今年もいろんな挑戦をして、新しいものを出しましたが、思った以上に評価されなかったという実感があって、それが悔しかったです。

リアルな反応が導いた確信と広がるリスナーとの接点

── 逆に手応えを感じた瞬間は？ Matty：今年の前半と後半でセットリストの流れを少し変えたんですけど、後半の方が自分たちのスタイルに合っているなという手応えがありました。これまではリリースしている曲が少なかったこともあって、「どう始めてどう終わるか」みたいな構成に悩むことが多かったんです。でも後半のセットリストを試していく中で、少しずつ見えてきた感覚がありました。 特に海外フェスが多かったこともあって、海外のサウンドからの影響を強く受けている僕らにとって、日本のフェスとはまた違う雰囲気に合う楽曲が多いんじゃないかと感じています。そういった意味でも、海外のフェスではしっかりと手応えを感じることができました。 ── ノスタルジックモダンなJ-POPというスタイルは、海外のリスナーからも良い反応があるように思いますが、現場での手応えはいかがでしたか？ Lyo：特に9月に出演した韓国の「Busan Rock Festival2025（釜山ロックフェスティバル2025）」では、最初はお客さんが少なかったんですが、遠くから音を聴いていた人たちがどんどん集まってきて、最終的には満員になりました。あの光景はすごく印象に残っていますし、しっかり届いているんだなと実感できました。 ── 楽曲の中で、ライブでの反応が良かったものはありますか？ Matty：「100円キッス」から「Remember Summer Love」へと続く流れは、何度かライブでやっていて、すごく手応えを感じています。僕はその流れの最後に先に退場するので、ステージ上では見られないんですけど、ギターソロで締めるあの終わり方は評判がいいんじゃないかなって思っています。 ──SNSでのリスナーの反応について、印象に残っていることはありますか？ Matty：コメント欄で「これは売れる」とか、「やばい、見つかってしまう」みたいな声を見ると、ゾクゾクしますね。そういうコメントに「いいね」がたくさんついていたりすると、「あ、ちゃんと評価されてるんだな」って実感できます。 Ken_M：「Svveet pea」のギターイントロに対して「イントロ最高！」ってコメントが2,500〜3,000件くらい「いいね」されていたことがあって、個人的には本当に嬉しかったです。 ──リアルな声が届くと、やっぱり嬉しいものですか？ Matty：めちゃくちゃ嬉しいです。初めて聴いた人が「これ誰？」ってコメントしてくれて、それに他の人たちが反応してくれる。たとえば「LET ME KNOW」は知らないけど、この曲は使ってる、みたいなコメントを見ると、「あ、曲がちゃんと届いてるんだな」って思えて、すごく励みになります。 ──新しくLET ME KNOWを知ったリスナーにおすすめしたい楽曲があれば教えてください。 Matty：「100 円キッス」と「Sentimental Night Dive」ですね。最近は特にこの2曲がもっと見つかれば、さらに広がっていくんじゃないかと信じていて、どんどん推していきたいです。まだ聴かれていないだけで、実際に聴いてもらえたらちゃんと響くんじゃないかと思っています。

2026年に向けた決意──「自分たちの色」をさらに濃く

── 2026年に向けて、特に達成したいことはありますか？ Matty： まずは アルバムを出して、アルバムツアーを回りたいです。僕たちのやりたいことを世の中に提示して、それをしっかり届けたい。全公演ソールドアウトも目標です。 ── アルバムのテーマについては、どのような構想がありますか？ Lyo：僕たちは「ノスタルジックモダン」というコンセプトを掲げていて、初期は80sの色を濃く出していました。2年活動して振り返ったときに、やっぱり最初にやっていたことや、自分たちの好きなことを大切にしたいと思っていて、「このバンドってこういう色なんだな」と伝わるような、より色の濃いアルバムにしたいと考えています。 ── 2026年に向けて、読者の皆さんに届けたいメッセージや、個人的な目標があれば教えてください。 Lyo：はい。今年はライブの本数が少なかったので、2026年はしっかりライブをやっていきたいですし、イベントにも積極的に出ていきたいと思っています。ツアーももっと回りたいという気持ちが強いので、そこをしっかり実行していきたいですね。 Matty：読者の皆さんに伝えたいのは、「一度ライブに来てほしい」ということです。僕らがやっていることって、日本にはこれまでなかったような、唯一無二のスタイルだと思っていて、自分たちにもそれだけの自信と可能性があると信じています。この記事を読んでくれた方、あるいは僕らの音楽を初めて知ってくれた方には、ぜひ一度曲を聴いてほしいし、ライブにも足を運んでほしいです。それくらい、自信を持って活動しています。 Ken＿M：活動を始めた当初からずっと考えていることなんですが、これからも「自分たちだけの色」をどうやってもっと強く打ち出していけるかを追求していきたいです。それは2026年に限らず、ずっと続けていくテーマですね。 「Law of Luv」と名付けられた新曲には、LET ME KNOWの現在地とこれからの決意が色濃く刻まれている。2025年の悔しさを糧に、LET ME KNOWはより深く、より鋭く、自分たちの音楽を突き詰めていく。ハングリーさと理想を追い求める真摯な姿勢は、ライブという空間に結実する。音楽性も演出も、これまでで最も濃密で、研ぎ澄まされたものとなりそうだ。 SCENE＿2526は、彼らが次なる高みへと踏み出す決意の証であり、観る者すべてに“今の彼ら”を刻みつける場となるだろう。

　

　

© 永彬Ryan.B

　

中国C-POPの新星、アーティスト 永彬Ryan.Bとは何者か？

　

リリースからわずか一か月で中国の主要全プラットフォームでの累計再生数2億回を突破──そんな驚異的な記録を打ち立てた楽曲「像極了」のアーティストこそ、永彬Ryan.B（ヨンビン・ライアン・ビー）だ。

　

彼の音楽は、R&Bを基調にヒップホップやポップスを織り交ぜたスタイルで、柔らかなビートと感情豊かなメロディが特徴...