著しく盛んな日韓の文化交流、たいして外交関係は最悪… 文化交流は外交関係に影響を与えるのか
日本と韓国の二国は、いろんな面で関わりが深く、単純には言い切れない関係を築いてきている。
まずは二国間の外交関係、これに関しては最悪の状況とも言えるだろう。第二次大戦中から日本は朝鮮半島を植民地支配、それに伴った慰安婦問題をめぐる歴史認識の相違などを巡って長い間対立が続いている。そういったものを契機として、今日までではどうも二国間の関係はうまくいっていない。
それとは別のものとして、日韓の文化交流は大変盛んである。
BTSの地上波番組出演や、TWICEの紅白歌合戦出場など、韓国の音楽アーティストは日本においても大人気を誇っている。音楽以外でも、映像作品で言えば特に最近は「愛の不時着」「梨泰院クラス」などが大ヒットを記録している。
こういった日韓の文化交流は今に始まったことではなく、今や10年以上も前になる「冬のソナタ」など時代を彩った作品も生まれている。日本初のアーティストも韓国進出を果たしており、ONE OK ROCKやRADWIMPSなどはアジアツアーとして韓国でも公演を行っている。韓国に対する嫌悪など、世論調査では高まりが見えつつもあるが、決して国全体がそうというわけではない。
この文化交流と外交関係のジレンマは、今後の二国関係にどういった影響をもたらすであろうか...?
◆ 文化交流は日韓関係のつなぎ目?仮に文化交流さえ途絶え時、日韓はどうなる...
思うに、現在の日韓の文化交流は外交関係のつなぎ目としての役割を果たしているのではないか。
仮にこれまで日韓の文化交流がなかったとしたら、互いの国同士の嫌悪感というのはもっと世論全体として高まっていたのではないだろうか。しかし幸いしたのか、日韓の間では若者を中心とした文化交流が盛んなこともあって、世論的な面ではなんとか二国間の連携をつなぎとめている印象だ。
特に戦争を知る世代、日本で言えば戦時中に幼少期を過ごした団塊世代などは韓国に対して、良い感情を持っていない人が多いかもしれない。だが、今の若い世代がやがて高齢層になった時、もしかしたら今よりもっと二国の関係は良いものとなっているのかもしれない。だが、これはあくまで市民社会の視点に基づいた予測であり、それでいて根拠がない。これまで見たように、政治と文化交流の間では全くの相関性がない。
だが市民レベルで見たときに、日本から韓国を、韓国から日本を見たときの感情はこの先変わっていく可能性はある。
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