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BE:FIRST(ビーファースト)が、日本音楽界の未来を見せる理由とは...
石原史彌( Evening Music Records )
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私はテレビを見ない。
というかテレビが家にない。
連ドラを連続でみる習慣がないのと、YouTubeの利便性にあやかって動画や音楽はスマホで見るのが生活のほとんどである。
そんな中、つい先日YouTubeで「Kick Start」という楽曲が目につき、なんとなく再生してみたのだが個人的にドストライクだった。驚くほどドストライクだった。
最初のイントロから体が縦に揺れるトラック。乗ったリズムが途切れないラップ調に飽きさせない展開とラスサビの転調。私好みだと感動した。のだが正直なところなぜこんなにも人気なのかがわからなかった。
再生数やYouTubeのチャンネル登録者数の伸びはすごく、いやでも目に付くほど話題になっていたはずだがそれまでまるで聞いたことがなかった。
「Kick Start」は公開から2日後の10月8日現在で74万再生、急上昇ランク2位を記録しているのだがその答えはこのアーティストが結成されたオーディションの情報を日テレのすっきりが大々的に取り上げていることにあった。テレビレス生活も考えものである。
Sky-Hiが自腹で1億投資
元AAAのSky-Hiが自腹で1億投資し主催したオーディションから生まれたダンスボーカルユニット「BE:FIRST」(ビーファーストと読む)のメジャーデビューに先駆けて配信されたカップリング曲、それが「Kick Start」である。
1億という金額から並々ならぬ決意を感じる。正直ビビった。
調べてみると平均年齢は20歳。最年少のRYUHEIはなんと14歳という若さである。
ちなみに彼はプレデビュー曲「 Shining One」のMVでは冒頭でセンターの歌い出しを担当しており、驚くほどの安定感を見せつけている。
若さとクオリティの両立。
すごいアーティストが出てきたと心から思う。と同時にこれまでも多くいたダンスボーカルユニットとの最大の違いはなんだろうか考える上で、BE:FIRSTの圧倒的なオリジナリティについて深堀りたい。
Sky-Hi主催ではあるがAAAやDa-iCEなどの文脈を色濃く受け継いでいる訳でもない新しさを追求しており、いい意味で王道のJpopらしさが無い。そしてそのクオリティに一切の妥協もない。しかも本人たちに作詞や振り付けを担当させることでファンはパフォーマンスだけでなくその作品が作られた背景や意味にも入り込むことができる。
ラップのパートはやはり一流のそれを感じさせるし、ダンスクオリティに英語の発音、高音の発声に至るまで漏れなく全て出来上がっているという印象である。
オーディションで共に切磋琢磨してきたライバルであり仲間でもあった同志への想いなども反映している歌詞には共感できるパートが多分にある。
オーディションから掲げてきた3つの軸...
・クオリティファースト
・クリエイティブファースト
・アーティシズムファースト
...という理念が見事に反映されてる作品となっており、デビュー曲の「Gifted.」がどんな作品に仕上がるのかが非常に楽しみになっている。
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世界を見据えた挑戦
Sky-Hiは今回のオーディションにおいて、「音楽との距離が近いグループというのは、今の日本に、東アジアに、そして世界にとって必要であると強く認識していたし、危機感も感じていて、そういった志を掲げていました。」と語っている。
個人的な捉え方になるが ”危機感” とはすなわちKpopなどの台頭で世界進出に成功したアジア勢に遅れを取るまいというアグレッシブな挑戦であり、乱暴な解釈をすれば多様化し、ガラパゴス的に発展する国内音楽産業に対する前衛的な姿勢とも取れる。
大袈裟な話ではなく、BE:FIRSTというアーティストがこれまでの日本に前例の無い新しい方向性を提示してくれるのではないかという圧倒的なワクワク感が拭えないことをどうか読者の皆さんにも共有したい。
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