タリバンの権力掌握、カブール空港では大混乱も。厳格な罰則や音楽なども禁止か... アフガニスタンの今とは
EVENING編集部( Evening Music Records )
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アフガニスタンで、反政府武装勢力 タリバンが首都カブールに進攻し、日本時間の8月16日の早朝、政府に対する勝利を宣言した。加えて、ガニ大統領は出国し、政権は事実上の崩壊している。
タリバンは今月8月に入り次々と州都を制圧していき、8月13日には南部の第2の都市 カンダハルを制圧、8月14日には北部の要衝マザリシャリフなどを、8月15日には東部ナンガルハル州など合わせて6つの州都を制圧した。加えて、9割余の31の州都を支配下に置き、首都カブールに進攻した後、8月16日には政府に対する勝利宣言を行なったのだ。
ただ、この「タリバン」だが、どの様な組織なのだろうか...。
タリバン自体は、旧ソビエト軍撤退後の内戦で国内が疲弊していた最中の1994年にアフガニスタン南部で結成された歴史を持つ。言語的には、タリバンとは、イスラム教を学ぶ「神学生」という意味で、隣国パキスタンのイスラム神学校で教育を受けた学生たちが「真のイスラム国家の樹立」を掲げて結成した背景があり、当時、勢力を急速に拡大しながら、1996年には首都カブールを制圧して政権を樹立し、国土のほとんどを支配下に置いている。
彼らは、イスラム教を極端に厳しく解釈し女性の就労や教育を制限したり、2001年には「偶像崇拝はイスラム教の教えに反する」として世界的な仏教遺跡であるバーミヤンの大仏を爆破し国際的な批判を浴びるなど、特有の思想で行動を取ってきた歴史がある為、今回の政権掌握により当時の様な状況が再び訪れるのでは....と危惧する声も上がっている。
また、2001年のアメリカ同時多発テロ事件では、首謀者である国際テロ組織アルカイダのオサマ・ビンラディン容疑者の身柄の引き渡しを拒否するなど米国への反対姿勢を見せた為、アメリカ軍などのアフガニスタンへの軍事作戦を踏み切らせ、結果、当時タリバン政権は崩壊した。
カブール空港での民衆の混乱...
タリバンが制圧した首都カブールでは、米国は大使館員などを優先的に退避させるため、8月16日にカブール国際空港を管理下に置いた。
また、この様な状況下で、タリバンを逃れようと必死のアフガニスタン市民が飛行機によじ登ろうとするなど、カブール空港では大混乱が発生している。民間人が少なくとも3人は死亡するなど、その混乱は続いており、離陸する米空軍機などにしがみつこうとした人も多く発生しており、それ程に今回の変化から逃れようと考えている人の様子が伺える。
実際に、アフガニスタンのメディアが入手した映像には、滑走を始める飛行機の脇にしがみつく人たちの姿が映っている。
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今後予想される未来と今できる事とは...
今後のアフガニスタンでは、タリバン政権が主導権を握り、再び彼らが正しいと考える世の中が広まる流れが想定される。2000年初めの頃に統制が敷かれたテレビや音楽・映画などの禁止が、今回も実現となるかも知れず、市民にとっては少なからず変化を強いられる可能性が高い状況にあるのだ。
また、以前、イスラム原理主義勢力であるタリバン政権下にあったアフガニスタンでは音楽を楽しむ事が禁止されてきた歴史があり、近年でも一部の地域では音楽店を狙った襲撃が起きたり、服装や髪型を理由にしたミュージシャンに対する差別も残っているなど、文化的な制限も大きくあった。
この様に、日常生活レベルでの制限が発生したり、厳格な刑罰が導入されたり、文化的な楽しみや趣向でさえも制限が課される様な未来が想像できる為、アフガニスタン市民は脱出したいという気持ちを強く抱くのだろう。
歴史的な主義主張の違いから発生する対立などを容易に解決する事は難しいが、そこで暮らす人々が安全で心身ともに健康的な生活を送る事が出来る状況をまずは願いたい。
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自国で生活していることに改めて安心と平和を感じる一方、同じ星に生きていると考えた時に一人一人が本当に望む国づくりとは一体何で、この国に住んでいながらにして何をしてあげられるものかと考えさせられる出来事だと感じる。
2021年8月21日 3:34 PM