Ado 異例の”箱入り”握手会の開催を発表!念願のファン交流が実現
先日、今を駆け抜けるZ世代の歌姫として知られるAdoが、念願だった握手会を今年10月に2日間にわたって開催することを発表した。
この握手会は7月10日にリリースされる彼女の2ndオリジナルアルバム『残夢』の発売を記念して行われるという。
しかし、Adoは素顔を見せないアーティストとしてデビューを果たしており、今もなお彼女の本当の姿はベールに包まれたまま。
素顔を隠したままの開催ということで、取り入れられたのはなんとAdo本人が箱に入って行うイタリアの真実の口方式での握手会。この異例で斬新なアイデアが今SNSで話題となっている。
それに加え、ずっと画面を通してでしか感じることのできなかったAdoをより身近に感じられる、このまたとない機会にファンからは喜びの声も寄せられている。
初のワールドツアー、そして女性ソロアーティストとして初となる国立競技場での単独ライブをも完走したAdo。
日本から世界へ羽ばたいていく彼女が、ついに実現するファンとの交流に、今世間が注目している。
スペシャルな応募抽選企画が盛りだくさん
今回開かれる握手会は、2ndアルバムを記念した豪華な応募抽選企画のうちの一つ。 握手会以外にも、ファンの名前入り・直筆サイン入りポスターや、Ado JAPAN TOUR 2024『モナ・リザの横顔』のアルバム先行専用席が当たる、ファンにとっては嬉しいスペシャルな内容となっている。 中でも、肝となる握手会はAdo本人たっての希望で叶ったものであるらしく、顔が見えなくても信じてもらえるよう頑張ります、といった熱い意気込みを語っている。 参加希望者からは、「すごく楽しみ」「面白い」といった感想や「本当に本人であるか少し不安」といったような意見がうかがえる。 それもそのはず。参加者は大きな箱の目に立ち、そこに空いている小さな穴に手を入れたらAdoと握手ができるといった仕様になっており、実際本当に本人と握手しているかを目視で確認することは難しくなっている。 しかし、Adoがずっとやりたかった念願のファンとの交流という事実、そして本人の熱量からも、気になる人にはぜひ信じて応募してみて欲しい内容になっている。イベント情報
Ado 2ndオリジナルアルバム『残夢』の発売記念スペシャル応募抽選企画 <応募コース> ※ 各コースの応募詳細、注意事項は<各コースの応募詳細、注意事項>を必ずご確認ください。 Aコース : Ado握手会 【開催日程】 2024年10月予定 【会場】 東京都内某所 【ご招待者数】 2日間開催、各日500名様ご招待! ※ 日程及び時間の詳細は後日発表 ※ 会場はご当選者様のみお知らせ。 Bコース: 直筆サイン入りポスター〜お客様のお名前入り 71名様にプレゼント 直筆サイン入りポスターにお客様のお名前を入れてプレゼント Cコース: Ado JAPAN TOUR 2024 『モナ・リザの横顔』アルバム先行専用席 【開催日程】2024年10月12日(土)、10月13日(日) 【会場】 神奈川県 Kアリーナ横浜 【席数】 各日900席 詳しくはAdo『残夢』特設サイトへ:https://sp.universal-music.co.jp/ado/zanmuAdo、King & Prince、Souなどへの楽曲提供で活躍の場を広げているボカロP「伊根」の魅力に迫る
本記事では、有名アーティストへの楽曲提供などを通して、名を広めつつあるボカロP「伊根」について紹介したい。
伊根とは?
