コロナ禍でAKB48、ジャニーズなどが参入を始めた「オンラインライブ」成功の秘訣とは…
コロナ禍において、オンラインライブは定着しつつある。
STAY HOMEを守りながらアーティストのライブを体験できる方法があることは、人々に希望をもたらしているだろう。私も、新型コロナウイルス感染症の影響により何度かアーティストのオンラインライブを視聴した。どれも内容は素晴らしいものであったし、視聴後は幸せな気分に浸ることができた。
しかし、当たり前だが、やはり物足りない...。その物足りなさは「双方向性の欠如」にあると考えた。
アーティストのカテゴリーによって、特徴は異なるが、どのライブにも双方向性は必ず存在していると思う。
「歌唱」をメインにするアーティストのライブでは、お客さんに歌ってもらうパートがあったり、クラップをするところがあったりと、お客さんからも発信してもらうという点で双方向性がある。
「パフォーマンス」をメインにするアーティストのライブでは、応援うちわに書いてある要望に応える、振り付けを一緒に行うなどの方法で双方向性を持っている。オンラインライブでも、コメントができるライブもあれば、「画面の前のみんなも一緒に踊って!」と呼び掛けられるライブもあった。
それでも双方向性が満たされたとは感じなかった...。
▼ 文字以外の方法でファンが参加できるようにする 問題は、文字でしか、いちファンである自分を画面の向こうのアーティストに示せないことにあると思う。 対面のライブであれば、声を出したり、手を挙げたり、ましてやその場にいるだけで、アーティストに自分の存在を示すことができる。それこそが私の感じていた「双方向性」であり、アーティストとファンがいつもは画面越しでしか感じられないその存在を現実に確かめる、ということがライブの醍醐味である。 では、その醍醐味をできるだけ保ちつつ、オンラインライブを成功させるにはどうすれば良いだろうか...。 一つは、文字以外の方法でファンが参加できるようにすることだ。事前に歓声や応援している様子、または振り付けを実践している様子の動画を募集し、オンラインライブ中のどこかで使用し、自分も参加している様子をアーティストに示すことができるようにする。これによって先ほど述べた、お互いに存在を感じることが実現できる。 ▼ 自分が見たいアーティストにフォーカスできる仕組み もう一つは、カメラの台数を増やしアーティストを360度から撮影し、ファンが自分の見たい角度を選べるようにする。アーティストがグループの場合は、自分が見たいアーティストにフォーカスできる仕組みを作ることである。 これによって、自分の好きな視点を選択することができるようになる。配信されている映像をただ見るより、自分だけのライブをカスタマイズできるという点で、アーティストの存在をより近くに感じることができ、受け身にならない双方向性が保たれる。 オンラインライブは「会えない」「アーティストとの距離が遠い」「一体感を感じにくい」というデメリットはあるが、双方向性を保つようなやり方を探すことで、そのデメリットを克服し、「チケット争奪戦がない」「交通費がかからない」「席の当たりはずれがない」というメリットを際立たせ、対面と同レベルの幸福感を与えることができるのではないだろうか...。 -- 運営:Evening Music Records Inc.
