2024年にDeterio Liberより刊行した小説、曽根雅典『死者のテロワール』をイメージソースとしたサウンドトラック アルバム。 2061年、ディストピアと化した日本。地方に作られた尊厳死のための施設にあるカフェ「クロエ」に集まる常連たちの、食べ物と記憶にまつわる回想の日々を描いた、SF的でありながらもノスタルジックな雰囲気を持つ作品の世界観をベースとした、静謐なアンビエントの名盤がここに完成した。 de.te.ri.o.ra.tion/Deterio Liber主催の橋本竜樹（Nag Ar Juna）、Ami Kawai（PRINCE GRAVES）、Naoya Takakuwaといった過去にリリースしているレーベルゆかりのアーティストに加え、ギターによる即興演奏で近年活躍目覚ましいMao Otake（ミツメ）、Chee Shimizuとのアンビエントユニット活動でも注目のmiku-mariが参加。 更にはミュージシャン/アーティストとして活動する扇谷一穂、詩人の菅原敏が小説の一節の朗読で参加し、小説の世界観をより深く味わうことができる内容となっている。

リリース情報

■ アーティスト名：Various Artists 作品タイトル：死者のテロワール・オリジナルノベルサウンドトラック 配信開始日：2025年11月5日（水） ■ 参加アーティスト(五十音順） 楽曲制作： Ami Kawai Naoya Takakuwa 橋本竜樹 Mao Otake miku-mari 朗読： 扇谷一穂 菅原敏 マスタリング： Kazama Moe (studio Chatri) ジャケットアートワーク： 横山雄 ■ 楽曲情報 1.Terroir of the Dead - Mao Otake 2.Preface - miku-mari 3.朱夏 - Tatsuki Hashimoto 4.クロエ - Mao Otake 5.After the Silence - Tatsuki Hashimoto 6.鮎釣り - Naoya Takakuwa 7.クロエ（朗読）- Mao Otake feat. 菅原敏 8.Ash and Grapes - miku-mari 9.Echoes of Chloe - Tatsuki Hashimoto 10.ハレー彗星 - Ami Kawai 11.朱夏（朗読）-Tatsuki Hashimoto feat.扇谷一穂 12.ここがある場所 - Ami Kawai

いま、音楽業界はかつてないほどの「便利さ」と「停滞」を同時に抱えています。 ストリーミングサービスの普及によって、誰もがスマートフォンひとつで世界中の音楽を聴けるようになりました。しかしその一方で、アーティスト自身に届く報酬は驚くほど少ないのが現実です。 たとえば、1再生あたりの収益は平均で0.003ドル前後。数十万回の再生を得ても、数千円にしかならないケースは珍しくありません。 間にレーベルやディストリビューター、プラットフォームといった仲介者が存在し、ファンの支払いがアーティストに届くまでには多くの層が介在しているためです。 この“分配構造の歪み”こそが、長年音楽業界を悩ませてきた根本的な課題となっています。そして、ここに風穴を開けようとしているのが「WEB3」という新しい技術です。

WEB3とは何か：分散型で「価値の流れ」を変える仕組み

WEB3を一言で言えば、「インターネット上の価値を個人が直接所有・やりとりできる仕組み」です。 従来のWEB2では、データや収益はすべてプラットフォームに集中していました。たとえば、YouTubeの動画やSpotifyの音楽データは、最終的には企業サーバー上にあり、ユーザーは“利用するだけ”の立場です。 それに対してWEB3では、ブロックチェーンという分散型のデータベースを活用し、「誰がどんな貢献をしたのか」を透明に記録できます。 加えて、“スマートコントラクト”と呼ばれる自動契約の仕組みを用いることで、再生や購入などの行動が即座に報酬に反映される世界が実現可能になります。 つまり、“誰かを介さずに、ファンの応援がそのままアーティストに届く” という新しい価値の流れが作れるのです。

WEB3が変えるアーティスト・ファン・プラットフォームの関係

音楽業界でWEB3が導入されると、これまでの「聴く・売る・配信する」という線形の流れが、「共創・参加・循環」という円形のエコシステムに変わります。 以下に、その主要な変化を整理します。 ① 収益の透明化 ブロックチェーン上では、誰がどれだけ再生したか、どのアーティストに報酬がいくら支払われたかをすべて追跡可能です。中間搾取や不透明なロイヤリティ配分がなくなり、フェアな取引が成立します。 ② ファンとの直接的な関係 トークンやNFTを通じて、ファンはアーティストを直接支援できます。ライブチケットや限定音源、デジタルアートなどがNFT化され、購入者は“所有者”として特別な関係性を築けるようになります。 ③ デジタル所有の時代へ ファンは音楽を「聴くだけでなく持つ」ことが可能になります。例えば、ある楽曲をNFTとして所有すれば、二次販売で価値が上がった際に、その利益をアーティストと共有できるような仕組みも生まれます。 ④ グローバルな音楽流通 WEB3は国境を越えて動作します。従来の配信契約やレーベル制約を超え、アーティストが世界中のリスナーに直接届けることが可能になります。

