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くるりが結成20年目の名曲「琥珀色の街、上海蟹の朝」をピックアップ!

 

結成20周年イヤーを飾る楽曲として、くるりの通算30枚目のシングルとして発表された『琥珀色の街、上海蟹の朝』。20年目にして初となるR&B/ヒップホップ的なアプローチを試みながら、オーケストレーションを含む構築的なアレンジメントの独創性はやはり唯一無二であり、当時のトレンドである「シティポップ」との距離感も興味深い一曲となっている。

 

また、国内外の社会不安ともリンクするようなヴァースの重苦しい雰囲気が、〈上海蟹食べたい あなたと食べたいよ〉というコーラスで一気に反転する瞬間のマジックは、ポップミュージックの持つ特別な力を感じさせる楽曲だ。

 

また、映像を手掛けたのはタイ・バンコク出身の漫画家Wisut Ponnimit(ウィスット・ポンニミット)。くるりの公式アーティスト写真も長らく彼によるイラストが使われている。

 

 

結成20年目のタブー解禁?

 
京都で結成され、フォークな楽曲からエレクトリックなサウンド、クラッシック、民謡までアルバムごとに様々なバンドサウンドを展開してきたくるり。ボーカルの岸田繁は京都清華大学の客員教授にも就任するなど知性派な一面も伺える人物だ。
 
この20周年を機に発表された「琥珀色の街、上海蟹の朝」は、岸田が封印してきたシティポップ/ブラックミュージックの影響を解き放ち大胆にラップも取り入れながら、くるりらしさを失わない曲に仕上がっているが、くるりがアーティストとして狙ってヒットさせた楽曲とも言えるだろう。
 
90年代ぐらいまでは田舎/都会という文脈で都会的で洗練された言葉の意味が抽象化されたおしゃれな音楽がシティポップとして広まっていたが、その様な音楽はまだ見ぬ都会的な生活に憧れさせる一種の魔力を持っていた為、都会的なイメージを彷彿とさせたのだろう。
 
メディアが喧伝するイメージがそのまま地方に住む人々に伝わり、都会的な生活が夢のように響いていったと想像でき、その様な音楽はブラックミュージックの影響を大きく受けていました。一方、くるり自体は反フォークソング的な音楽ではなく、土着的なフォーキーさを残しつつ、新しいサウンドを構築してきたとも言える楽曲を幅広くリリースしてきた。
 
しかし、20周年を機に岸田は封印してきたシティポップ/ブラックミュージック的なサウンドを解禁したことで当時話題になった。

 

 

 

 

また、本作がラップ曲になった理由についてはロングインタビューで岸田自身以下の様に語っている。

 

 

岸田:この曲って、4つの循環コードがずっとループしてるんですけど、まずそれだけをメンバーとかスタッフに聴かせたら、みんなオーってなったんですよ。「いや、そりゃそうでしょ。これいろんな人がやってることで別に作家性ないし」って思って、最初は曲作るのもそんなに乗り気やなかったから、その「オー」を「えー?」に変えてやろうって気持ちになって、いろいろやり出したんです。ただ、ソウルっぽい循環コードで歌ってみたら、やっぱりソウルフルな歌になるんですけど、でも歌唱力がないんですよ。日焼けした女性シンガーがやりそうな感じ、MISIAとかLeyonaちゃんとか、そういう人に歌ってほしい感じで、俺が歌ったら、よほどじゃない限りギャグになる感じがしたんですよね。

 

 

―だから、ラップになっていった?

 

岸田:一回ギャグになってもいいから作ってみようと思って、歌詞も書いて、歌ってみたら、ホンマにオモロかって、そのうちそれ聴かせたいなって思うんですけど(笑)。とにかくこれだと誰かのコピーみたいになってまうし、これで歌詞に「木漏れ日」とか入ってたら、「プププ、アホか」って感じになるんで(笑)、とりあえず、今歌いたいことっていうか、今歌う感じの歌詞を無理やりにでも書いていったときに、これはラップの方がいいかもってなって、実際やってみたら、何となく合うかなって思ったんですよね。

 

 

やはり彼らの試行錯誤があっての楽曲なのだろうが、それでも楽曲制作レベルの高さが伺えるのは流石としかいい様がない。今後も要チェックなアーティストだ。

 

 

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投稿者

EVENING編集部
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