「もさを。」「ひらめ」に続け…! TikTok(ティックトック)を活用した上手い音楽マーケティングとは…
音楽が多くの人に届くためには、ファンの力だけでは足りないのが現実だ。効果的なマーケティングによってその音楽を広める必要がある。TikTokなどの音楽を伴うSNSの影響もあり、音楽は驚くべき速さで流行になり、廃れていく...。
どのようなマーケティングをすることが、その音楽のヒットに繋がるのか...。
「もさを。」「ひらめ」などのアーティストをご存知だろうか。
彼らの曲はTikTokで頻繁に使用されたところから若者の間で話題になり、テレビ出演までこぎつけている。TikTokで使用された曲が浸透するのはなぜか。そこには2つの理由がある。
▼ 「共感」と「動画の尺」
1つ目の理由は、「共感」である。
TikTokの音源は、音源が使用されている動画によって、曲に合わせた振り付けやイメージが形成される。そのイメージが共感につながりやすいのだ。つまり、街中でふと流行りの音源が流れてきたとき、打ち合わせなしで急に同じダンスを踊ることができる。「やっぱりこの曲を聴くと体が動いちゃうよね!」。こういった共感体験によって、その音源、その曲にポジティブな印象を持つことができる。よって、音源への好感度が上昇するのだ。
2つ目の理由は、「動画の尺」である。
TikTokの動画がYoutubeやテレビ番組に比べると非常に短いため、動画を見る頻度が高くなり、記憶に残りやすくなるからである。TikTokの長さ制限は3分であるが、流行りのダンス動画などは基本的に15秒から30秒という短さである。「映画を見たいけど、2時間あると思うと腰が重い」という経験はないだろうか。その点、TikTokは少しの隙間時間に再生することが可能だ。その敷居の低さから、ユーザーは何度もアプリを開き、動画を見ることになるため、誰でも流行を捉えやすい。そして流行りの音源は何度も繰り返し流れてくることが多いため、流し見をしているだけでその内容が記憶に残る。
これらの理由からTikTokで使用される曲は浸透しやすい。TikTokユーザーの間である曲が流行すると、ユーザーの中でその曲が自然に口ずさんでしまうレベルまで落とし込まれる。この浸透力によって、TikTokでの流行が全国区での流行になるのだ。
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▼ 超ときめき♡宣伝部(通称:とき宣)とは...
TikTokの特徴をマーケティングに生かし、成功した例は複数ある。
今回は、超ときめき♡宣伝部(通称:とき宣)を例に挙げる。
とき宣の「すきっ」という曲は2018年にリリースされた曲であるが、2021年上半期にTikTokでこの曲の中毒性やダンスの真似しやすさが人気を集め、バズった。この音源での投稿動画は32.2k、つまり3万本にも及ぶ。このブームを運営は見逃さなかった。同曲を再録した「すきっ!~超Ver~」を配信し、新しいMVをYoutubeに投稿した。反響は大きく、MVはとき宣としては異例の1週間で20万回再生越え、配信は各サブスクリプションでのとき宣人気曲ランキングで軒並み1位を獲得している。それだけではなく、TikTokでライブ映像を配信することで、「すきっ!」を知っているユーザーをライブ動画に誘導し、新規ファンの獲得にも力を注いでいる。
TikTokを利用したマーケティングは、TikTokの持つ浸透力を利用した曲を提供することと、その曲を知ったユーザーが反応するような新しい仕掛けをすぐに生み出すことが成功のカギだ。流行りはすぐに変わる。その曲が流行っている一瞬の間に、新しいコンテンツを提供し、「TikTokの音源」という認識から「好きな曲」という認識に変えること、これこそが成功のために必要なマーケティングの在り方であろう。
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運営:Evening Music Records Inc.
BTS(防弾少年団)や嵐も参入するTikTok。その効果的なバズり方とは…
誰でも気軽に動画コンテンツを発信できるアプリ、TikTok。近年、TikTokから生まれた音楽が流行し、全国区になったり、TikTokで頻繁に使用される曲がテレビ番組で披露されたりと、その影響力を増している。TikTokは若者が曲に合わせて踊るだけ、だとは思っていないだろうか。いまやTikTokは音楽マーケティングをする上で見逃せないコンテンツへと成長している。
では、TikTokを通して効果的にマーケティングを行うことはできるのか。実例を挙げてその可能性について検討する。
