©︎ Drew de F Fawkes [CC BY]
「amo」で姿を変えたBring me the horizon。消えたデスコアの面影...
Seigo Ando( Evening Music Records )
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本記事はEVENINGニュース記事です
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イギリスのシェフィールドを拠点にして活動しているロックバンド、Bring me the horizon。
2004年に結成した彼らはすでに15年以上のキャリアを残しており、長期で人気を誇り続けるバンドである。日本でもその人気は絶大であり、音楽性はもちろんのこと、ボーカルのオリバー・サイクスをはじめとしたメンバーの派手なビジュアルから若者を中心に人気がある。
そんな彼らの音楽性の原点は、メタルコア・デスコア。初期のアルバムである「Suicide Season」、「Count Your Blessings」、「There Is a Hell Believe Me・・・」などオリバー・サイクスのはち切れそうなシャウト、デスボイス。チューニングを何段階も落とした弦楽器、フロアのハードーコアモッシュを誘うビートなどいわゆる「激しい」音楽をやっていた。Bring me the horizionといえばそんなイメージという人も多いであろう。
だが、ここ数年の彼らの作品はだいぶ変わってきている。2013年リリースの「Sempiternal」から徐々に変化してきているだろうか、当アルバム収録の「Can You Feel My Heart」、「The House of Wolves」、「Shadow Moses」などはまだライブでも演奏されることが多いが、全面的にガツガツした印象を持つアルバムであり、いわゆる初期のBring me the horizonらしいアルバムとも言えよう。
その次作、2015年リリースの「That's the Spirit」ではシンセサイザー、打ち込みをふんだんに利用しポストロック、EDMの要素が入ってきている。「Happy Song」、「Throne」、「Drown(New)」なども今のライブでも定番曲であるが、だいぶ前作とは様子が異なった楽曲であり、より大衆が聴きやすくなった印象がある。
そして最新作、2019年リリースの「amo」。もうこうなってくると全くの別物だ。それまで前作でもありそうで、初期のBring me the horizon感があるのは「MANTRA」、「wonderful life」くらいであろうか。「medicine」、「mother tongue」などを初めて聴いた時は、本当にBring me the horizonなのだろうかと、困惑した人も多いことであろう。
そういえばONE OK ROCKも似たような変化を...
「ロックは時代遅れ」なんてよく言われたりする今日この頃。世界の大型音楽フェスでもブッキングされるのはEDM、ヒップホップ、ポップスといったロックバンドではないアーティストが多くなっている。(最も、2020年のコーチェラにはRage against the Machineがヘッドライナーとして出演するものの、他の2日はトラヴィス・スコットと、フランク・オーシャンというヒップホップアーティストである。)
そういえば、日本で大人気、海外でも積極的にツアーを行なっているロックバンド「ONE OK ROCK」もBring me the horizonと似たような道を辿っている。ONE OK ROCKも当初は歌ものであり、パンクの要素がある楽曲を多く演奏していたが、最新作「Eye of the Storm」はもうロックの要素なんて一つもない、カントリーミュージックのような楽曲も収録されている。
ロックからポップから転向するのは一種の流行りなのであろうか、確かに世間の流行の流れからしても、ロックバンドなんてもう古いのかもしれないのだが...
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