伊根とは、株式会社クラウドナイン所属のアーティストである。 2020年にボカロPとしてデビューし、その特徴的な作風から瞬く間に注目を集めた。 2022年1月には、Ado「過学習」の作詞・作編曲に携わっており、短期間で様々な活躍を見せている注目のアーティストである。 公式サイト: https://cloud9pro.co.jp/artist/profile/ine/伊根の魅力とは
伊根の作る楽曲の魅力は、先端的かつ流行りのサウンドを用いつつも、ポップな曲調からは少しかけ離れた不安感を煽る作風である。 ポストロックに分類されるバンドサウンドと無機質なエレクトロサウンドの融合や、趣向を凝らしたコード進行が最大の特徴であり、これが彼の作品に独特の浮遊感をもたらしている。代表的な提供楽曲とは
Ado 1st アルバム『狂言』収録「過学習」 【Ado】過学習: リリース:2022.1.26 提供:作曲・編曲・作詞 伊根が初めて提供したメジャーリリースの楽曲。揺さぶられるような不安定なグルーヴ感からサビで一気に展開が変わるため、二面性を強く感じさせる曲となっている。 Sou 3rd アルバム『Solution』収録「ラグランジュ」 Lagrange: リリース:2022.6.22 提供:作詞・作曲・編曲 近未来的な印象が想起されるエレクトロロック調の楽曲。オートチューンのかかったSouの歌声が最大限活かされるような作編曲のアプローチとなっている。 King & Prince 10th シングル「TraceTrace」 King & Prince「TraceTrace」YouTube Edit: リリース:2022.9.14 提供:作詞・作曲 日本テレビ系7月期日曜ドラマ「新・信長公記~クラスメイトは戦国武将~」主題歌であるこの楽曲のシングルCDは、2022年9月26日付のオリコン週間シングルランキングで初登場1位を獲得している。他テレビドラマへの楽曲提供も
伊根はアーティストへの楽曲提供だけではなく、劇中曲の制作にも携わっている。 TBS系火曜ドラマ『夕暮れに、手をつなぐ』 では、劇中制作曲「朝の向こう」の作詞、作編曲を担当した。 公式サイト: https://www.tbs.co.jp/yugure_tbs/注目され続ける「ボカロP」
昨今は米津玄師、YOASOBI、ヨルシカなどの台頭によって、J-PoPシーンをボカロPが席巻することが当たり前となった。 今もその潮流が衰えることはなく、本記事で取り上げた伊根も例外ではない。彼が注目されたのはニコニコ動画で主催されている「ボカコレ」のルーキーランキングで上位を獲得したことがキッカケであった。 インディーズシーンから興ったボーカロイド文化は、趣味で楽曲制作を始めた者が、それぞれの伝えたいテーマを自由に表現できるという特性がある。その彼らが活動の出身を問われることなく、純粋に制作物の魅力を評価され、多くの人の目に触れられる機会が与えれている。これはアーティストにとっても、リスナーにとっても喜ばしい傾向であると言えるだろう。 ボカロシーンから輩出されるアーティスト達は、これからも目が離せない存在だ。 ボカコレ公式サイト: https://vocaloid-collection.jp/ -- EVENINGサイト:https://evening-mashup.com/ Web3 音楽ストリーミング:https://w3.evening-mashup.com/ インターンシップ募集:https://evening-mashup.com/home/music-internAdoの「うっせぇわ」が社会現象と呼べない理由とは…?
巷でAdoの「うっせぇわ」が話題になって久しい。
YouTubeのMusic Videoの再生数が、2億回に到達したらしい。耳に残る洗練された曲だなと思っていたが、まさかここまで行くとは思ってなかった。すごいの一言に尽きるのが本音だ。
また、同曲は、社会的なマナーや慣習にそって従うことを良しとする大人の主張に対し、”うるさい” の一点張りで3分20秒の間、けたたましく抗議し続ける "一種のプロテストソング(社会の不公平や不正を告発し抗議する楽曲)" と言える。
実際に、楽曲中で何回 ”うっせぇわ” というフレーズを歌っているかを数えてみたら、全部で21個あった。当たり前に存在する世のルールに対し、その非合理性を追求するでも、多様性を示すでも、新たな見方を提示するでもない。
攻撃手段はただ1つ。「うるさい」
