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くじらが継ぐ、新ミュージックの潮流。2020年 ネット発ミライ行!

Mizuki Nunokawa( EVENING編集部 )

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更新日:2023年12月24日

 

 

「日本はサブカルチャーの盛んな国である」、と内外から言われて久しいが、ネット発のポップカルチャーの発展は留まることを知らない。

 

その中でも最近、「くじら」という作曲家に目をつけた。

 

もはや日常に違和感なく溶け込むボーカロイド。気づけばネット以外の場所でも至るところで見ることが出来る。

 

そんなネット発の音楽前線、この最先端を狙わんとする彼―くじら氏(Twitter @WhaleDontSleep)―は、主にTwitterとYouTubeにて楽曲の発表を行い、現在ジワジワと支持を得ている。

 

 

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くじらの人気の秘密は何か?その現象に迫る

 

ボーカロイド文化は動画サイトを通じて流行を作る風潮が発祥以来続いていて、現在でも媒体を変えながら根強い人気を誇っている。

 

その中で、彼は約1年という短期間で一部の耳の早いファンたちから強い支持を得た。ギターやベースのプレー動画などもアップする多彩な彼が繰り出す曲は累計で1,000万回再生を越える。Twitterのフォロワーは処女作を投稿した直後300ほどだったのが、現在では3万以上だ。(2020年7月現在)

 

ボーカロイドは勿論、複数の歌い手にも歌唱を依頼するなどその多様性を深めている。

 

また、楽曲の提供にも積極的だ。yama氏に提供した楽曲「春を告げる」はLINE MUSICなど大手ストリーミングサービスにて連日人気上位にランクインしている。長期間での信頼のできる集計データと言うには早計だが、流行に敏感な若者を中心としたストリーミング聴取者の耳をしっかり掴んだことは確かであろう。

 

では、何故くじらは注目を浴びているのか。

 

昨今のトレンドや流行を追った結果、リスナーの興味の傾向にヒントがあるのではないかと考えた。それは「エモさ」「チルさ」をステータスとする若者の音楽性である。

 

エモさ、チルさと呼ばれるものは些か曖昧な表現ではあるが、つまるところクールでダウナーな雰囲気を燻らせる音楽の楽しみ方と言って差し支えないだろう。ローファイやヒップホップ、テクノやハウスなど様々な表現を交差させたスクランブルな概念なのだ。

 

そしてポップとして落とし込み、ミックスしたのがくじらの音楽なのではないか。私もYouTubeに投稿されている楽曲を全て聴き、絶妙な音楽性の配合に思わず唸ってしまった。

 

 

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くじらの放つ曲に包含される絶対的な『新しさ』

 

今まで、ボーカロイドを媒介としたアーティストは多く陽の目を浴びてきた。

 

具体的な名前をあげれば、米津玄師、wowaka、CIVILIAN、須田景凪、Eve、ヨルシカ、キタニタツヤ…上げていけば切りがない。彼らは2010年代の幕開けを皮切りにして舞台を広げ、活躍してきた。

 

フォロワーとなる作曲家たちは多く、コンテンツとして今や市民権を得ていると言っても過言ではない。

 

しかし、フォロワーの中でも彼のように、独創性を持ちつつニーズへのアンサーをする作曲家は、今後先人たちリーダーに近づいていくことが楽しみだと言えよう。

 

また私は、くじらの「新しさ」に一つ気が付いた。それは、ボーカロイドありきで進化していくこれまでの風潮と違い、生身の人間への落とし込み、マッチングをほぼ同時並行的に、非常に多角的に行っているという点だ。

 

歌う媒体は勿論、「エモさ」「チルさ」へ焦点を置きながらも、より深めた「シーサイド・モーテル」や、突き刺さるギターサウンドが特徴的な「幽霊少女」などに見られるように、爆発的な人気を誇る曲以外でもバリエーションの幅は広い。

 

常に変化し続け、時代の波に乗るだけでなく乗りこなすという姿勢が、必ずくじらの人気を今後も後押しするだろう。タイトルでは「継ぐ」としたが、「更新する」姿にも期待ができる。

 

この新しさを、新しさたらしめるくじらの魅力は、流動的なネットミュージックのミライへはっきり輝くものであると信じてやまない。

 

 

 

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布川 泉輝
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くじらが継ぐ、新ミュージックの潮流。2020年 ネット発ミライ行!へ1件のフィードバックがあります。

    • Araki Hruna
    • 音楽好き大学生 @作曲家志望

    この頃から凄いコンポーザー。Adoとかも凄い

    avatar

    2021年3月20日 10:39 PM