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〈ライブレポート記事〉Tempalay 2月22日ワンマンライブ『寿司』。驚きのステージが繰り広げられた特別な一夜とは...

EVENING編集部( Evening Music Records )

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2月22日、Tempalayがワンマンライブ『寿司』をTokyo Dome City Hallで開催した。この日は通常のサポートメンバーであるベースの高木祥太(BREIMEN)に加え、ギターやシンセなどを担当するOchan(NIKO NIKO TAN TAN)も参加した5人編成。さらに、演出にはPERIMETRONの佐々木集を迎え、後方と左右に鏡面を配した驚きのステージと、曲展開に合わせたライティングによって、斬新なライブが作り上げられた。

 

エキゾチックな雰囲気の祭囃子が流れ始めると、ステージ前方に下ろされた紗幕には曲に合わせて怪しく踊るダンサーのシルエットが大きく映し出される。そのシルエットが徐々にメンバーに変化していき、紗幕が落ちて、“脱衣麻雀”からライブがスタートした。

 

ステージ上には大量のスモークがたかれ、その中を複数のムービングライトが動き、客席から見るとメンバーが2人ずついるように見えて、何とも幻想的。その雰囲気のまま、“SONIC WAVE”で小原綾斗が挨拶代わりにノイズギターをかき鳴らすと、続く“のめりこめ、震えろ。”でようやく視界がクリアになり、鏡面を配したステージが全貌を現わす。

 

Ochanの参加で音圧はいつも以上に増していて、再び大量にたかれたスモークと粒子のようなライティングによる“未知との遭遇”は、曲調も含めてかなりサイケデリックだし、小原とOchanのツインギターによる“my name is GREENMAN”はさながらスタジアムロックのショーのよう。高木もギターのような高音でベースソロを弾いたりと、それぞれがプレイヤビリティを発揮していく。

 

『寿司』というタイトルに合わせて、シブがき隊の「スシ食いねェ!」や、渡哲也の「マグロ!」といったネタを仕込んだサンプリングパッドによるMCに続き、“THE END”では藤本夏樹、高木、AAAMYYY、Ochanの順で楽器が加わっていくイントロに合わせて、各メンバーにピンスポットが当てられ、“どうしよう”ではミラーボールがムーディーな雰囲気を作り出したりと、この日は曲ごとの世界観に合わせるだけでなく、一曲の中でも多彩なアプローチを見せる演出がとにかく印象的。藤本とAAAMYYYの共作曲“甘蕉”でも、波打つ映像とライティングをリンクさせて、ドープな曲調をさらに盛り上げる。

 

 

アヴァンギャルドな資質を改めて証明する特別な一夜...

 

 

“カンガルーは考えている”ではオープニングで紗幕越しに見たダンサーが姿を現し、無機質なモノローグと合わせて何とも奇妙な雰囲気に。アウトロでストロボの強烈なフラッシュの中、My Bloody Valentineばりのシューゲイズサウンドが鳴らされると、パッと赤いライティングに切り替わって“大東京万博”が演奏され、“革命前夜”ではステージとフロアの両方に設置されたミラーボールが輝く。“テレパシー”でもAAAMYYYのラップパートになるとステージが明るくなり、パーティーなムードを演出した。

 

MCで小原は「なんで『寿司』っていうタイトルにしたかって、今日の打ち上げを寿司にしてもらおうと思ってつけたんですけど、打ち上げしたらアカンらしいですわ。じゃあ、何でなんこの『寿司』って」と笑うも、「今日のライブは本当に楽しみにしてきました。みなさん、楽しんでいただけてますでしょうか?」と話し、場内からは大きな拍手が起こる。

 

ひねくれたコード進行によるストレンジポップ“San Francisco”に続いて、“TIME MACHINE”でも特徴的なリズムパターンや複雑な曲展開の面白さがライティングの変化でより強調され、“EDEN”では再びツインギターがロックな側面を強調して、セッションのようなアウトロでは藤本がハードコアばりのドラミングを披露。青緑色のライティングとスモークがタイトルのイメージ通りな“深海より”、シンプルな演出がリリカルなメロディーのよさを引き立てる“そなちね”に続き、“ラストダンス”ではステージ後方からのライトによって浮かび上がるメンバーのシルエットと、スケール感のある曲調が合わさって、この日のクライマックスを作り上げた。

 

最後にもう一度、スモークとミラーボールで異世界を演出したラストナンバー“New York City”は、まるで天国に辿り着いたかのよう。セットリスト自体はTempalayのライブ定番曲が多く演奏され、新曲が披露されたわけではないが、初めての5人編成での演奏に加え、緻密にデザインされた演出によって、これまでのTempalayのライブとは全く違う、新しい体験と言ってもいい内容に。バンドのアートに対する挑戦的な姿勢とアヴァンギャルドな資質を改めて証明する、特別な一夜だった。

 

文:金子厚武

撮影:鳥居洋介

 

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公演情報

 

■「寿司」

2022年2月22日(火) TOKYO DOME CITY HALL

 

■「寿司」セットリスト配信リンク
https://tempalay.lnk.to/reghosttour

 

 

【リリース情報】

■ シングル「あびばのんのん」

発売日:2021年9月8日(水)

CD購入・配信リンク:

https://tempalay.lnk.to/avivanonnon

 

■ アルバム「ゴーストアルバム」

発売日:2021年3月24日(水)

CD購入・配信リンク:

https://tempalay.lnk.to/GhostAlbum

 

 

 

【プロフィール】

 

FUJI ROCK FESTIVAL、アメリカの大型フェスSXSWを含む全米ツアー、アジア圏内でも各国ツアーを行う等、自由奔放にシーンを行き来する新世代バンド”Tempalay”。

15年9月にリリースした限定デビューEP『Instant Hawaii』は瞬く間に完売。16年1月に1stアルバム『from JAPAN』、17年2月に新作EP『5曲』を発売。17年夏にGAPとのコラボ曲「革命前夜」を収録した2ndアルバム『from JAPAN 2』をリリース。18年夏、AAAMYYY(Cho&Syn)が正式メンバーに加わり、新体制後にリリースしたミニアルバム「なんて素晴らしき世界」が各方面から高い評価を得る。19年6月、怒涛の時代をTempalayという新しい音楽の形で表現したNEW ALBUM『21世紀より愛をこめて』をリリース。20年2月に配信シングル「大東京万博」、12月にはワーナーミュージック/unBORDEより、メジャーリリース第一弾となる配信シングル「EDEN」をリリース。21年3月には、前作から約1年9か月ぶりとなる4thアルバム『ゴーストアルバム』をリリース。9月には、初めてのシングルCD「あびばのんのん」をリリースした。

 

 

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