援護射撃として...「あなたが思うより健康です。」「私が俗にいう天才です。」...など、心身の発育が順調であることを根拠として、21回にわたる ”うるさい” という論調を武器に、骨が見えるまで噛み付いてやろうという楽曲である。
誰に噛みついているのか私には図りかねるが、急所を外している様には思える。
Adoと尾崎豊の違い
さて、プロテストソングといえばやはり "尾崎豊" だろう。 高校在学中にデビューし、特に10代の頃は「社会への反抗・疑問」「反支配」などを表現した。校内暴力や学生による飲酒・喫煙が横行し、偏差値教育や受験戦争のひずみが露呈していた昭和の独特な時代世相と相まって社会現象となった。マスメディアは彼を「10代の教祖」と呼び、若者の代弁者として時代から求められていた。 そしてふと思った。 令和のプロテストソング「うっせぇわ」に対する時代の反応と、昭和の尾崎を聞いたあの時の時代の反応が明らかに違うのではないか。 一言で言うと、聞き手を巻き込んだ "社会現象になってるか否か" の違いである。 尾崎を聞いて、若者は盗んだバイクで走り出し、校舎の窓ガラスを叩き割ったらしいが、「うっせぇわ」を聞いた令和の若者は果たして何をするのか...。曲に従えば、やはり ”うるさい” と連呼するのである。根拠は健康と天才。「うるさい。抹茶フラペチーノは抹茶飲料だから」と、強引な四捨五入で健康をアピールし、それを片手に撮った30枚の写真から厳選した1枚をSNSに載せて「アフィリエイト・インスタグラマー」を名乗って天才を自称する。 申し遅れたが、本記事を書いている私は現在大学2年生の学生で、順調にいけばこの春で3年になる。 順調にいけば、就活も始まり出し、社会との接点が徐々に増えるのが大学3年生というものだ。社会へのステップとして1歩2歩と大人への歩みを実感する、というのがこの多感な時期の1〜2年における変化だろう。一応、令和の若者という立場で率直な感想を述べると、あくまで個人の意見だが、「うっせぇわ」とは時代批判というより思春期の過剰反応に近い様な印象を持った。 尾崎がもたらした社会現象を肌感覚では知り得ない為、この2者の対比に ”昭和と令和” の時代比較を落とし込むことは難しい。 しかし、実感として、Adoに対して向けられる若者の視線は、不満を代弁してくれた尾崎を象徴的存在として崇めた若者の視線の様な熱を帯びているとは思えないし、Adoがそれを望んでいる様にも思えない。 これらの違いはなぜ生まれているのか...。以下ではこの問いについて考えていきたい。尾崎豊の苦しみの理由
なぜ尾崎のプロテストソングは、若者を煽動する社会現象になり、Adoのソレはならないのか...。 私が思うに、それは「ルールを取り巻く人物相関が変化した為」と考えている。 ルールというのは、作る人とそれに従う人の二項対立の構図になりがちだが、重要な第三のポストがあると私は思っている。それは「ルールを説明する人」である。「なぜ黒髪じゃなきゃいけないのか」と問う生徒と、「そういう校則。ルールだからだ」という先生の議論が摩擦を帯びながら平行線のままになるのは、この第三のポストが見えてこないからではないだろうか...。 「こんな校則には意味がない。改変すべきだ。」という訴えが一向に汲み取られない理由は、その先生がルールを ”作る人” でなくルールを ”説明する人” だからだと考えられる。昔の先生や教育委員会などの組織上部、ひいては文化や慣習などの曖昧な合意形成によって出来上がったルールは、複雑すぎて目の前の先生には100%納得のいく説明が出来ない。 この構造が見えないまま理不尽とも思える制限が続けば、必然的に大人社会への不満というガスが溜まり、そこに反支配を歌うソウルシンガー・尾崎が火をつければ、大爆発になるのは想像に難くない。 一方で、今の若者は不満が溜まるとどうするだろうか...。 答えは『インターネット』である。 誰もルールの構造や闇を説明しきってくれなかった昔とは違う。ネットには膨大な量の情報があり、テキストや動画などその媒体も様々で、自分にあった最適な手段で情報にアクセスできる。そこでは、あらゆる人があらゆる事象を説明してくれる環境が整っており、SNSなどで大きく共感を生んだ話題が、現場での現状見直しのきっかけになる例も多い。 それらが適度なガス抜きになっているので、プロテストソングも着火剤としての機能を失わざるを得ない、というのが私の結論だ。 勿論、見るだけでなく発信者になり易くなった事も、ネットやSNSの重要な側面であり、あらゆる人がクリエイターになれるのでコンテンツの絶対数は昔とは比にならない。