ソニーの新たな空間オーディオ技術「360 Reality Audio」が今秋より開始。新しい音楽の表現方法とは…?
ソニーは、新しい音場実現技術「360 Reality Audio」の提供を2019年秋より開始します。欧米などから、Amazon Music HD、Deezer、nugs.net、TIDAL、の4ストリーミングサービスを始め、約1000曲がこの新しいフォーマットで順次配信されます。
2019年1月の「CES2019」で発表された「360 Reality Audio」。没入感のある立体的な音場を実現する音楽体験です。コンテンツの制作時に、ソニーが開発する制作ソフトを用いることで、アーティストやクリエイターの音楽性や創造性に従った音響をデザインすることが可能です。楽器の音源に位置情報をつけて球場の空間に配置するという形で実現できます。こちらの記事が参考になるかと思います。
Rock oN Companyサイト: https://www.miroc.co.jp/report/aes-2019-day1-sony/
◆ ソニーの新音楽サービスとしての使い方は...?
「360 Reality Audio」が利用可能なストリーミングサービスのアプリをインストールしたスマートフォン(Android / iOS)があれば、どのヘッドホンでも視聴することが可能です。しかし、ソニーが推奨するヘッドホンとアプリ「Sony | Headphones Connect」を使用することで、ユーザー一人一人に最適化された音場を実現することができるため、よりその効果を高めることができます。スマートフォンで撮影した耳の画像から、聴感特性を解析するという仕組みだそうです。
Sony | Headphones Connectサイト: https://www.sony.jp/headphone/special/hpc/
また、Amazonの新作スマートスピーカー、「Echo Studio」を用いることでAmazon Music HDから再生可能、立体的な音響をより楽しむことができるといいます。「Echo Studio」は12月5日出荷開始予定です。「Echo Studio」だけでなく、「Amazon Alexa」など、他の機器でも使用できるよう、検討を進めているということです。
参照:
https://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/201901/19-002/
https://creatorzine.jp/news/detail/369
https://www.sony.com/electronics/360-reality-audio
https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1160897.html
https://getnews.jp/archives/2241744
https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1209307.html
ソニー・ミュージックレーベルズ所属 BURNOUT SYNDROMESの楽曲も…過去から学ぶ、再解釈ソングを作る現代アーティストに注目せよ!
音楽制作・発信手段の多様化によって、音楽ジャンルの幅は大きく広がっています。EDMや融合的なジャンルの確立など革新的な音楽を作るアーティストも数多くいる一方で、過去の作品からヒントを得て製作する流れもあるようです。
今回は過去の文学作品の再解釈によって楽曲を制作しているアーティストに注目して見ました。
◆ 文學ロックの王道、BURNOUT SYNDROMESとは...
2005年に結成され、大阪・新世界を中心に活動するロックバンド、BURNOUT SYNDROMES。文學作品をモチーフにした楽曲を多く制作し、日本語の響き、美しさを重視したロックバンドです。
過去の文學作品の持つ独自の美しさとメロディーの調和を突き詰めている彼らの楽曲はリスナーの想像力を掻き立てます。
2015年に5月にリリースされた楽曲「文學少女」の中では、「限りなく透明に近いブルー」「雪国」「羅生門」など様々な文學小説の一節が登場します。過去の作品とリンクさせることで、通常一曲5分の中では収まりきらないような大きな世界を見ることができます。
BURNOUT SYNDROMESの公式サイトはこちら↓
https://burnoutsyndromes.com/news/3/?range=future_event_end_time&sort=asc
◆ サントリーが徒然草の再解釈ソングを制作する企画を実施
今年4月には、サントリー食品の新商品プロモーションとしてフジファブリック・崎山蒼志・tofubeats・Saucy Dog・ネクライトーキーが徒然草の再解釈ソングを作成しました。
徒然草の持つ、”ありのままに自分らしく生きよう”というメッセージをそれぞれのアーティストが解釈し直し、楽曲やミュージックビデオに反映しています。作品中の別の箇所をそれぞれのアーティストが担当し、各々一つの楽曲にメッセージをまとめる形で作品を作ります。
一つの作品の再解釈なのにもかかわらず曲調に大きな違いが出ていたり、メッセージの反映の仕方が個性的だったりと、それぞれのアーティストの”違い”を見ることができることもこの企画の趣深い所です。同じ作品を見つめていても、違った言葉が紡がれていく。新しい解釈が生まれる。これが音楽の、芸術の本質かもしれませんね。
それぞれのアーティストの楽曲はyoutubeからミュージックビデオとともに視聴することができます。
◆ 再解釈ソングならではの良さもある...
楽曲と文学作品をリンクさせて考えることで、アーティストのメッセージをより深く受け取ることができる。これが再解釈ソングならではの良さです。
通常、一つの楽曲を聴く時には、良さを”メロディー” “ハーモニー” “リズム” “歌詞” のいづれかから判断しますが、過去の文学作品を参照している楽曲の場合、”文学作品とのリンク”という要素が加わります。
また、今回のサントリーの徒然草再解釈企画のように、一つの作品を複数のアーティストが解釈していく場合、アーティストごとの解釈・表現の違いを味わうこともできるのです。
運営会社: Evening Music Records株式会社