渋谷の街をライブ会場に、水谷若葉がバスライブ!スクランブル交差点にいた人たちみんながオーディエンス…?
愛媛県出身、現在「#四国はイイトコ」アンバサダーとしても活動中のシンガーソングライターの水谷若葉。彼女は今「地元愛媛を含む中国四国地方の魅力をより多くの人に知ってほしいとう思いを胸に、母校の校訓でもある「やればできる」をモットーに活動をしている。
地元愛媛のみならず「中国四国地方の魅力を」と語るように、最近では山口県の酒蔵「村重酒造公式アンバサダー」にも就任。4月16日に山口県岩国市の酒造で行われる「酒まつり」にも出演する。
現在、川崎の駅前で定期的に路上活動を続けるなど 5月13日(土)にJ-SQUARE SHINAGAWAで催す「水谷若葉ワンマンライブ Grow up〜The 24th birthday〜」に向けての活動を積極的に行っている。その一環として水谷若葉は3月25日に「ライブバス」と題し、マイクロバスを貸し切り、渋谷界隈を周遊しながらその中でライブを行った。
出発前のバスの中では乗り込んだ人たちと気軽に会話をしてゆく。水谷若葉の挨拶に続き、オリジナル曲の『スタートライン』を合図にバスが出発。とても晴れた表情を持った「ここからがスタートライン」と歌う楽曲はバスライブの始まりにもピッタリだ。バスの中では満面の笑顔を浮かべた水谷若葉が、晴れ渡る声を響かせて歌い、観客たちも手拍子やペンライトを振りながら身近な距離でのライブを楽しんでいた。
このバスライブ、ブラインドを閉めずに窓を開放していたことから外からも中の様子がはっきりと見える。しかも、外付けスピーカーからは中のライブの模様も流している。バスの中でライブを、しかも渋谷の街中を走りながら行っている様を目撃し、不思議な表情で観ている人や、物珍しい光景ということもあって写真を撮っている人たちも登場。水谷若葉は、外を歩いている人たちに向けてもアピールしていた。
ここからは、水谷若葉のルーツや大好きな曲たちを次々とカバー。水谷若葉が少し色気を持った声で伸び伸びと歌いあげる宇多田ヒカルの『Movin'on without you』は、渋谷の街中をバスに乗って走る景色にとても似合う。渋谷のスクランブル交差点前で信号待ちをしていた時には外を歩いている人たちにアピール。街行く人たちも見慣れぬ景色に遭遇したことから、バスの中に生まれたライブ空間を興味深げに眺めていた。意外とリラックスしながら??いやいや、普段は味わえない空間の中でのライブという理由もあって、水谷若葉自身がいい女を演じながらこの場で歌うことを楽しんでいた。
ライブは1曲歌い終わるごとに観客たちと会話を交わしながら進んでゆく。その様は歌うバスガイドのよう。この日の選曲は普段のライブとは異なる「渋谷の街に似合う曲たちを渋谷の街中を走りながら味わう」というコンセプトで選曲。 ちゃんみなの『ハレンチ』でも水谷若葉は大人びた女性になりクールな声でアプローチ。次第に暮れだした外の景色と色鮮やかなライトの煌きが混じり合う空間の中で、水谷若葉は艶めいた声で色っぽく歌っていた。
MCでは、揺れ動くバスの中で歌うことから「体幹を鍛えられる」と語っていた。バスライブは外にも音が響いていることから、水谷若葉はしっかりと自己宣伝もしていた。
続いて披露したのが玉置浩二の『メロディー』。これまでノリ良い曲を歌ってきた中、ここでバラードを歌うことでその歌唱力をアピール。アコギの音を中心にしたシンプルなトラックの上だからこそ、芯の太い?水谷若葉の歌声の深みを感じ、乗り込んだ人たちも歌う姿を心へ刻むように見つめていた。
あいみょんの『マトリョーシカ』では、ふたたび気持ちをノリノリに少しクールな装いを持って歌声を響かせた。交差点でバスが止まった時、外を歩いている人たちの中には、短い時間とはいえ一緒にノッてくれる人がいたのもバスライブという不思議な空間の中だからこそ生まれるノリだ。
ライブも後半へ向かうこともあって、次に水谷若葉が歌ったのがマカロニえんぴつの『ヤングアダルト』。曲調も歌詞も雰囲気も渋谷の街中をライブ会場に仕立てて歌う今の雰囲気にとても似合う。バスの中が舞台とはいえ渋谷という街中自体をライブ会場にしてゆくだけに、街やそこに集まる人たちの雰囲気に似合う曲を歌うと、その曲の魅力も歌う水谷若葉自身の姿もより煌めかせる効果を発揮してゆく。ノリノリで歌う水谷若葉の姿も輝いて見えていた。
MCでは、歌っている途中に満開の桜を発見し春を感じた喜びも伝えていた。偶然大学時代の同級生と渋谷の街中で遭遇し、嬉しい驚きを覚えていたことも伝えておこう。
東京事変の『透明人間』でも観客たちのクラップもライブを彩る演出にしながらノリノリで歌っていた。狭いステージ空間ながら、つねに右へ左へと移動をしては、観客たちはもちろん左右の窓から見える街行く人たちにも無邪気にアピール。たとえ短い時間とはいえ、渋谷の街中にいる人たちを観客にして楽しめるのがバスライブの魅力だ。
MCでは、バスガイドになった水谷若葉が渋谷の街中の様子を伝えていた。他にも「#四国はイイトコ」アンバサダーとして、この日の背景に映っていた四国を紹介する本人の映像を背に四国の魅力も紹介。それくらいノリノリで楽しんでたということだ。
最後に水谷若葉はこの日に初披露となる新曲の『一歩』を歌唱。ここから一歩一歩未来へ向かって踏み出してゆく今の水谷若葉自身の気持ちと重なる楽曲だ。ノリの良さを持った彼女の明るい歌声がとても生きる楽曲なのも嬉しい。『一歩』に触れながら、これからも彼女と一緒に未来へ待ち受けている景色を見ることに期待と希望を抱いていた人たちもいただろうか。水谷若葉は歌っていた、「何度でも信じ続けることが自分を、いとおしい(応援してくれる)"あなた"を、そして未来を輝かせるんだから」と。
水谷若葉本人は日常では味わえない空間でライブを行ったことをとても楽しんでいた。再びその機会が訪れるかはみなさん次第。さらに初CD音源/サブスク音源として『一歩/スタートライン』が、ワンマン公演の日と同じ5月13日に先行発売することを伝えてくれた。『一歩』はMVも制作するので、こちらの完成も楽しみにしてもらいたい。
文:長澤智典