以前には無かった様々なコンテンツ文化が発達しているという意味では、今の時代ならではの強烈なメッセージを歌うシンガーはこの令和にも多く存在している。 思うのだが、尾崎の苦しみは代弁者に徹した故のものでもあるかもしれない。誰かの気持ちを歌うことを求められ、それが内部化して自分の思いとすり替わったならば、自分が見えなくなるのは当然である。そうなったなら、もう誰かに助けてもらうしかない。それこそ音楽の出番だ。 一例だが、ヨルシカの『思想犯』という楽曲がある。 "他人に優しいあんたにこの心がわかるものか"、という訴求力の強い言葉から始まり、"死にたくないが生きられない だから詩を書いてる" というアーティストならではの苦悩なクリエイティビティが描かれる。Music Videoはアニメーションのストーリー仕立てになっており、強盗らしき人が素顔を隠すために日常的に仮面を付けているシーンが描かれている。 そして、最後のサビに入る3分10秒辺りで疲れ切った強盗は仮面を外すのだが、鏡を見て驚愕する。仮面の下に、もう一枚仮面があったのだ。その下にも、さらにその下にも様々な仮面が張り付いており、剥がせど剥がせど素顔が見えてこない。そのサビでの歌詞がこれだ... 君の言葉が呑みたい 入れ物もない両手で受けて いつしか喉が潤う その時を待ちながら 付けすぎた仮面に、素顔が乗っ取られるという隠喩と照らし合わせて、あくまで私が個人的に導いた『思想犯』という楽曲の解釈を尾崎にぶつけたい。他人の言葉を飲み続ける事でしか渇きを癒せなくなっていたなら、そして、それを自覚できていなかったのなら、逃げていい。 もしかしたら、と考えてしまう...。 ”尾崎がヨルシカを聞いていたなら、歴史は変わっていたかもしれない。” そう思っても、歴史にタラレバはない。だから、我々にできることは一つしかない。今を生きる、この瞬間と人に向き合う。命の意味がわからない人は、カンザキイオリの「命に嫌われている」を聞いてくれ。生きるのが辛い人は、森山直太朗の「生きてることが辛いなら」を聞いてくれ。天国の尾崎、あいみょんの「生きていたんだよな」を聞いてくれ。まだまだある。まだまだあるんですわ聞いてほしい曲が...。 ということで次回以降は...「〇〇なやつはこれを聞け」...的なのとか。「ヨルシカの楽曲、独断と偏見で鬼深掘り」「あいみょんを聴きすぎて彼女にフラれた話(実話)」...みたいな記事を書こうと考えています。 最後まで読んでいただき、有難うございます。 -- メディア運営:Evening Music Records Inc.「Ado」というブランドが人気の理由とは… アーティストの効果的なマーケティング方法について考察する
音楽マーケティングといわれて何か思い浮かべることができるだろうか。
音楽は芸術品であるととらえたい人にとっては耳の痛い話かもしれないが、現代音楽にはビジネス的な側面があることはどうしても拭い切れない。音楽マーケティングの根幹はアーティストのブランディングにあると考える。
今回は音楽マーケティングの成功例を追っていき、なぜそれが成功したのかを考察していこう。
女性アーティスト「Ado」とは
音楽マーケティングすなわち、アーティストのブランディングの成功例として、今や老若男女誰もが知っているであろう女性アーティスト「Ado」について述べていこう。「Ado」は代表曲「うっせぇわ」がTikTokで大流行を呼んだことで一躍有名になったのだが、なぜ彼女はそれをブームで終わらせず人気を集め続けているのだろうか...。 もちろん「Ado」本人の並外れた歌唱力や楽曲の独創性が認められ、人気を集めていることは確かなことである。しかし、それ以上に彼女が元歌い手の現役高校生シンガーであるという売り出し方が人気の要因となっていると考える。 なぜ現役高校生シンガーという売り出し方が効果的であったのだろうか。それは「Ado」の並外れた歌唱力と相反するような普通の高校生というイメージを作ることで、その意外性が話題を呼んだからである。 実際に彼女がラジオなどに登場するとリスナーがその意外性に興味を示しているようなコメントをよく目にする。彼女本来のかわいらしさが、どこか応援したくなる雰囲気を醸し出しているのだろう。さらに言えば、普通の女子高生が一躍歌姫へと変身する、そんなシンデレラストーリーをリスナーが意図せずとも望んだ結果、これほどまでに注目されるアーティストになったのだろう。1st Album『狂言』
— Ado (@ado1024imokenp) October 23, 2021
