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2018年の音楽市場でストリーミングが急成長したことについて
武田 満里奈(EVENING編集部)
最終更新日:2024年3月11日
国際レコード産業連盟(IFPI)が発表した、世界音楽市場に関する調査結果によると、2018年における売上高 191億ドル(約2兆1285億円)は、前年比9.7%増で、4年連続の増加傾向にあるという事が分かった。
特に、ストリーミングを含むデジタル音楽の売上高は、前年比21.1%増と大きな成長を示しており、全体の58.9%を占める位置付けとなっています。対して、CD等の様な物理メディアは、前年度よりも10%程の減少となっています。
この結果から見ても、やはり今後の音楽業界は、デジタル化の流れには逆らえないという事を思い知らされます。私たちにとって音楽はもっと身近で手軽な存在になっていくのでしょうか。
世界的にも音楽ストリーミングは増加傾向
しかし、デジタル音楽の売上高の内訳を見てみると、あることに気づきます。
デジタル音楽全体での売り上げは大きく伸びているのに対し、ダウンロード音楽の売り上げは21.2%減となっているのです。それとは逆に、ストリーミング音楽配信サービスは急成長しており、総売上高の46.8%に相当する89億ドル(約9918億円)を占める結果となっています。
同じデジタル音楽の中でも、ダウンロード音楽は売り上げが低迷し、ストリーミング型の音楽配信サービスがカバーする形で、デジタル音楽全体の売上を成長させる程の構図を見せているという訳です。
さらに、近年の日本の音楽業界でも同じような現象が起こっています。今年2月29日、日本レコード協会による2018年の音楽配信売上では、ストリーミング型音楽配信サービスがダウンロード型配信サービスの売上を初めて上回ったと発表されました。業界内でも音楽リスナーの視聴傾向が変化してきている事が垣間見えます。
音楽はアクセスする時代に
ダウンロード型音楽配信サービスの低迷の原因は、やはりスマートフォンの普及が大きく関わっていると考えられます。
スマートフォンからYouTubeをはじめとする動画サイトを利用すれば、だれでも簡単に無料で音楽を聴ける環境が、「音楽は買うもの」といいう認識から「音楽はアクセスするもの」という認識を人々に植え付けるきっかけとなったのではないでしょうか。
さらに、ダウンロードとは比べ物にならないほど簡単に様々なアーティストの楽曲を聞く事ができるという点も、ストリーミング配信サービスの強みです。
Web環境にアクセスする事によって、音楽を手に入れられるようになった環境では、そもそも「ダウンロード」して音楽を1曲ずつ所有する必要がなくなっていると考えられます。
内閣総理大臣を訪問後に
音楽は現物を持たないデジタルへの移行から、ダウンロードのように所有するのではなく、ストリーミング型音楽配信サービスというサブスクリプションの形へと変わっています。
しかし、所有するスタイルから、アクセスするスタイルへと変わっているのは音楽業界だけではなく、動画配信や、中には家具や車、家といった私たちの生活により根付いている物まで、「所有」とは違った新しい形が出現しつつあります。
今起こっている音楽の在り方の変化は、今後の私たちの生活についての変化の先駆けとなっているのかも知れません。
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