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Snapchatが音楽ビジネスに参入...大手音楽レーベルとの協議も水面下で進行か...
武田 満里奈 / Evening Music Records株式会社
2019年に入って以降、様々な分野の企業が、音楽業界へ参入するという波が来ています。
2019年4月にローソンエンタテインメントが、台湾の音楽配信大手KKBOXと組んで、サブスクリプション型音楽配信サービス「HMVmusic powered by KKBOX」をリリースしたほか、レコチョクが、2019年6月より音楽動画配信プラットフォーム「RecTV」(レックティービー)を立ち上げ、さらに、スマートフォン向け無料アプリ「RecTV」で、エクシングと連携して「RecTV for JOYSOUND」の提供を開始するとの発表した事も記憶に新しいかも知れません。
また、ByteDanceが運営する「TikTok」が、2019年内に独自のサブスクリプション型音楽ストリーミングサービスをリリースすると発表するなど、様々な分野の企業が、サブスクリプション型音楽配信サービスへの参入を表明するニュースが相次いでいます。
今までの音楽業界の様に、既得権益に守られた状況が崩されつつあるのかも知れません。
そんな中、先日、メッセージアプリでお馴染みのスナップチャット(Snapchat)が、音楽ビジネスに参入するとのニュースがありました。
SnapchatのSNSサービスとしての差別化とは...
ユーザーが楽曲を投稿できる様にするサービスを提供するため、ユニバーサル・ミュージックグループをはじめ、ワーナー・ミュージックグループ、ソニー・ミュージックグループなど、複数の大手音楽レーベルと協議を行っているとのことです。
しかし、スナップチャットから新しい音楽配信サービスがリリースされるという訳ではなく、投稿が自動で消えるスナップチャットのメッセージや画像・動画等に、楽曲を組み込むことができる機能を追加する様にする事が、今回の協議の目的の様です。
このところの音楽業界の動向として、サブスクリプション型音楽配信サービスの開始、というニュースが多かったように思うので、今回のスナップチャットの発表は少し意外に感じられたかも知れません。
しかし、Snapchat自身は、TikTokやInstagramといったメインストリームとなりつつあるSNSサービスと競合する中で、音楽業界に参戦するに当たって、自社の基盤となるアプリに音楽を組み込むという取り組みは他のサービスとの差別化に繋げ、SNSサービスの中でのポジションを確保しようという思惑が伺える様に思います。
音楽ストリーミングサービスの動向は...
現在、音楽市場は、すでにSpotifyやApple Music、Prime Musicといった大手サービスがその多くを占めており、次のマーケットとして注目されているインド音楽市場でもストリーミング最大手のGaanaやJioSaavnなどといったサービスがすでに普及しつつあります。
確かに時代はまさに音楽ストリーミングサービス、といった感じの風潮ではありますが、これからストリーミングサービスを始めるなら、他社のサービスとなにか圧倒的に差がつけられるサービスを提供できなければ、今の音楽市場で生き残っていくのは難しいと考えます。
この点において、Snapchatは音楽ストリーミング事業に参入するのではなく、自社のSNSサービスの基盤を活用し、音楽ビジネスとの親和性を高める事で、競合SNSサービスとの差別化を図ろうという思惑があるのかと推測出来ます。
音楽業界のIT化のトレンドとは...
スナップチャットの、すでに一定度のユーザーを獲得しているサービスに、音楽要素を追加し、よりそのサービス価値を充実させるというやり方は、新規ユーザー獲得に向けてというだけではなく、既存のユーザーを飽きさせないという狙いもあるのではないでしょうか。
今、急激にIT化してきている音楽業界の中で、他社サービスの模倣品というだけではなく、常に新しい視点でこれまでにない音楽サービスを生み出せるかがカギとなってくるのではないでしょうか。
編集: Evening Music Records株式会社
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