2022年1月26日に発売決定しました。
ジャケットはORIHARAさん @ewkkyorhr です。
そして本日より各店舗にて予約もスタートしました。
詳しくはアルバム特設サイトをご覧下さい……https://t.co/K5LfkkTDct#Ado #Ado狂言 #Adobum pic.twitter.com/V3lczGcv80
元歌い手の現役高校生というブランディング
また元歌い手であり、現在も歌ってみた動画を投稿していることも彼女がファンを拡大できた大きな理由の一つと言える。 TikTokなどのおかげもあってかVOCALOIDとPOPSの垣根は今でこそ低くなりつつあるものの、やはりまだVOCALOIDはサブカルチャー的であるというイメージが拭い切れていないように思う。そのため両者のファン層の違いは確かに存在する。人気の拡大には異なるジャンルからファンを集めることが少なからず必要になるだろう。そんな中で「Ado」はVOCALOIDの歌ってみた動画をアップし続けることで、VOCALOIDのファンを味方につけることに成功したのだ。 また、「Ado」の楽曲には有名VOCALOIDプロデューサーが作詞、作曲を手掛けているものも多くある。例えば「踊」という楽曲では「ヒバナ」や「乙女解剖」などで有名なDECO*27が作詞を担当している。これもVOCALOIDファンを味方につけた理由の一つといえる。ファン層の違うジャンルのファンを引き込むことで爆発的な人気を実現したのだろう。これもすべて「Ado」の歌い手という一面を捨てることなく守り続けた結果である。 このように「Ado」は自分を元歌い手の現役高校生とブランディングすることができたので確固たる人気を手に入れたのだ。 あるアーティストがただ歌唱力や曲のキャッチーさが評価されて人気になるというのは容易なことではない。インターネット技術の発展でインディーズやメジャー、個人に関係なく、アーティストや楽曲自体の魅力が正当に評価される時代になっている。しかし、いやだからこそ、その中に埋もれないためにはアーティストが戦略的に自分自身をブランディングするということが、音楽マーケティングということにおいては重要になるだろう。 -- メディア運営:Evening Music Records Inc.YOASOBI、Ado、あいみょん…レコチョクランキング2021から見る「令和版 売れるアーティスト像」とは…
令和の時代に「売れている」といわれるアーティストにはどのような共通点や特徴があるのだろうか...。
一概に「売れている」という定義自体も難しく、音楽業界ではいつの時代でもヒットを飛ばすアーティストはいるものだが、本記事では、レコチョク2021上半期ランキングをもとに、令和時代の売れるアーティスト像について考えていきたいと思う。
▼ 2021年現在の人気アーティスト
今回は「レコチョク2021年上半期ランキング」のシングル、アルバム、アーティスト、ハイレゾシングル、ハイレゾアルバム部門と「レコチョク上半期サブスクランキング」のアーティスト、再生回数部門と「dヒッツ上半期ランキング2021」のアーティストランキング、myヒッツランキング部門を参考にする。これらのランキングに2回以上名前が入っていたアーティストのうち過去五年以内にデビューしたアーティストを取り上げ、令和の売れるアーティスト像について検討していきたい。
該当するのは、以下のアーティストである。
・Ado
・YOASOBI
・優里
・米津玄師
・Official髭男dism
・あいみょん
これら6組のアーティストは、ブレイクした時期やブレイクのきっかけになったメディアは違えど、世間一般に認知される代表曲を持ち、継続的な音楽活動を行っているという点で共通している。では令和という時代において彼らの音楽が受け入れられ、人気を博すようになった要因はどこにあるのだろう...。
▼ 世界観の強さ
これは「世界観が強い」=「分かりやすい」という事かもしれない。
AdoやYOASOBIなどネット初のアーティストが特にこの特徴を強く持っていると考えられる。YOASOBIやAdoの楽曲が広まっていくきっかけとなったプラットフォームの一つに、動画視聴アプリ「TikTok」がある。TikTok内では楽曲の一部(主にサビ)が切り取られて使われることが多く、秒数にしてだいたい15秒から20秒程度である。この時間的制約の中で楽曲の魅力を伝えるためには強く明確な世界観が必要になるといえる。
