Quote source:Universal Music Japan
KPOPブームの中、BLACKPINK(ブラックピンク)はなぜここまで人気を維持できるのか?
マッキノン美怜( Evening Music Records )
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ここ数年で瞬く間に世界を虜にしているKPOPだが、中でも際立って人気があるのがガールズグループBLACKPINK(ブラックピンク)である。
K-POPアイドルで初の MV動画再生回数10億回を突破し、2020年にはガールズグループの中でも初めて米ビルボードアーティスト100チャートで1位に輝いている。
ソロ活動をしているメンバーもおり、 魅惑的な雰囲気と「ファッションアイコン」として広く知られているジェニーのソロ曲、「SOLO」のMVはKPOP女性ソロイストで初めて7億回再生以上を記録した。また、透き通る美声を持つブラックピンクの歌姫、ロゼはソロ曲「On The Ground」でギネス世界記録を二つも更新している。その他にもそれぞれのメンバーが有名ブランドのアンバサダーを務めたり、CMのイメージキャラクターとして活動したり、どのメンバーも華やかな経歴を持っている。
そんな絶好調なブラックピンクも今年で結成5年目だ。この5年間で数多くの新しいKPOPグループが輩出されているものの、ブラックピンクはデビュー当時から不動の人気を維持している。その人気の理由は彼女たちのカリスマ性と美貌だけではなく、ブラックピンクの事務所、YG(エンターテインメント)による効果的なマーケティング戦略のおかげでもある。
世界的アイドルを作るためのメンバー構成とは
ブラックピンクのファン層を分析すると、本場の韓国よりもファンの人数が圧倒的に多い国々が他にもある。それはYGが狙っていた戦略の効果だ。
国内だけではなく、世界的にヒットするグループを目指すために海外ウケするメンバー構成、雰囲気や個性を重視し、今私たちが知る「BLACKPINK」を作り上げたのだ。
ブラックピンクがデビューを果たした2016年には、男性に人気な「キュートコンセプト」のガールズグループがほとんどだったため、ブラックピンクのように「かっこいい女性像」をコンセプトにしたガールズグループはとても新鮮だった。
ブラックピンクのデビュー以前、いわゆるKPOP第二世代には、同じくYG所属の2NE1や4Minuteなど、「女性のカッコよさ」をコンセプトにしたガールズグループもいた。どちらのグループも韓国で人気を誇り、海外でも話題となった。だが、グループ内の不仲説やスキャンダル、1人のメンバーへのえこひいきなどが原因でどちらも解散となった。K-POP第三世代に入り、このような「かっこいい女性像」をコンゼプトとしたグループが消えつつある中、YGアーティスト特有のヒップホップ感とクールな雰囲気を醸し出すブラックピンクは、とてもインパクトのあるデビューを果たすことができたのだ。
世界的に認知されるようになったのも、ブラックピンクの個性的な雰囲気が理由なのではないか。
ブラックピンクファンが最も多くいる米国は、もともとアジアのような(ガールズ)アイドル文化がない国である。海外からみた以前のアジアのアイドル文化、またはガールズグループのイメージは、主流であった「キュートコンセプト」や男性ウケを狙っていたマーケティング戦略が多かったからか、「ロリコン」や「オタク」というものが多く、批判的だった人も多かった。
その一方、Fifth HarmonyやDestiny’s Child など、クールなガールズグループがアメリカでは大人気で、女子の憧れの存在となった。ブラックピンクの雰囲気はそういった、アメリカで大人気なガールズグループと 似ているため、アメリカをはじめ、アジアのアイドル文化がさほど浸透していない国でも人気を得ることができたのではないか。
他にも、今までのガールズグループにはほぼいなかった、外国人メンバーや海外在住経験のあるメンバー、そして英語が堪能なメンバーを入れることによって、グローバルな雰囲気を作り上げることができた。
ブラックピンクのメンバーたちが英語で会話をしたり、英語でインタビューを受ける姿を海外のファンは見ると、親近感を感じることができるのだ。どのKPOPアイドルグループも、ユーチューブチャンネルやバラエティー番組に出演し、ファンにアイドルたちの素顔を見せ、親近感を感じさせるマーケティング戦略を実施するものの、韓国語がわからないファンや韓国文化に詳しくないファンにとって親近感を感じさせることは至って難しいだろう。そんな中、英語ができ、グローバルな雰囲気を持つメンバーがいることで、海外のファンからの支持が得やすくなるのだ。
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ブラックピンクが輝き続ける理由
ブラックピンクの世界的な人気を維持させるためには、活動においての戦略も必要である。他のグループは数ヶ月に一回のカムバック(新曲・アルバム発表後の活動)があるにもかかわらず、ブラックピンクのカムバックを年に一回にしたのも、彼女たちほどの人気を持つグループならではの戦略の1つなのだ。
活動をしていない期間の間、モデルやバラエティー番組に出て他の仕事をこなし、ファンの視界には常に入っている。そのため、人々から存在を忘れられることはないが、活動をしていない期間が長引くほど、次のカムバックへの期待が高まるのだ。そのおかげで、カムバックがあると、MVの再生回数やCDの売上が圧倒的に伸びる。
ブラックピンクを世に送り出し、その人気を不動のものとし、さらに進化を続けているYGの戦略は成功の1つの例だ。
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