ラウドシーンを牽引するSurvive Said The Prophetが売れたワケとは?
Survive Said The Prophet(以降:サバプロ)というバンドをご存知であろうか。現在日本のラウドロックシーンを牽引しているバンドといっても過言ではない、それくらいの実力を伴った、勢いのあるバンドである。
彼らは昨日1.15に新アルバム、「Inside Your Head」をリリース、当アルバムを提げた全国ツアーを現在敢行中である。すでに各会場も1000人キャパ以上のライブハウス・ライブホールが中心となっており全国各地において確かな動員を誇っている。ツアーファイナルではZepp Tokyoなど、3000人規模のライブハウスでの公演も控えており、すでに超人気バンドである。
こういったように、すでにオーバーグラウンでの活躍が目立っているサバプロ、一体彼らの魅力とは何か、そして売れたワケとはなんなのか?考察していきたいと考える。
◆HR/HMの要素の中に、ノリやすさ、そして今風のサウンドなどが特徴。
彼らは現在ラウドシーンを牽引していると先述したように、基本的な音楽性はハードロック・ラウドロック・メタルコアといった要素が中心的となっている。
だが彼らの特徴は、そういったジャンルだけに凝り固まった音楽性をしていないことだ。つまり、レンジの広い音楽性をもっている。彼らの飛躍のきっかけとなったアルバム、「space[ s ]」では、リード曲の「TRANSlated」などはボーカル・Yoshのシャウトが特徴的で、いわゆるゴリゴリのハードロックサウンドである。
だが、同アルバム4曲目に収録されている「Right and Left」という楽曲は、ロックサウンドは基調としていながらも、ボーカル・Yoshのハイトーンでクリーンな歌声、さらに持ち味である端正な英語のリリックなど、ポップスの色も強く出ていて、いわばかなり洋楽っぽい。
他のアルバム、楽曲を聴いてみても同じように、いずれの曲においてもバンドサウンドが基調となっていることは間違いないが、様々なジャンルがおり合わさっていることから全体的に聴きやすくて、比較的大衆にも迎合されやすいサウンドとなっている。
この特徴は彼らが売れたワケの一つといって良いだろう。通常ではハードロック・メタルコアなどといった音楽はアンダーグラウンドなもので、世間的に迎合される例は少ない。
それでも彼らが成功を収めたのは、あらゆる音楽性を取り入れるという工夫をしたからである。HIPHOPやR&Bなどといった要素を取り入れた楽曲もあり、いかにもロックバンド然とした体裁をとっているわけではない。
◆バンド同様、ソニーミュージックにも多様性の特徴が見られる。
サバプロは2018年、ソニーミュージック・レコーズと契約を結んでいる。音楽業界においては大手となるソニーミュージックグループに所属しているということは、バンド活動においてプラスになる要素が非常に多いであろう。
メジャーレーベルはやはりプロモーション力が強い、今後サバプロは今よりもっと彼らの音楽が認められて、日本国内の大型音楽フェスへのブッキングも増え、やがては海外の大型フェスの出演の機会も増えてくるのではないかと考えられる。
それはもちろん彼らの音楽が素晴らしいものであって、実力のあるメンバーが揃っているという大前提があって、そのバンドの後ろ盾として所属しているソニーミュージックの力も合わさってきて成し遂げられることである。
ソニーミュージックももとより、幅広い音楽性のアーティストが所属しており、あらゆるジャンルにおいて強い。そういった点でサバプロの所属先としてもかなりマッチング性の高いものであったと考えられる。
また、サバプロというバンドのプロモーション・ブランティングに関して特徴的だと思えるのが、海外アーティストの来日公演におけるオープニングアクトとしての出演や、海外アーティストが多数出演する音楽フェスへの出演が多い、というイメージがある。これまで、hoobastank、Story of the yearなどの対バンアクトも務め、KNOT FES、PUNK SPRINGといった人気音楽フェスへの出演も果たしてきた。
バイリンガルであるボーカル・Yoshの特性を生かした洋楽チックな楽曲がたくさんあることも、サバプロの特徴であり、そういったバンドのプロモーションという意図では上記のようなライブに出ることはかなり効果的である。プロモーション・ブランディングにおいてもバンドの特性を生かしたものがなされていると考えられる。
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