2021年洋楽トップチャートを占めたラッパー「リル・ナズ・X」「ドージャ・キャット」の音楽マーケティングの共通点とは…
アメリカの音楽市場ではヒップホップジャンル、ラッパーがフィーチャリングした楽曲などが日本に比べて主流であり、トップチャートを占めることが多い。その中でもリル・ナズ・X、ドージャ・キャットは昨年更なる活躍をみせ人気を獲得した。
リル・ナズ・Xは、2019年に”old town road”をリリースし世界的に人気を集め、若者から多くの支持を得ている。2021年には自身初のアルバム”MONTERO”をリリースし、表題曲MONTEROやINDUSTRIAL BABYなどがSNS上で人気を集めた。
ドージャ・キャットは、2019年にリリースした”Say So”が全米一位になり注目を集め、2021年には自身のアルバム”Planet Her” のリリースのみならずシザやザ・ウィークエンドとのコラボ楽曲の発表など精力的に活動し、常にトップチャートに彼女の曲が上がっている状態が続いた。
双方とも数年たらずで多くの注目を集め、多くのファンから支持される世界的ラッパーになった。彼らが成功を収めた音楽マーケティングにはいくつか共通点がある。
批判を恐れない強気なマーケティング
まず一つ目に、周りからの反応、批判を恐れないマーケティングを行ったことで音楽業界での地位を確立したという点が挙げられる。ネット上で個人の感想、批判が簡単に広まるようになった昨今、オーディエンスがどのような受け取り方をするのかは非常に重要である。しかし、2人とも賛否関係なくより注目を集めるということにフォーカスしたマーケティングをしているように思う。 リル・ナズ・Xが注目を集めるきっかけとなった”old town road”は人気ジャンルで競争率の高いヒップホップジャンルではなく、カントリージャンルの曲にすることでカントリーチャートで上位ランクインしオーディエンスの目に止まり易くなった。ヒップホップ・ラッパーである彼の曲が、カントリーチャートに入っているのはおかしいと批判の声も上がったが、結果的に注目を集め成功を収めた。 また、ドージャ・キャットが、注目を集めたのは ”Moo!” のMVがきっかけだった。 MVではドージャが牛柄の衣装で踊っているかなり低画質な動画となっており、サムネイルにはポテトを鼻に入れたドージャの写真が使われるなど、かなりふざけた内容となっている。ただ、このホームビデオのようなおふざけがネットユーザーの関心を集めることに成功し、彼女の名前が広まっていった。両アーティストとも、ネット上で何に注目が集まるのかをしっかりと把握しており、批判も恐れない話題作りのためのマーケティングを行っている。had too much fun last night! thank u for coming out doja ur so small and cute pic.twitter.com/WS7Miefl30
— MONTERO 🦋 (@LilNasX) December 4, 2021