世界ではもう始まっているWEB3音楽の潮流

すでに海外では、WEB3を活用した音楽プラットフォームが次々と登場しています。 代表的なものが「Audius」です。 本サービスは、ブロックチェーン上で動く分散型音楽ストリーミングサービスで、ユーザーが楽曲を再生するたびに、報酬がアーティストに直接分配されます。中間業者は存在せず、報酬はスマートコントラクトで自動的に処理されます。 また、アメリカ発の「Royal」では、アーティストが自分の楽曲の権利をNFTとして販売し、ファンがその一部を“所有”する仕組みを提供しています。 ファンは音楽の成功に応じて収益を分配されるため、まさに「共に育てる音楽経済」が実現されています。 日本でも、アーティストが自らNFTを発行したり、DAO型の音楽コミュニティを立ち上げたりと、少しずつ動きが広がっています。まだ黎明期ではありますが、確実に“音楽のあり方”が変わりつつあるのです。

理想と現実のギャップ？WEB3が直面する課題とは

しかし、WEB3がすべてを解決する魔法ではありません。現時点で、いくつかの課題が存在します。 技術的課題 ウォレットの操作やガス代（取引手数料）の理解など、一般ユーザーにはまだ難解な要素が多い。UXの改善が不可欠です。 法制度上の課題 NFTを通じて権利を販売する際、著作権や所有権の定義が曖昧な部分があります。法律が現実に追いついていないため、契約や税制面でのリスクが残ります。 普及面の課題 WEB3という言葉自体がまだ専門的で、一般層への教育や認知拡大が十分ではありません。技術そのものの価値を伝える「文化的な翻訳者」が求められています。

音楽の価値が再び輝く未来

WEB3が描く未来は、テクノロジーの進化の側面だけではなく、“音楽との関わり方” そのものの再定義とも言えます。 これまでファンは「聴く人」でした。しかし、WEB3の世界では「参加する人」になれます。 自分の応援がアーティストの活動に反映され、音楽が成長していく過程を共に体験することができます。 そこには、CD購入時代にあった「所有感」と、ストリーミング時代の「アクセス性」を兼ね備えた、新しい音楽文化が生まれつつあります。

2024年をもって活動を休止しているNulbarichボーカル、JQによるソロプロジェクト“Jeremy Quartus（ジェレミー クォータス）”が、第三弾シングル「Relapse」を11月5日（水）にリリースすることを発表した。 1作目はChaki Zule、2作目はSTUTSと、異なるプロデューサーと共に音の解像度を広げてきた本プロジェクト。3作目となる今作では、ついにJQ自身が全ての制作を担い、自己の内面と向き合うように音を紡ぎ出した。ミドルテンポの4つ打ちを軸にしたシンプルなリズムの上で、HITサンプリングが絶妙な間合いで鳴り響く。その上で描かれるリリックは、日常のスパイラルをモチーフにしたややシニカルな視点を持ちながらも、淡々としたリズム感とマンブルスタイルで軽やかに吐き出されていく。 また、楽曲のティザーも公開されており、本作のミュージック・ビデオはリリース同日11月5日（水）19:00に公開される予定だ。

Jeremy Quartusコメント

この曲はソロプロジェクトでは初のセルフプロデュース曲で、Liveを想定してみたりソロとしての想像やイメージが反映された曲です。ただゆっくり音に身を任せて世界に入り込める曲が欲しいと思ってたのでこの曲をリリースできてよかったです。是非是非このRelapseで僕とLiveで揺れましょう。

リリース情報

2025年11月5日（水） 3rd Digital Single 「Relapse」Release

プロフィール

Jeremy Quartus（ジェレミー クォータス） Nulbarichのボーカル・JQによるソロプロジェクト。 作詞・作曲・編曲・プロデュースをマルチにこなしHIP HOP,R&Bをはじめ、多くのブラックカルチャーに影響を受けてきた経験を元に、より私的で内面的に表現の本質を追求するためにソロプロジェクトを2025年7月よりスタート。 他アーティストへの楽曲提供やプロデュースも行い、DJとしても活動する。