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大坂なおみ選手に「日本人なのか?」オーストラリア紙が五輪最終聖火ランナーを「不適任」指摘… 各国メディアで批判も
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大坂なおみ選手に「日本人なのか?」オーストラリア紙が五輪最終聖火ランナーを「不適任」指摘… 各国メディアで批判も

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「大坂なおみは日本人なのか?」 静かで熱い17日間の幕を閉じた東京オリンピックだが、上記のタイトルで、オーストラリアの日刊紙「オーストラリアン」電子版が2021年7月24日に公開した記事が各国メディアで波紋を呼んだ。 これは、同紙のスポーツライターであるウィル・スワントン氏が執筆した記事で、2021年には全豪オープン優勝者となった世界テニス選手 大阪なおみを東京オリンピックの最終聖火ランナーに選出したことが間違いであったと持論を展開したものだ。これに対して、各国のメディアから批判が続出したのだ。 このスワントン氏だが、オーストラリア国内の優れたスポーツ報道を表彰する「SportAustralia MediaAwards」を過去7回も受賞した経歴を持つ程の人物だが、今回の言及にはネガティブな声が寄せられる事となった。 ▼ 大阪なおみ選手の国籍について 大阪なおみ選手は、2019年までは日本とアメリカの二重国籍だったが、22歳の誕生日を迎えるに当たり日本国籍を選択しており、現在の選手登録は全て日本国籍で行なっている。 このような背景がある事に対して、「大坂なおみ選手は1997年、大阪の中央区で生まれた。母親の環さんは日本人。父はハイチ人である。大坂が3歳のとき、一家はアメリカのニューヨーク州ロングアイランドに移り住んだ。それ以来、大坂はずっとアメリカにいる。もしこれがステート・オブ・オリジン(オーストラリアのラグビー・オールスター戦)の資格規定であれば、彼女は今大会でアメリカのジャージを着ているはずだ。」と主張した。 また、スワントン氏は「彼女は日本の伝統を誇りに思っている」としつつも、「日本の一般の人々からは、彼女との深いつながりは感じられない」などと意見を述べ、最終的には「彼女にライターを渡したのは間違いだったと思う」と主張したのだ。 ▼ 問題視された「人種」に対する認識 この持論に対して、彼の「人種」に対する認識に批判が集まっている。 混血として生きてきた人にとって、その人が選択した国籍であれば、誰に何を言われる事はないはずだ。しかし、今回の件はそれを否定する様な意味合いを含んでいる為、多方面から「人種」に対する認識が誤っているのではないかと指摘が相次いでいる訳だ。 7月27日には、国外のイギリス日刊紙「The Times」電子版でも『If Naomi Osaka thinks she's Japanese, that's good enough for me』(大坂なおみが日本人だと思っているなら、それで十分)と題したコラムが掲載されるなど、今回の騒動に関するリベラルな対応主張とも取れる意見が述べられている。 人種差別的な見解に繋がるコメントは、往々にして慎重に検討し言及されるべきだが、今回のコメントは少し配慮が足りなかった様にも思われる。 この様な人種差別については、テイラー・スウィフトが、2020年に黒人への差別に抗議する「ブラック・ライブズ・マター」運動がアメリカだけでなく世界中に広がる中、彼女がツイッターを通じて運動の継続を呼び掛けた様に、世界中でも特に関心の高い話題のひとつだ。 今回の件では、大阪選手に注目が集まったが、世の中で起こりうる事象について公平な視点で物事を見極める事が望まれるだろう。
大坂なおみ選手のツアー大会ボイコットが注目を集める。スポーツと政治、人種問題は混合させてはならないのか?
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大坂なおみ選手のツアー大会ボイコットが注目を集める。スポーツと政治、人種問題は混合させてはならないのか?

2020年において特に話題を集めた事項が、人種問題である。 今年、アメリカのミネソタ州にておきた白人警察官による黒人の殺害事件。2014年に発足したBlack Lives Matter運動はこの事件を機に、再び再熱化することとなった。 さらには先日、同じくアメリカにおいて白人警察官による黒人への発泡事件が発生した。アメリカの建国以前から、そして今日までに常にはびこってきた人種差別問題が、特に2020年には問題視させることとなった。 こういった大きな事件が起きてからは、それまでよりもより大衆が人種差別問題に対して関心を抱くようになったのではないか。著名人やインフルエンサーなどが先陣を切って動いたBlack Lives Matter運動は、現代のSNSの発展などの影響もあって、ものすごい勢いで波及していった。 特に最近で言えば、テニス選手の大坂なおみ選手の行動が話題となった。 彼女はツアー大会に参加中で、今月27日には試合の出場を予定していた。しかし最近に起きた白人警察官の発表事件を受けて、それに対しての抗議という意味で試合をボイコットした。 結果的に試合自体が延期となり、大坂なおみ選手も無事試合への出場を果たし勝利を収めた。だが、彼女の今回の行動はあらゆる方面からの意見を寄せている。 ◆ 政治をスポーツに持ち込んではいけない?イデオロギー的側面を持つだけに、難しい議論。 今回の大坂なおみ選手の行動は、いわゆるスポーツに政治的要素を持ち込んだとして、批判も一部から上がっている。 一般的に見ればスポーツとは、政治とは独立したアイデンティティを持っているもので、見るものにとっても娯楽的要素を含んでいる。テニス以外にも、過去にはサッカーの場面で、ロンドン五輪の際に韓国選手が竹島のプラカードをもってピッチを走ったことが問題視されるという場面もあった。 確かに見るものにとっては、そういった行為は興ざめし、うんざりしてしまう点もあるかもしれない。ただ今回の大坂なおみ選手の行動自体は、かなりの勇気がいるものであったことは間違いない。 大会自体も彼女の行動を認め、賛同した結果、急遽試合の日程を延期するという行動に出た。特に人種差別問題は、人の生命に直接的に関わる問題で、一人一人の行動力があってこそ解決に向かうものであり、そういった意味では政治的要素とは一線を画しているかもしれない。 音楽面においても、過去には政治的主張を唱える学生団体のsealdsのメンバーがフジロックに出演したことが問題となることもあった。だがフジロック自体は、初期の頃から政治的メッセージを発信するアーティストのブッキングも行ってきたし、あらゆる国のアーティストをブッキングしてきていることから、政治と音楽という組み合わせに関してもある程度の理解があるとも言える。 非常に難しい議論で、人によって感じ方の違う問題である。 -- メディア運営:Evening Music Records株式会社