世界で止まらない新型コロナウイルスの感染拡大… 海外アーティストの来日公演や2021年オリンピック開催の雲行きが怪しく…
どうやら2021年も、何かと雲行きの怪しい1年になりそうである。
勿論、一番気がかりなのは、新型コロナウイルスの脅威についてである。2020年11月中旬のここ数日では日本各地でも新型コロナウイルスの感染状況が悪化しており、毎日数百人規模での新規感染者の報道が見られる。尤も、日本では死亡者の数が感染者の数に対して少ないだけに、世界で感染状況が深刻な国々と比べると落ち着いている方だと言う見解もある。
世界において新型コロナウイルスの感染状況が深刻であるのは、アメリカ・欧州・東南アジア・アフリカ等で顕著で有り、今後もコロナウイルスの感染拡大の可能性は否めない予測だ。
また、欧州では複数回に渡るロックダウンを実施している地域もある等、経済状況は落ち込み、医療体制も逼迫していると言う状況でもある。加えて、人の往来もやはりまだまだ難しく、国境を跨いでの移動手段として利用されてきた航空会社も、今は軒並み利用客数が大幅な落ち込みを示しており、収益的にも大きなダメージを負っているのが実情だ。
これ程までに世界レベルでの感染拡大に伴う経済的な落ち込みが続くと、2021年になって直ぐ元通りの活動ができるとは考えにくい。
ともなれば、2021年に開催を延期した東京オリンピックやパラリンピックについても、その開催が再び雲行きが怪しくなることになるかも知れない...。そして、音楽業界に目をやれば、海外アーティストの来日公演で成立している音楽ライブや音楽フェスが事実上、開催困難となってしまう可能性が出てくる為、気が気ではいられない。
新型コロナウイルスの感染に伴う、経済活動への影響については、楽観的でいられない状況になってきている。
◆ 「KNOTFES」「Download Festival」「SUPER SONIC」「 FUJI ROCK」等の音楽イベントは一体どうなる...
日本の音楽シーンにとって、海外アーティストの来日公演というものは必要不可欠な興業でもある。
尤も、日本全体の音楽市場で見れば、セールス的にはほとんどが国内アーティストの活動によって、その売上が成立している事実はある。日本レコード協会の2016年実績では、オーディオレコードの売上 1,777億円に占める洋楽の比率は11.3%(200億円)と言う状況であり、数字上は限定的だ。とは言え、例年夏に開催される「SUMMER SONIC」や「FUJI ROCK」等の音楽フェスは来場者数も増加する等の人気を博しており、毎年チケットは売切れが続く程の盛況ぶりだ。
また、何と言っても、海外アーティストの来日にはドラマがある。本当に日本のことが好きで、毎年の様に来日してくれるアーティストもいる一方で、10年単位で1回程しか来日しないアーティストもいる。全体的に見て、チケットが取れさえすれば見れる機会は多い国内アーティストと比べて、海外アーティストに関しては来日すること自体に稀少性があると言って良いだろう。
プロモーターから発せられる海外アーティストの来日公演の情報に毎回の様に驚かされるのが、1つの楽しみでもあった。
2020年も多くの我慢をさせられただけに、2021年も引き続き開催が難しい...となると音楽ファンとしての精神的なダメージも大きいのは正直なところだ。しかし、現状が続く様であれば、海外アーティストの来日公演は暫くの間はお預けとなるだろう。
この様な背景を考えると、やはり東京オリンピックの開催可否が、今後の音楽イベントの開催の行方を占う意味でも、非常に重要な指標となってくる。日本の今後を担うとも言って良い東京オリンピックの開催は、間接的にも、日本の海外音楽市場(洋楽市場)を担っていると言っても良いだろう。
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新型コロナウイルス禍の後、ライブハウスは生き残っているだろうか?多数支援プロジェクトの存在により
新型コロナウイルスの影響を受けて、日本では5月6日にまで緊急事態宣言が発出されている状況にある。定められた5月6日という日程も、延長されるのではという声も上がっており、とにかくこの事態が完全にいつ収束するかは定かではないという状況だ。
そんな中で経営にダメージを受けている対象の一つがライブハウスである。ライブハウスは全国各所にあるが、国や都からの要請を受けてほとんどのライブハウスが休業を余儀なくされている。
ライブハウスは収益源のほとんどを営業によって得ているため、営業ができないことは全く収益を得られないのと同等のことを意味する。そんな中で、今のように営業できない日々が続けば閉店せざるを得ないライブハウスも多く出てくるであろう。現実として、既に閉店を発表しているライブハウスは各所で少しずつ出てきてしまっている。
ほとんどのライブハウスは3ヶ月営業ができない日々が続けば閉店せざるを得ないとも見られており、既にギリギリのラインに立たされているのだ。 現実として、ライブハウスがなくなってしまえば今後音楽をはじめとしたカルチャーを発信していく場所が一つ失われたことになる。
もちろんそんなことになれば、これまでライブハウスに親しみを持ってきた多くの人は悲しむことになるし、もちろんライブハウスで働く人たちの雇用だって失われてしまうことになる。世間という大々的な視点から見れば、ライブハウスという界隈は非常に小さなものかもしれない。
だが事実として、それらを取り巻く人々の数は多く存在するのだ。
▼ 現在では多数、支援プロジェクトが存在する。それらはどこまで機能するか?
こういった緊急事態を受けて、各方面からライブハウスを支援するプロジェクトが多数立ち上がっているのだ。
それらの中でも内容は様々、過去「EVENING」の記事においても筆者が取り上げているが、例えばライブハウスのドリンクチケットを先に購入しておくことでひとまずライブハウス側に資金が入るようにするシステム。このシステムはコロナウイルスが落ち着いた後も先に購入していたドリンクチケットを使うためにライブハウスに行く機会をもたらすため、お金の支援にとどまらず、実際に後々ライブハウスに赴いて支援できるというようになっている。
他にも、プロジェクトに賛同するアーティストの楽曲を聴ける権利を購入し、そのお金がライブハウスに渡されるというプロジェクトもある。こういったように、ライブハウスに対して支援するというプロジェクトの元に、支援者にもメリットがもたらされるというような素晴らしいシステムとなっている。
他にも、ビッブアーティストが自身の資金を音楽業界に寄付するというパターンも多くある。こういったように各人が立ち上がって積極的に支援していくという動きが多くなっている。
もちろん支援できるのは誰にとってもできる。ビッグアーティストほど大きな資金を用意することができなくたって、ワンコインでも少しずつ募れば大きな金額になり、それに伴って大きな気持ちとして支援ができる。
支援対象者は我々一人一人なのだ。ライブハウスが今後存続するかについても、私たちにかかっているとも言える。 そして、今を踏ん張ることができれば、きっと多くのライブハウスは助かるはずである。
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