Author: 山本 愛依

YOASOBI、海外での反応とこれからの海外市場の展望とは
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YOASOBI、海外での反応とこれからの海外市場の展望とは

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先日、”spotify 2021年まとめ”が発表され、海外で最も再生された日本のアーティストランキングにてYOASOBIがランキング一位に選出された。 YOASOBIは2019年、「夜に駆ける」のYouTube投稿を皮切りに、ネット上で話題となり今年も去年に引き続き紅白歌合戦にも出場するなど国民的な人気を獲得し、他の追随を許さぬ躍進を見せてる。2021年には人気アニメ”BEASTERS”のアニメ主題歌を担当したことや、YouTubeのMVなどから海外からも注目を集めている。 そんな日本国内のみならず海外でも多くのリスナーを持つ彼らが、11月12日にYOASOBIの楽曲を英語詞に翻訳し再収録したEP E-SIDEがリリースし、composerであるAyaseのYouTubeチャンネルに新たに英語版の「たぶん」「アンコール」「優しい彗星」「あの夢をなぞって」のMVが4曲が同時公開となった。 元々、YOASOBIを知っていた海外ファンからは、英語で歌っても原曲のストーリー性や美しいメロディーが全く崩れないのがすごい、彼らの描く世界観をより身近に感じられてとても感動する、など多くのコメントが寄せられた。また、日本のファンからも英語詞が日本語詞の空耳のように、原曲に似た響きを多く使っていることに反響が集まった。 ▼ 海外ファンのレスポンスは... 英語版を聞いて、ボーカルikuraのリズム感と耳の良さを再確認した。海外ファンのレスポンスにも、日常的に英語を話していないのにもかかわらず彼女の英語詞の発音がとても聞き取りやすい という声が多かった。 私自身聞いていてとても自然で、細部の発音までこだわって英語版を作っているのなというのを感じた。高い歌唱力と表現力を持つikuraが英語版でもその実力を存分に発揮している。 彼らの海外市場へのこれからの展望として、海外の新しいファン層に向けてもしっかりとリーチしていくべきだと強く感じた。再生回数やYouTubeのコメントを見ている限り、元々YOASOBIの楽曲(日本語版)を知っていた海外ファンが英語版を聞いた上で感想を書いている場合が大半であると感じた。 もちろん彼らへのリーチを行うことでより熱狂的なファンが海外にも増えていくことは間違い無いだろう。ただ、日本でこれだけ社会現象を巻き起こし、ヒット曲を連発しているYOASOBIだからこそ普段日本語の曲は聞かない という海外リスナーからも人気が出るポテンシャルをもったアーティストだと思う。 ▼ さまざまな言語でのコンテンツ展開の効果は... 海外市場に進出する上で、日本語のみならずさまざまな言語での広告、コンテンツ作りをより活発に行うことは重要だ。 ただ、それだけでなく、彼らの楽曲に使用された原作の小説やショートストーリーを英語などでわかりやすくSNS上で紹介したりすることで彼らの楽曲をより深く楽しめる海外ファンが増えるだろう。日本のみならず世界で知られている昔話や童話などを原作に楽曲を発表したりするのも、海外ファンを引きつけるきっかけになるかもしれない。 また、海外では主流の手法だが、有名アーティストへの楽曲提供やfeaturingでのコラボなどから知名度を広げるのも効果的だろう。彼らの高い音楽性で確立した国内での人気を海外でも展開できるよう、1ファンとして応援している。 -- メディア運営:Evening Music Records Inc.
覆面系大学生アーティスト Wurtsの音楽マーケティングとは
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覆面系大学生アーティスト Wurtsの音楽マーケティングとは

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ここ数年、Tiktokは新たな音楽市場として大きな注目が集まっているプラットフォームだ。 優里、vaundy、Awesome city clubなどtiktok上で動画を作る際に音源が流行し、人気がでたアーティストがトップチャートを占めることが主流になってきている。そんな中2021年TikTokでの動画投稿を中心に人気を得たアーティストの一人がWurtsだ。 Wurtsは21世紀生まれの新人アーティストで、今年の1月からTiktokにオリジナル曲やギターでの弾き語りカバー動画の投稿をスタートした。5月にリリースされた「分かってないよ」の音源を用いて学校生活の思い出を投稿する動画がTikTok上で人気となり、彼の中毒性のある楽曲に注目が集まった。少しハスキーな歌声、”分かってないよ”の耳に残るメロディー、どこか懐かしい楽曲のアレンジが逆に新しく、若者の間で人気を集める結果となった。 ▼ 謎に包まれたアーティスト 彼は顔出しをしておらず、存在はかなり謎に包まれているが、インタビューなどで音楽家として自分の音楽を表現したいというよりかは、自分の興味のある研究としてTikTokに音楽動画を投稿し始めたと語っている。 彼は大学でマーケティングについて学んでいる他、Twitter上で2021年上半期の自身の研究として「TikTokの可能性」「オルタナロックのリバイバル論」「縦型MVの分析」の3つを掲げていた。 ”分かってないよ”はASIAN KUNG-FU GENERATIONや、ORANGE RANGEなど2000年代のオルタナティブロックなどのリバイバルを主軸に作られているため、懐かしさのあるサウンドがTikTok上での動画の ”友達や家族との思い出動画” というコンセプトにハマり、バズるきっかけとなった。 また、縦型のMVもスマホで音楽を楽しむ人が増えた今の時代ならではでありながら、世界観は90年代のフィルムカメラで撮影したような趣のあるものが多く、若者から支持されている。Z世代のリスナーがどのように音楽を楽しむのかしっかりと研究された上でTikTok上でムーブメントを起こすという現役大学生ならではの音楽マーティングだなと強く感じた。 ▼ TikTokの動画BGMで人気を集める ”分かってないよ” だけでなく、10月にリリースされた「ブルーベリーハニー」もTikTok上での動画BGMで人気を集めており、続けて11月にリリースされた「NERVs」はTikTokの公式テレビcmに起用されている。 1stアルバム「ワンス・アポン・ア・リバイバル」をリリースし、表題曲では話題のアーティスト”にしな”がfeaturingで参加したクリスマスソング「サンタガール」が収録されている。研究テーマとして明確な目標を掲げ挑戦し新たな音楽マーケティングの形を見出している彼の活動にこれからも注目が集まりそうだ。 -- メディア運営:Evening Music Records Inc.