TikTokの影響で流行となった曲は複数あるが、「め組のひと」、「CHIL DAYS」を例に挙げる。「め組の人」は1983年に発売された曲であり、2010年に倖田來未によってカバーされた。この曲は2018年頃にTikTokの音源として使用されるようになり、それ以降若者の間で瞬く間に広まった。その結果、発表から数十年だったにも関わらず、テレビで歌唱されるほど注目を集めた。
「CHILDAYS」はあまり聞きなじみがないかもしれないが、「Forever Children ガキのまんま くだらないことでわらっていたいんだ」という歌詞はTikTokユーザーにとってはおなじみなのではないだろうか。この曲は簡単な振り付けがついており、振り動画などを含め約4万本もの動画が投稿されている。「CHILDAYS」を歌うBLOOM BASEはこの曲を引っ提げてミュージックステーションへの出演を果たすほど注目を集めた。
▼ マネできる振付がつけられていること この2曲に共通することは「マネできる振付がつけられていること」である。ダンス未経験の視聴者でも簡単に真似をすることができるレベルの振り付けがあることで、その曲への親しみが増す。また、友人同士で一緒の振り付けを共有できることで共感経験を得るため、曲への肯定的な感情を抱くことができる。そして、その振り付けを真似てその音源で投稿するユーザーが増えることで、投稿動画数が増え、話題性が上がる。このことから、簡単に真似できる振り付けがあることが、その曲をTikTokで流行させ、TikTok外へも影響力を持つ上で必要な条件なのだ。 しかし、真似できる振り付けであったとしてもそれがバズるとは限らない。先に上げた「マネができること」以外に、バズる振り付けの法則はないのだろうか。「CHILDAYS」や「虹色の戦争」を振り付けたローカルカンピオーネと、「同担拒否」や「17歳」を振り付けたもかに注目した。 ▼ 「歌詞に合わせた動き」と「上半身のみで完結すること」 バズる振り付けには、「マネができること」の他に2つの法則がある。 それは「歌詞に合わせた動き」と「上半身のみで完結すること」である。「虹色の戦争」では、「戦争」という歌詞に合わせて銃を構える動きをしたり、「頭に響く」という歌詞で頭を抑える動きをしたりと歌詞を聞くと振り付けが思い浮かぶつくりとなっている。 「17歳」も同じように、「手料理とかお掃除とか」という歌詞に合わせた動きが取り入れられている。そして、これらの曲は全て足の動きがほとんどないため、バストアップのアングルですべてが収まる。これによってダンスの難易度が下がるだけではなく、一人でも動画を撮影しやすく、撮影が気軽になる。真似しやすいうえに、これらの2点が抑えられている振り付けの動画はバズりやすい。 これらのことから、TikTokで音楽マーケティングを効果的に行うには、その音源でたくさんの人がダンス動画をアップしたくなるような振り付けをつけることが重要であり、振り付けがバズると瞬く間にその曲はTikTokだけではなく、広い範囲で取り上げられ、TikTokを知らない世代にも曲を届けることができる。
V6が、50万円… 消えない高額転売を新技術で防ぐことは可能か?
ここ数年の技術の進歩はめまぐるしいものがある。5G、AI、VR…。これまで想像がつかなかった事象が現実に起こっている。また、コロナの影響で「オンラインライブ」が一般的になってきた。
このように、エンターテインメント業界は様々なことに影響を受けつつ急速に変化している。では、今後さらに技術が発展していく世界の中で、エンターテインメント業界はどんな新しい技術を取り入れ、進んでいくのだろうか。
5Gを利用した双方向性のあるオンラインライブ、VRを利用した没入感のある映画体験など、想像できることは多い。しかし、今回は「夢の実現」よりも「現に存在している課題の解決」への技術の応用について考えたい。
現に起こっている問題として今回取り上げたいのは「高額転売」である。私の友人はジャニーズファン、通称ジャニオタである。彼女が先日こんなことを言っていた。
「11月1日に解散するⅤ6の解散ライブが50万円で売られていて、その値段で落札されていた。もはや恐怖だよ。」と。調べてみると、定価は9,000円であり、約50倍の値段で売られていたこととなる。プレミアチケットであることは間違いないが、だからといって高額売買が許される理由にはならない。
しかし、現行の販売体制では本人確認があいまいであることやリセール制度がないことなどから、不正転売を防ぐことはできないだろう。
▼ ももクロが、顔認証による本人確認...
