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「ポップしなないで」が注目される理由と、アーティストとしての課題とは…
留意事項:
※ 本ページには、EVENINGインターンシップの選考にご応募頂いた方が実際に作成された選考課題の一部を掲載しております。
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Q. あなたが今最も注目しているとお答えされた理由を教えてください。
自分が「ポップしなないで」に注目している理由を解説していくが、まず昨今の音楽の流れとして音圧を過剰に求める”音圧戦争”が終わったことに触れておきたい。もちろん音圧自体は必要だが、かつてのような心の臓に響かせるまでのことは求められなくなったと感じる。
その理由の一つにスマホの普及及びストリーミングサービスが普及があげられる。
音圧は迫力は増すが、その分音質を損なう。つまり機能性に優れた大音量のスピーカーから流すのを前提としているため、仮にもオーディオ機器として高性能とは言えないスマホとは相性が悪い。これが”音圧戦争”終結の決定打になったと言える。そこで音圧の次に求められるようになったのが、迫力とはある意味真逆ともいえる「繊細さ」である。あるいは”エモさ”と言い換えてもいいかもしれない。
もっと具体的にいうなら明瞭感があり(音数が少なく)、一音一音がはっきりしている音楽が好まれるようになった。例を挙げるなら優里の「ドライフラワー」やYOASOBI、瑛人の「香水」などが挙げられる(「香水」に関しては、売れ方が例外的なのでここで例としてあげるには少しそぐわないかもしれないが)。 洋楽でいうなら、ビリー・アイリッシュやエド・シーランも音数は比較的少ないと言える。
こうして繊細さ=エモさが重要視される時代で台頭してくる楽器(あるいは再評価されていく楽器)がピアノ(あるいはキーボード)だと自分は考える。ピアノは一音一音がはっきりしている上に、メロディとコードを同時に奏でられるため、曲全体に明瞭感を保ったまま曲を完結させることができるという強みが有る。ここで言う明瞭感とはすなわち”エモさ”のことである。
しかし、それだけならギターやその他楽器にもできてしまうが、ピアノの強みはそれだけではない。ロック台頭の時代と比べて、近年ますます複雑化していくコード進行に比較的容易く対応できるという点でピアノは優れていると言える。コードが複雑化している理由としてもテンションノートが持つ独特な響き、”エモさ”に需要が向けられているからであるが、これらの複雑化したコードはピアノ以外の楽器では得てして対応しづらいことがある(がんばれよ!と言われてしまうとそれまでの話なのかもしれないが・・・)。ここまで現代が音圧ではなく”エモい”を求める時代であること、そして”エモい”とピアノとの親和性を説明してきた。