時代の流れに逆行してレコードブームが再燃!そのワケとは?
CDからサブスクリプションサービスへと、音楽市場の中心が移ろいでいる現在。音楽の視聴手段はアナログからデジタルへ、より気軽に・より安価に音楽を楽しみたいというニーズが増えています。しかし、そのような中で時代の流れに逆行するようにレコード盤の市場が勢いを取り戻しつつあります。
※サブスクリプションサービス:定額課金性の音楽サービスのこと。SpotifyやApple Musicなど。
◆ レコードの売り上げがCDの売り上げを上回る可能性も…?
全米レコード協会の調査で、2019年上半期のレコード売り上げは2億2410万ドル、CDの売り上げは2億4790億ドルとレコードの売り上げがCDの売り上げに接近していることが明らかになりました。今年のCDの売り上げがレコードの売り上げの3倍にも及ぶ勢いで急落していることから、近い将来レコードがCDの売り上げを上回る可能性も考えられます。
サブスクリプションサービスなどの視聴手段に及ばないものの、レコード盤には未だに根強いニーズがあるようです。その裏には”往年の大人気ロックアーティストのボックスリリース”や”デザインにこだわりが見える、若手アーティストのアナログ盤発売”がありそうです。
https://fnmnl.tv/2019/09/09/80700
◆ 若手アーティストもレコードを出す時代
アナログレコードは、CDが主流でなかった時代の・過去のアーティストが出すもの というイメージをお持ちではありませんか?実は、現在人気の若手アーティストもレコード盤を製作しているのです。
2017年にはソニーが29年ぶりにレコードの自主生産を開始し、「サカナクション」「星野源」「きゃりーぱみゅぱみゅ」「RADWIMPS」「Perfume」などのアーティストがCDとアナログ盤を同時発売しました。
若い世代に人気のアーティストがアナログ盤を出す理由は、若いリスナーの中で、アナログ盤にこだわりたいというニーズが増加しているからです。オーディオ環境にとって聴き心地が異なるという一種の再現性の低さが、誰が聞いても同じに聞こえる、サブスクリプションサービスに慣れてしまった世代にとって新鮮なのかもしれません。
2015年にはHMV records shop 渋谷がオープンしたことも若者のレコード需要の増加に直接的に影響しているといえます。
https://kusanomido.com/study/life/music/25906/
◆ 手間がかかる・実体があるからこそ、いい。
若者にレコード盤が好まれる理由の一つとして、オーディオ環境によって音質が異なるという一種の再現性の低さ を挙げましたが、実は他にもレコード盤ならではの良さがあるんですよ。
-アーティストのこだわりが詰まったデザイン
CDよりもサイズの大きいレコード盤は、より生活に馴染むような、そしてよりヴィンテージ感のあるデザインに作り変えられていることが多いです。CDとレコードを同時に発売しているアーティストの、両ジャケットを比較してみるのも面白いかもしれません。
-目で見て楽しい、聴いて楽しい、飾って楽しい
レコードを再生するときには、レコード盤に刻まれた傷(=音の振動)を針でなぞっていきます。デジタル化された音源を聴く際には超高音・低音域が圧縮されているために、録音された音を直接聴くことができません。
しかし、レコード盤の場合には録音された音がそのままリスナーの耳に届くので、より臨場感のある音を楽しむことができます。加えて、再生時にはレコード盤上を針が移動している様子が見られるために音が紡がれている、解かれていることを見で見て楽しむことができます。
運営会社: Evening Music Records株式会社