高額転売が行われているのはジャニーズに限ったことではない。某チケット売買サイトを見ると、スポーツ観戦のチケットやミュージカルのチケットなどが低下の数倍、数十倍の価格で売られていた。
最新技術を利用したたくさんの夢を語る前に、最新技術を利用したこれらの問題の解決方法を考えるべきではないか。
まず考えられるのは顔認証による本人確認だ。これはすでにももいろクローバーZが自身のコンサートチケットの販売時に取り入れている。事前にチケット販売サイトで顔写真を登録、そこから購入したチケットで会場に入場する際には、顔認証が行われるという方法である。
これによって身分証の提示などの手間をかけずとも、本人確認を行うことができる。
▼ リセール制度での不適切な転売防止
次に考えられるのは、リセール制度だ。リセール制度は様々なサイトやファンクラブで行われている。ここに新技術を導入することで不正価格での転売を無くす事ができるのではないだろうか。
リセールを行うサイトに登録した個人情報とコンサート主催者側が把握している客の個人情報を紐づけることができる仕組みを作ることで、出品されたチケットが詐欺目的ではなく実際に出品者が手にしているチケットであるか、適正な価格で売られているか、をAIなどにより判別できる仕組みを作る。
AIが異常価格や実在しないチケットの出品を感知すると、主催者側に連絡が行き、出品した人への今後のチケット販売を停止するなどの処分を科す。このように、人間が一つ一つ確認するのが難しい作業をAI化し、個人情報の共有により高額転売などの違法行為をしようとしている個人を判別し再発を防ぐ形だ。
今起こっている問題に対し、新技術を適宜応用して解決することが、楽しい未来を創造する前段階として必要なのではないだろうか。
嵐やBTSのファンが、ビルボード対策垢を作るのはなぜ?
どのアーティストにもファンがいる。その熱烈度合いはそれぞれ異なるだろうが、好きなアーティストに対して「売れてほしい」と願う人は多いだろう。
では、日本の音楽業界で「売れる」とは一体何なのだろう。いまや「CDが売れる曲」と「みんなが知っている流行りの曲」は異なっている。「推し」が活躍のフィールドを広げていくために、我々は何ができるのだろうか。
2021年上半期の総合ソング・チャート<Billboard JAPAN HIT 100>によると、1位は優里の「ドライフラワー」、2位はLiSAの「炎」、3位はBTSの「Dynamite」、4位はYOASOBIの「夜に駆ける」、5位はAdoの「うっせぇわ」であった。
これらの曲は確かに今年耳にする機会が非常に多かった。誰もが認める「今年流行った曲」であろう。では、上半期に売れたCDは何だったのであろうか。
上半期CDシングルセールスランキングによると、1位はSnowManの「Grandure」、2位は乃木坂46の「僕は僕を好きになる」、3位はKing&Princeの「I promise」、4位は櫻坂46の「Nobody’s fault」、5位はSixTONESの「僕が僕じゃないみたいだ」である。CD売り上げはAKB系列のグループとジャニーズグループが強い。
これらのグループは一定数の固定ファンがいること、同CDを複数買いする熱狂的ファンの存在があるだろう。
▼ 推しが日本の音楽業界で「売れる」ためには...
この2つのランキングを比べると、CDの売り上げだけが流行の指標でないことは一目瞭然だ。「みんなが知っている」、「趣味が異なる同年代が集まった時に無難に盛り上がれる」、つまり流行に敏感な若年層の心をつかみ、その年の象徴となるような曲はビルボードで上位にランクインした曲であるだろう。
なぜこの2つのランキングには差が生まれるのであろう。それはビルボードのランキングを決める指標が複雑であるからだ。ビルボードはCD売り上げ、ダウンロード数、ストリーミング数、ラジオ、ルックアップ、Twitter、動画再生回数、カラオケという8つの指標がある。要するに、CDが売れなくとも、たくさんの人がその曲についてツイートをしていれば、カラオケで歌っていれば、上位にランクインすることができる。
これらのことから、推しが日本の音楽業界で「売れる」ためには、もはやそのアーティストにお金を使うことだけでは対応しきれなくなっている。そのアーティストについて自ら発信し、動画を回し、ラジオにリクエストを送る…。本当にそのアーティストが売れてほしいのならば、我々はお金だけではなく、時間を使わなければいけない。
▼ ビルボードを意識してみては...
最後に、簡単に好きなアーティストのビルボードランクインを後押しできる方法をお伝えしようと思う。
最も手軽な方法は「Twitter」である。ツイートする際のコツは、略称を使わないことである。アーティスト名と楽曲名を略さず正確にツイートに盛り込むことがポイントだ。自分で文字を打つのは面倒だという人は、正式名称が盛り込まれているツイートをリツイートすることも、Twitter指標に反映される。
実際、ビルボード対策に力を入れているファンはビルボード対策用のアカウントを作成し、日々ツイートをしている。応援の形は人それぞれであるが、もし日本の音楽業界の中で「推し」に売れてほしいと願うのであれば、ビルボードを意識してみてはどうだろうか。