Adoは「うっせえわ」に代表される強烈な歌詞と力強さを前面に押し出したインパクトのある歌唱でその世界観を作り出している。歌声が特徴的なことはもちろん、知らない曲だったとしても「あの人の曲だ!」とわからせてしまう独特の雰囲気を持っている。また、YOASOBIも "小説を音楽にする" というコンセプトのもとに楽曲を製作しており、それぞれの楽曲において主人公は違えど明確なストーリーが提示されている。ボカロ楽曲の流れを受け継いだ特徴的なメロディーラインも相まって、「YOASOBIの楽曲」というジャンルが確立されているように思えてしまうほどその世界観は強烈である。
サブスクリプションサービスの普及によって、リスナーが触れられる音楽の数が格段に増えた。その分一曲の音楽にかける時間も短くなったといえる。このような状況の中で、繰り返し聞きたいと思わせるような強い世界観を持ったアーティストが生き残っていくのは間違いないだろう。
▼ 歌詞の味わい深さ
楽曲において歌詞の共感性が重視されるのは令和に限った話ではないが、ここ最近ヒットする楽曲は歌詞の魅力が取り上げられることが多い印象がある。令和の時代には、歌詞があまり深い意味を持たない耳障りの良さやのれることを重視した楽曲ではなく、歌詞をじっくり「聴かせる」曲を作るアーティストが評価されているといえる。
例えば、優里のヒット曲「ドライフラワー」やOfficial髭男dismの「Pretender」は失恋といった普遍的な体験による痛みを切なく丁寧に表現している。恋愛や人生について示唆に富んだ歌詞で表現するあいみょんの楽曲は「スルメ曲」と評され、何度も繰り返し聞きたくなる魅力を持っているといえる。米津玄師も「Lemom」「馬と鹿」のように、重めだったり壮大だったりするメッセージを歌った楽曲が共感や感動を生んでいる。
このような、歌詞が魅力である楽曲が多く評価されるようになったのもまたサブスクの台頭によるものだと考えられる。サブスクを解禁しているアーティストの楽曲は基本的に聞き放題であるため、リスナーは一度いいと思ったアーティストの曲を過去の作品までとことん聴きこむことができる。サブスクによって耳障りやノリの良さだけを追い求めるのではなく、歌詞をじっくりと楽しむという姿勢で音楽に向き合う環境が整えられた結果、魅力的な歌詞を作るアーティストが高く評価されるようになったといえるだろう。
そしてこれは、いつの時代にも言えることでありながらも確かに令和の売れるアーティスト像の重要な特徴であろう。
▼ 令和に売れるアーティスト まとめ
最後に、令和の売れるアーティスト像をまとめたいと思う。その特徴として挙げられるのは...
・世界観を強く持っていること
・歌詞が魅力的であること
...が挙げられると言えるだろう。あなたの好きなアーティストにも該当しただろうか?
令和の時代にアーティストとして成功するには、楽曲が魅力的であることはもちろん、音楽の聴かれ方の変化に敏感であることが大切なのだと思う。
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くじら、yamaやAdoに続き、無名シンガーの青虫を起用した新曲「化粧と、」を公開! 今回もヒットの予感か…
2月19日に、くじらの最新曲「化粧と、feat.青虫」のミュージックビデオがYouTubeで公開された。
同曲「化粧と、feat.青虫」は、冬の季節をテーマに制作された楽曲だが、ボーカルには無名の女性シンガーの「青虫」が初起用されている。彼女の透き通る様な歌声は、初登場とは思えない程の歌唱力であり、くじらが制作した透明感のあるアレンジの中にも、確りとした心地良いテンポで進む音色が更にその良さを引き立てている。
さらに注目すべきなのは、くじらは、先日THE FIRST TAKEにも出演し話題となった "yama" の人気曲「春を告げる」の制作者でもある。また、2019年には自作曲「金木犀」のボーカルに、最近「うっせぇわ」で注目を浴びている "Ado" を迎えたことでも知られている。まさに先見の明のあるコンポーザーである。
今回 feat.された「青虫」も、活躍が注目されるアーティストであるだけに、今後の動向から目が離せない。
※ 「化粧と、 feat.青虫」YouTube動画: https://youtu.be/gSwuh-r2oX4
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運営:Evening Music Records Inc.